実は私は悪徳不動産屋?です。
『こんな売り物件ありまっせぇ!』とバンバンちらしや広告を打っています。
「この物件、親と同居するために買おうかと思います!」と涙チョチョ切れるお申込みでも
『チョ・・・チョ・・・チョッと待ったぁぁ!!』
と思うことがあるのです。

マイホーム

義両親と同居のマンション購入は間取りや値段よりも考えて欲しいこと

子供が大きくなった!
もっと広い家が欲しい!
もっと交通や買い物に便利なところに住みたい!
もっと新しい家に住みたい!

などなど様々な動機もあるでしょうね。

でも、その中に
「高齢の親を引き取るために!」
というケースも多いのです。

「おふくろ!そろそろ一緒に住まないか?」

帰省した時にこんな申し出を受けたなら、さぞ嬉しい親も多いでしょうね。
でも、
「実はちょっとマイホーム購入資金が足りなくてさ・・・」
といわれたら喜んで援助してしまうものです。
※私もローンがきついお客様には「親御さんからいくらかご援助していただけませんか?」
と言ってしまいますけどね。


で、購入するのは普通の建売住宅がほとんど

お話を聞くと、
「1階のここは親の部屋にしよう!」
と言われます。
大阪の建売住宅(新築・中古も含め)は土地が高いので
3階建の物件もたくさんあります。
3階建ての場合、リビングは通常2階のことが多いんですね。

1階・・・駐車場、玄関、風呂、トイレ、和室1室
2階・・・リビング、トイレ
3階・・・寝室(2〰3室)
こんな感じではないでしょうか?


で、年老いた親にとって2階に上がるのも一苦労。

1階の部屋をあてがわれた親御さん

最初は2階のリビングにまで昇って食事を子供家族と一緒に摂っていても
そのうち、自分たちの部屋ですますことも多くなってきます。

生活サイクルも高齢者と若い人たちではだいぶ異なります。
高齢者は早寝早起き
それに比べ
私みたいな俗世間にまみれたものは夜型です。
どうしても生活に気を使います。

お風呂ひとつでも、私は夜中に入ることも多いので気を使います。
隣で親が寝ていれば、お湯もザーザーかけることはできませんよね?



同居を考えている親御さんはおいくつですか?

田舎から呼び寄せた親ならば、奥様はその生活スタイルをしっかり把握しているとは限りません。
特に食事の味付けの好みなんかは、年に数回程度しか会わない義理の親ではわかりません。


親がまだ元気でバリバリ動ける間は、残念ながらバリバリと口も出してきます。

食事のこと
子供の教育(躾)のこと
お金のこと(家族旅行にも否定的?)

そんな親(奥様にとっては所詮義理の親)からの干渉にウンザリするはずです。

当初はマイホーム購入資金も援助を受けていれば、優しく気を使うものですが
それも最初の1年程度ではないでしょうか?
そのうち奥様のストレスは限界に・・・・?

義両親が高齢であれば、すぐに介護が?その間取りは介護に向いていますか?

もちろん、私の考えは最高の介護は家族による介護なのですが
今は共働きのご夫婦も多いのではないでしょうか?
奥様も家事・子育て・パート
さらには自分の交友関係などのプライベートも充実したいはずです。

また、下手に同居してこじれた嫁と舅・姑の関係なら
いざ介護の時に非協力的になってしまうこともあります。

結局、子供と暮らし始めてすぐに老人ホームに入所しなくてはいけない状態になってしまった。
そんなことも現実にはあるんですね。

やっぱり同居よりスープの冷めない距離が一番かも?

かなり無理をして・・・
親からの資金援助もたくさん受けて・・・・
大きな一戸建てを買うのなら、
それよりも
自分たちの近所の手ごろな分譲マンションを買うのも一案ではないでしょうか?

大阪ではちょっと大きめ一戸建てなら4000万円〰5000万円くらいしてしまいます。
また、このくらいの価格帯はお客様も限定されて次の売却時に苦労することもあります。

それに比べて分譲マンションなら
駅近で交通至便な好立地のところも多いです。
平成になってからの物件ならバリアフリーの物件も多いです。
バリアフリーなら、万が一車椅子生活になってもス〰イスイです。
価格も大阪市内でも2000万円以下でたくさんあります。
また、分譲マンションは手ごろな価格帯で次の売却もしやすいですし、
まんいち老人ホームなど介護施設い入ってしまっても賃貸に出して
家賃収入を得ることができます。
これで介護にかかるお金の捻出にも役立つでしょう。


同居が原因で離婚の危機!というご夫婦をたくさん見てきて・・・

せっかく思い切って親との同居を決断したのに、それが原因で夫婦の危機?

嫁姑のトラブルで、持家があるのに親とは別居になってしまった?
※もちろん賃貸の家賃と住宅ローンのダブルの支払いはきついですよ。

こんなことをお話しするから、
私の不動産屋の仕事はぜんぜんダメなんですねぇ・・・

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でも、マイホームを購入する時ってどうしても
ポ〰〰ッ!と頭がのぼせてしますのです。

特に奥様は新築のモデルルームに観に行ったのなら
その瞬間から夢の優雅で素敵な生活を想像してしまうのです。
もちろん、モデルルームはプロのインテリアコーディネーターが飾り付けています。
そんなリビングにきれいな花とワインが置いてある家など私は見たことがありません。(笑)
置いてある家具も必要最小限ですし、おしゃれで洗練された物ばかりですよね。

でも、現実は厳しく残酷なものなんですがねぇ・・・

どうか、高齢の親を引き取るためにマイホーム購入をお考えなら
そんなことにも気を配ってくださいね。

私の今の仕事の多くは『高齢な親の実家を処分して買い替える』お手伝いが多いです。

確かに、大きな一戸建を購入してもらえばその方が仲介手数料も大きな金額ががっぽりと私に入ります。
でも、経験上後味の悪い仕事をしても仕方ないんじゃないかな?
なんて私自身は考えています。

足腰も弱くなってきた
車の運転も少し危なくなってきた
そんなちょっと不便なところにお住いの高齢の親御さんんもお家

今はもう使うことなどほとんどない独立して出て行った子供たちの部屋
そんな無駄に広くて掃除など手間ばかりかかる家
そんな親御さんの家を処分して

買い物・病院に行くのに便利な
バリアフリーで掃除も快適(お掃除ロボット『ルンバ』大活躍!)

なにより、
お子様の住んでいるところの近所

そんな分譲マンションのお世話をすることが多くなってきたんですね。

泣く江本

でも、そんなことばかり勧めるから
他の不動産屋に比べて全然儲かっていないんですねぇ・・・(涙)