本当に多くの方が
「うちに相続トラブルなんて関係ない!」
と考えられています!

でも、現実はそうとも限らないんですね。
少しだけお話を聞いてもらえますか?

心配なのは相続税のことですか?

ご安心下さい!
現在 相続税がかかる人は わずか4%程度 といわれています。
相続税法は改正されて基礎控除額が引き下げられても、7~8%程度といわれています。

ですから、意外と相続税問題が深刻な人って少ないんですね。

念のため、一度ざっくりでもいいので試算してみてくださいね!

しかし、遺産相続トラブルは年々増えているんです!

家庭裁判所が受け付けた
・遺産分割審判件数
・遺産分割調停件数

の最近の傾向は この10年で約30%も増加したとも聞いています。

司法統計を見ると、
昭和60年の5141件が平成23年では11724件
なんと 約2.3倍 です。
これはあくまで家庭裁判所にまで持ち込まれるほど、もめた件数ですから、現実にはもっと多くの数が推測されます。

いったい、どれくらいの遺産で争っていると思いますか?

ここが一番皆さんに知っておいて欲しいところです。

遺産相続トラブルがいったい、どれくらいの遺産でもめていると思いますか?

1億?
10億?
いや百億円?

では、家庭裁判所に持ち込まれてしまうほど、もめてしまう遺産の割合をご紹介します。
※司法統計のデータより

なんと1000万円以下の遺産で家庭裁判所にまで持ち込まれているのが3割超
5000万円以下を含めると75%になります

登場人物A

つまり家庭裁判所に持ち込まれるほどの遺産相続トラブルは
4件に3件が、10人に7人が
【五千万円以下の遺産でもめている!】

という現実があります。
※5000万円なんて、ちょっとしたマイホームと預貯金でそれくらいになります。

遺産が多くない人ほどもめやすい?
裁判沙汰にまでこじれやすい?
といえるかもわかりませんね。

「わずか数百万円でもめている?」というケースもあるようです。

遺産がそれほど大きな額ではない方に相続トラブルが多い理由

あくまで私の推測ですが、その理由を考えてみます。

おそらくお金持ちの人ほど、身近に弁護士・税理士などの専門家と日頃から接する機会が多く、事前に相談できているからではないでしょうか?

また日本の相続税率は大変厳しいものです。(最高税率55%)
ですから、お金持ちの場合
相続人全員が「少しでも支払う税金を少なくする努力をしよう!」
と一致団結し、それだけもめにくいとも考えられます。

そして、私の経験からでは
「遺産がそれほど多くない人ほど
 相続人(遺産をもらう人)はお金や財産が必要としている?!」

ということです。

子供の教育資金や結婚資金、重い住宅ローンなど、 なにかとお金が必要な年齢になっている時に相続が発生しやすいから? そんな風に私は感じています。

遺産が多い少ないに関係なく、全ての人に相続対策は必要です。

では少し具体的なお話でご説明します。

亡くなった方の預金口座は凍結されて、簡単には引き出せなくなってしまいます。

【参考例】

お父様が亡くなられて数年後
高齢のお母様も長年の闘病生活の末、残念ながらお亡くなりになってしまいました。

ご長男さんから
「母さんは賑やかなことが大好きだったし、  俺も会社関係の付き合いもあるから貧相な葬式はできないな!
 葬式費用は母さんが生前
 『自分の葬式代くらいはこの通帳に貯めてあるからね』
 とも言っていたからお金のことは心配しないで大丈夫だから・・・!」

そんなご提案が長男さんから出ました。

他の兄弟姉妹も了承し、りっぱなお葬式をすることにしました。
但し10年前に親から勘当された一番下の弟さんを除いて・・・・(音信不通)

無事葬儀も終わり、妹の次女が、りっぱなお葬式(葬儀費用 数百万円)の費用を葬儀社に支払う為に銀行に行きました。

すると、妹が血相を変えて長男に連絡してきたのでした!


