相続放棄された建物が古くなって周囲に危険を及ぼす特定空き家に指定されることもある

空き家の実家
2015年5月26日に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」はかなりニュースでも取り上げられました。
それくらい放置された空家がどんどん古くなっていっていつ倒壊してもおかしくはない?
それが周囲の居住者に危険を及ぼすほどの段階までボロボロになっている問題が大きくなっているのです。
そんなボロボロの家を行政が『特定空家等』に指定します、
「特定空き家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう』とされています。

しかし不動産にはいびつな権利状態も多いので相続放棄がややこしい事態を招くこともある

今回のケースは
・母親名義の土地に父親名義の建物が建っている。
・父親に隠れた借金があったので相続人は全員相続放棄した。
・その後、十数年経過してその建物がボロボロの状態になり市役所から何とかしろと言われた。
というなんとも頭の痛いケースです。

「私は相続放棄した」と主張する方も多いが正確に相続放棄とは家庭裁判所に申し立てていないと相続放棄したとはいえないのでご注意を

私の方にご相談があって
「私は相続放棄した!」と言われる方も多いのですが、実は「1円も相続しなかった」ことを「相続放棄した」と勘違いされている方が多く、私も話のつじつまが合わなくて困ることも珍しくありません。
法律上の相続放棄とは「家庭裁判所に親の死を知ってから原則三カ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申立てをする」ことで初めて相続放棄したことになるのでその点だけはしっかりと認識を改めておいてくださいね。

今回のケースは土地は母親名義、建物は亡くなった父親名義なので、やはり相続放棄した遺産を管理する財産管理人を指定してその方と話をつけるしかありませんね

通常、全ての相続人が相続放棄した財産は家庭裁判所が財産管理人を立ててその財産の処分等を行うこととなっていると聞きます。
しかし、今回のケースはそれほどの財産ではない為財産管理人が指定されなかったのかもしれません。
ですから、弁護士の先生も言われているように財産管理人を誰かに指定してもらって、その方と話をするしか方法がありません。

ただ、解体すれば建物が無くなるのでお母様名義の土地の価値は上がるのだが・・

実家の解体取り壊し
亡くなった父親名義の建物が存在する状態では売却もできませんから、実質的に土地の価値はありません。
ですから、ある程度の建物解体費用を負担してでも、合法的に建物を解体できるのならそのほうが得策には思います。

ただ解体費用がバカにはならない事も多く、せっかく解体しても田舎の土地であれば売買市場が成立しないエリアも多く難しい問題です。