土地をどう分割して相続するかは難しい

泣く江本

『そんな目くじら立てることではないでしょう?
 こんな感じで父さん母さんの土地はみんなで分けて相続しようか?』

そんななあなあの考え方が通用するのは兄弟姉妹間だけです。
数十年経って従兄弟通しになるとそんななあなあは通用しませんし
争いことにもよくなります。

不動産、特にひとつの土地を分割して各相続人が相続する時の分割のやり方はかなりしっかりと将来の売却や建て替えを考えておかないと大変なことになる

たとえば親が所有していた土地がそこそこ大きい場合に子供たちがそれを分割して相続することもよくある話なのです。
しかし、その十数年いや数十年も前の不動産の分割した相続のトラブルのご相談も少なくありません。

不動産は未来永劫そのまま残るものだが時間の経過と共に状況が変わる

確かに兄弟姉妹間なら融通も付くのですが、その兄弟姉妹たちも年老いてその子供つまり従兄弟同士なら結構ギスギスした話になるものです。

最初はひとつの土地だったものを分筆して各子供たちが相続した場合に、将来の売却や古くなった建物を壊して新たに建替える事を想定して分筆していないことって結構あるんですね。

では実際の不動産を分割して相続してから十数年経過してトラブルが発生した相談例をお聴きください。

今回の弁護士の方は「通行権を主張できる?」なんて望みをつなぐようなアドバイスもされていますが、私はそれはちょっと難しいと考えています。

実際にこんな土地の分割で相続されたケースもありました。

現実に実家相続介護問題研究所に相談のあった土地の分割例ですが不動産屋の私からはとても信じられない分割の仕方も珍しくありませんでした。

この子供Aと子供Bに建っている賃貸住宅はマンションと呼べるものではなく名称も「◎◎荘」の築40年以上経っていて共同トイレの風呂なしです。
まさしく「つぶれ荘」二階を歩くと「床が抜け荘」な代物です。
まあ、住んでいる人もいないまま放置されていてますます危険な状態です。
各子どもたちはほぼ同程度の面積で土地を三分割した遺産相続ですからみんな平等ともいえなくもないのですが、
不動産屋からみればその価値には雲泥の差があります(汗)
キャスティングボードは道路に面した土地を持つ孫Cの意向でしか物事は進みません。

一番良いのは子供A子供Bそして孫C(子供Cはすでに他界)がみんな一緒に売却すればよいのですが孫Cはそこで商売をしています。
※といってもそんなに繁盛はしていませんから、いずれは廃業するように予想されますが・・・。
孫Cにとって今の商売は唯一の生活手段ですから移転や建て替えには猛反対!
かといって子供A子供Cだけでは売却も建て替えもできません。

ご相談をいただいてからかれこれお数年が経ちますが、なんの進展もありません。
おそらく孫Cが高齢になり商売をやめるまではどうしようもないのではないでしょうか?

遺産分割をどのようにするか?は各相続人で話し合って決めるものですから税理士も弁護士もあまり深く考えてアドバイスなどしてくれません

土地を分割して相続するなら不動産屋にも相談しなさい

土地等の不動産を分割して相続する時は不動産屋的視点をもって分割してくださいね。
もちろん、懇意にしている親切な不動産屋がいれば相談してみるのが一番ですが、その知り合いの不動産屋も賃貸専門であれば知識不足です。しかも売買専門であっても1円もならない相談なんて親切に応じてくれるとは考え難いですけどね。

やっぱり土地を分割して相続するより、売却してお金で分けて相続するのが一番トラブルになるリスクは小さい

確かに「先祖伝来の土地を売るなんて?」という後ろめたさはあるかもしれません。
それでも私自身は「売却してお金で遺産分割するのが一番!」と考えています。

なぜなら、将来孫やひ孫のことまで考えたら、だれもその土地を欲しいと思わない可能性ってかなり高いのです。
また土地の分割の評価ってかなり難しいのです。
向き・地形・道路付けなどで思ったとおりの価値の分割って至難の技なんですね。