相続実家売却
親から相続した実家だが、そろそろ売却してお金で分けたい!
自分の老後や介護の心配もしなければいけない年齢になってくれば誰もが老後資金の心配にもなります。
親から相続した実家だが、その維持管理の負担も大変になってきた
今までに実家の維持管理費(固定資産税・修繕維持費)にどれだけお金がかかってきたか?
その額は軽く百万円を超えてるかもしれません。
しかし、いざ相続した実家の売却を考えてもなかなか難しい高いハードルがたくさんあることはあなたも気づいていくかもしれません。
それは、相続した実家の売却はあなた自身が勝手に決められるものではなく相続人全員で決断しなければいけないことだからです。

笑顔の江本

私たちは大阪の相続専門の不動産会社として営業してきました。
その中にはたくさん失敗した方も少なからずありました。
ですからこれから相続した実家の売却を成功させるために気をつけなければいけないことなどをお話ししておきますからぜひご一読ください。

実家の売却前の下準備|気軽に実家の査定価格調査と相談相手を探しておく

実家売却相談

いきなり私の営業みたいで申し訳ないのですが
相続の法律や不動産に詳しい相談相手を探しておく
ことはとても大事です。

なぜなら相続した実家の売却をあなたが中心になって進めていくためにはまず実家の売却の準備と手順を俯瞰的に観ておく必要があるからです。
相続の法律
不動産売却相場
不動産取引の流れ
など気軽に相談できる相手がいるかいなかでかなりその後の進み方はかなり違いますし実家の売却がどこでつまづきそうか?を予め予想できるからです。

とかく不動産営業マンは無駄なことには超消極的です。
「まだ売却するかどうかはわからないんだけど?」
そんな言葉が出た瞬間に普通の不動産営業マンなら一気に冷たい対応になってしまうものですがそれも仕方ありません。
なぜなら彼らは毎月毎月厳しいノルマに追われています。
「そんな眠たい話につきあってられるかい!(怒)」が彼ら不動産営業マンの本音でしょう。

一度 この記事の全部にお目を通していただいて、それから相続した実家の売却の流れをしっかり理解してから、さらに疑問に思うことを誰かに相談できるようにしておきましょう。
なぜなら安易に相続した実家の売却を進めるとそのことがかえって兄弟姉妹の関係をギクシャクさせてしまうことがあるからです。

①実家の査定価格をもとに売却を相続人全員で話し合う

相続した実家の売却の話し合い
ご存知の通り、相続した実家の売却は相続人全員のお気持ちがひとつにまとまらないとできません。
なぜなら、だれかひとりでも実家の売却に反対だと難しくなります。
もちろん家庭裁判所に調停を申し立てて共有物分割請求をすることも可能ですか、そこまでして無理矢理実家の売却を進めてもいかがなものでしょうか。
家庭裁判所の調停費用はそれほど高くはありませんがそれに関わる弁護士費用などはかなりの高額になってしまいます。
参考:相続トラブルの弁護士費用は安くはない!わずかな遺産では損になる

気をつけなくてはいけないのが各相続人の考えや想いが表面上にはわからないことも多いのです。
実は心の底の本音でが不平・不満がくすぶっている場合もあります。
親の介護の不公平感
実家に誰かが住んでいれば?
過去の親のえこひいきなどの不平不満
いろいろ大きな問題がありますよね。
これが一気に噴出しかねないのが実家の売却なんですね。

同居していた兄弟など相続した実家に誰かが住んでいたら?

意外とこれが大問題です。
「実家にこのまま住み続けたい子供」 VS 「実家を売売却してお金で遺産分割したい子供」
この溝は大きいのです。
ですから子供の誰かが住んでいる実家の売却は
いつになるかわからないが住み続けている子供が売ることに同意してくれる時期まで待つ?
あるいは
多少自分の取り分は少なくなっても住み続けている兄弟にある程度のメリットを与えてでも実家の売却を進めるか?
それはあなた自身の決断次第です。
なぜならこのまま実家の住み続けたい子供を売却に賛成させるにはなかなか簡単なことではないからです。

10年後の不確定な1000万円より今の確実な500万円?

いま相続した実家の売却話を持ち出すのは自分に不利になるかも?
そmんな損得勘定をする方も多いです。
でも10年後に入ってくるかどうかもわからない1000万円?
もしかしたら兄弟姉妹で実家の売却話がまとまるのは二十年後、三十年かもしれません。
その時まで待つことが果たして得策なのか?
とても難しい選択です。
その時には相続のことを話し合う兄弟たちの誰かが亡くなったり認知症になっているかもしれません。
そうなってしまえばもはや相続した実家の売却もさらに難しくなるでしょう。

今のあなたにとってはお金はいくらあっても足りないくらいではないですか?
自分の子供たちへの教育資金や結婚資金、あるいは自分自身の老後資金
そんな今すぐにでもお金が必要な状況のあなたであれば、多少の遺産の取り分減少を認めてでも今のお金を優先的に確保しておくのもひとつの選択肢かもしれません。
なぜなら、実家の売却のキャスティングボードは実家に住み続けていてその売却に反対している兄弟姉妹が持っているからです。
いくらあなたが実家を売却したくても済み続けている子供が賛成しなければ売却は難しいです。
家庭裁判所の調停などで実家の売却が認められても強制執行的な売却になり、競売(公売)になれば価格的にかなり大きな不利になります。
そのこともありますし、やはり家庭裁判所の調停はあくまで最後の最後の手段にせざるおえません。

兄弟姉妹の仲はお金よりも大切なことかも?