「お兄ちゃん!大変よ!
 母さんの預金が引き出せない!って銀行が言うの!
 引き出すには、
・母さんの生まれてから亡くなるまで全て記録がある戸籍謄本や除票
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明と実印
 それを全部そろえて、
 銀行所定の書類に署名捺印して手続きをしてからじゃないと
 預金が引き出せない!って!
 明日 葬儀屋さんがお金を受け取りに来るのにどうしたらいいの?
 もう10年も連絡の無い弟の書類や印鑑も必要だ
 って銀行は言うのよ!
 お兄ちゃん、連絡先知ってるの?」



亡くなった瞬間から、その銀行預金は相続人全員の共有財産になります。

ですから誰かが勝手に引き出すことは原則できません。

銀行指定の手続きを経た後でないと、引き出したり名義の変更はできませんし、この手続きも結構 大変です。(全相続人の承諾が必要)
※ 銀行に知られていなければ可能かもわかりませんが、大きな金額や定期の解約は銀行も本人確認チェックします。

葬儀費用だけでなく、
その後の生活費や会社の運転資金にも困る?
預貯金名義が亡くなったご主人だけの場合やご商売されている方なら、たちまち事業の運転資金にも困ってしまうことがあります。

ですから、事前に対策・準備を考えておいてくださいね。

認知症・介護の問題が相続をややこしくする?

今は、超高齢化社会です。

さらにこれからますます医療などの進歩により平均寿命は伸びていくと予想されています。
※ 2060年には女性90.93歳 男性84.19歳まで伸びる
  と予測されています。 (2012年 厚生労働省発表)

ここで超高齢化の現代ならでは問題が出てきました。
寿命だけが伸びていっても、それに精神や身体がついていけていないのです。
ということは介護する期間もそれだけ長期間になるともいえます。

認知症や介護の問題は切実ですが、
これからはより一層 深刻化すると考えています。

なぜなら介護するほうも、もはや介護が必要な時代になりつつあるのです。
いわゆる老々介護とも言われています。

また、介護の苦労は、それはそれは大変です!
では少し例を挙げてみます。

【参考例】
子供A(独身・離婚経験有・子供無し)は、脳梗塞を発症し身体の不自由な母の介護の為、 仕事を辞め同居することにしました。

他にも兄弟姉妹(子供B 子供C)はいたのですが、 勤め先・嫁ぎ先の関係から他の兄弟姉妹は実家より離れたところに居住しており、子供Aが必然的に介護に専念せざるおえませんでした。

子供Aは、その後 何年間も母の介護を献身的に行ってきましたが、残念ながらその母親も天国に旅立ちました。

葬儀も無事に終わり、平穏な生活が始まろうとしていました。

しかし、子供Aに突然 他の兄弟姉妹から
「実は遺産のことで話がある!」
と呼び出されたのです。

亡くなったお母様の遺産といっても、
・わずかな現金
・子供Aと同居していたマイホーム

ただそれだけでしたので、相続税の基礎控除枠を十分下回っていましたから相続税の問題は発生しません。

他の兄弟姉妹から
「母さんのこの家を売却して、兄弟姉妹で遺産分けしよう!」
という提案が出されました。

長年 母親の介護への子供Aの苦労のことは、他の兄弟姉妹もよ~く理解していましたが
彼らにとっても今の生活は苦しく
「少しでも遺産を分けて欲しい!」 それが切実な希望でもありました。

長年 母親と同居して住み慣れたこの家を売ることは子供Aにとって今まで献身的に母親の介護してきた自分の苦労も踏みにじられ
『母親と暮らしたこの家からも追い出される!』
と感じるものであり、簡単に了承できるものではありませんでした。

「母さんは生前、
 この家は面倒をみてきた私にくれるって言っていたわ!
 だから司法書士の先生に頼んでこの家の登記名義変更の書類を
 作ったから実印と印鑑証明もつけて早く返してね!」

なんていうことを子供Aは他の兄弟姉妹に切り出しました。

突然、そんなことを切り出されて子供B子供Cにとって、寝耳に水であり、簡単にそれを信じることもできません。

今まであれほど仲の良かった兄弟姉妹に隙間風が吹いてしまったことは推測できると思います。

しかし、このケースでも誰が悪い!とは決していえないような気がします。
勤務先や嫁ぎ先の仕事の関係で介護の面倒をみたくても不可能な場合もよくありますからね。

どんなに大変な介護を長年してきたからといっても、
それが必ずしもたくさん遺産相続できる理由にはならない?

私自身、高齢の母の介護は正直大変でしたし、精神的にもかなり参ってしまいました。
(今はもう既に母は 長い入院生活の末 天国へ旅立ちました)

長い入院生活
数ヶ月ごとに転々と変わらされる病院
毎日 病院に行くことを決めていた私にとって大変でした。

毎日 顔を出さないとさびしがる母
病院の食事には、誰かが介助しないと頑として手をつけない母
ですので、朝は私が 夜は姉が病院に行き おかずなどを差し入れしていました。

休みの日には、母の認知症が少しでもマシになればと、一日中 病院にいて ずーーーーっと母との会話に努めました。
※ すると時々は驚くことに、非常にしっかりするのです。
  認知症がまるで無かったのように昔の母に戻るのです。
  それは本当にうれしい事件でした。(喜)
  しかし、それも翌日には元に戻ってしまうのですが・・・・

そんな母が病院でよく私にこう言っていたんです。

認知症の母

『うちの子供はお前だけや!
 せやから残ったお金は全部
 あんたのもんにし!』

きっと母は、毎日顔を合わせる私に感謝の気持ちを伝えたかったのかもしれません。
仕事が忙しくて、なかなか見舞いに来れない兄に怒っていたのかもしれません。

確かに遺産と呼べるような財産なんてこれっぽっちも無い貧乏な我が家でしたが、正直に告白するとちょっとマジでほんの少しだけ心が揺れました。
その時、私の頭の中では毎日乗っているポンコツカーが一瞬 新車に変わってしまいました。
そのことを姉に冗談まじりで告白すると、
「うちにも同じこと言うてたよ!」
だなんて・・・・(汗)

きっと、
「こんなことから相続の争いっておこるんじゃないかなぁ・・・」
なんて痛感しましたね。


在りし日の母です。
毎日 お見舞いには来れない兄や姉への状況報告のためiPhoneで撮影して
知らせていました。電話なんかの言葉よりも状況がよく伝わると思って・・・

少し話がそれてしまいました。
また思い出して涙ぐみながらですけど、話を続けます。

長年 介護で苦労してきたからといって、その分 遺産がたくさんもらえるとは限りません。

また分けられない財産もあります。
(両親が住んでいた実家のマイホームなどの不動産がその典型的ですね)

少し相続を勉強された方なら
「寄与分というものを聞いたことがあるぞ!」
と思われるかもわかりません。

しかし、この寄与分は原則 相続人同士の話し合いで決められるものなのです。

もし、その話し合いがまとまらない場合 家庭裁判所に調停を持ち込んでの審判を仰ぐのですが、この寄与分を認めてもらうには、
どれだけの介護をしたか?
どれだけ金銭的な支出をしたか?
どんなに時間を割いたか?
その証拠資料を提出していかなければなりません。
あくまで立証するのは当事者からであり、家庭裁判所ではありません。


ですから、
家庭裁判所に寄与分を認めてもらうのには、かなり大変なんですね!
また法律的に『相互扶養の義務』で親が子供の面倒をみるのが当たり前のように、子供が親の面倒をみるのも当たり前という考え方なんですね。
だから、親の面倒をみたからといってもそれが特別なことじゃないんです。
毎日 差し入れや自動車で施設や病院に通い(差し入れや看病の費用、ガソリン代や交通費も自腹)
これも積もり積もってくるとバカにはならない負担です。
ある事例では、長年重度の認知症の両親をみてきた子供に認められた寄与分が
一日あたり数千円ぽっち?だった。
そんな判断がされたこともあるのです。
何千万円、何億円の遺産相続で、認められた寄与分が数百万円では納得できないかもしれませんね。

いかがですか?こんな相続に関するトラブル?
どこにでもありそうなお話だと思いませんか?

たとえ相続税がかからない程度の遺産であっても、もめることがある!ということをご理解いただけたでしょうか?