次の手順でもお話しますが、意外とあなたが思っているほど実家の売却値段は高くないことも覚悟しておいてください。
本当に実家の価値を過大評価している子供さんが多いのです。
なかなか客観的に今の実家の市場価値を見ることは簡単ではありませんが、逆の買主の立場でみることも重要です。
あなたが相続した実家を相場以上の高値で買う理由はないからです。
参考:相続する実家を【無料査定】遺産分割協議はまずいくらで売れる?から

いざ調べてみたらそれほど高くは売れないことがわかったら、いっそ潔く諦めて住み続けている兄弟にあげるというのもよいかもしれません。
たかが数百万円のために住んでいる兄弟姉妹を追い出して路頭に迷わせるのも可哀想ですからね。
実は高齢者にとって賃貸物件を探すのもかなり困難なことであることも知っておいてください・
※すでに高齢になっている兄弟姉妹なら大家さんも嫌がりますし、入居に必須な賃貸保証審査もなかなか通りません。

②実家の査定価格をもとに売却した時のお金の分け方を決める

実家の売却相場

私のもとに相続した実家の売却のご相談があるのはお金持ちの方よりもいたって普通の方が圧倒的に多いです。
それで実家の売却価格はというとわずか数百万円ということも珍しくないのです。
※オンボロであったり不便な場所であったり・・・
いざ実家の売却相場を調べてみたら1000万円ちょっと
必要諸経費を差し引いて兄弟姉妹3人で分けたらひとりあたり数百万円足らず?

わずかといっては失礼ですが、たかが数百万円で兄弟姉妹が争ってはきっと天国のお父さんお母さんは決して兄弟姉妹が喧嘩をすることは望んでいないと思います。
僕自身「億単位のお金でもめるならまだしも数百万円程度でそこまで意固地にならなくても?」
と思うことがよくあります。
もちろんあなたにはあなたの考えがあって当然ですし、他の兄弟姉妹にもそれぞれ考えがあって当然です。
ただ、
とにかく親の介護にしても
「人は自分のしたことは過大評価して、他人のしたことは過小評価してしまう」
ものなのですから仕方ないことかもしれません。
ですからどちらか一方が被害者でどちらが一方が加害者ではないのです。
相続ではみんなが被害者意識があり、かつ加害者でもあるのです。

また、どちらかが先に折り合いの付く落とし所の案を提示しないとなかなかうまく進みません
ひょっとして『遺産は全部よこせ!』と主張してくるんじゃないか?
※「いくら親の介護をしてきたんだからといっても全部よこせはないだろう」
ひょっとして法定相続割合通り主張してくるんじゃないか?
※「私が親の介護で苦労した分はどうなるの?」
そんな疑心暗鬼が兄弟姉妹の心の底に眠っていてはなかなか具体的な話もできません。
ですから譲ってあげられるラインを予め想定しておくことも大事です。

まずは実家の売却価格を調べてから実家の売却話を切り出すこともよいかもしれませんよ。

これ、私もよく冷や汗をかきます。
相続した実家の売買契約も無事に終わった。
さて、最終残代金の決済の日も近づいてきた。
そんな時に
江本さん、ちょっと相続した実家の売買代金の分け方で兄弟姉妹でもめてまして・・・
という怖~い連絡が来ることがります。
何度も言いますが売買契約は売主・買主双方が決まった期日に履行しないとペナルティが発生します。
手付金倍返し・損害賠償などにならないようあらかじめ売却代金の分け方についてはしっかりと相続人間で話し合って決めておくことが大事です。

いくら仲の良い兄弟姉妹でもなかなかお金の話をするのはちょっと気まずいかもしれませんがこのあたりはしっかりとあらかじめ話を付けておかないと大変です。
とかく自分勝手にお金の分け方を決めつけている相続人もいるのですが残金取引直前になって他の相続人ともめることも少なくないのです。

③実家の相続登記(名義変更)を完了させておく


親から相続した実家を売却するためには親名義のままではできません。
よく「権利証と親の実印はあるのですがなぜできないんですか!」とお叱りも受けるのですが、実印と権利書だけで不動産の売却はできません。
それは法的に「売主はこの人です』ということを対外的に証明しなければいけないからです。
このあたりはとても最近我々不動産会社も神経をとがらせています。
それはトラブルが多いからです。
この家は私が相続することになっていますから・・・
と相続人のひとりから売却依頼されても困るわけです。
もし、契約後に遺産分割の話がこじれたら・・・?
相続登記に必要な書類が契約期限までに揃わなかったら・・・?
下手をしたら手付金の倍返しや損害賠償請求までいくこともあります。
私たち不動産会社も仲介手数料よりもトラブルに巻き込まれることの方が怖いのです。
それこそしばらく仕事どころではありませんからね。

とにかく売却前に亡くなった親から登記名義を変更しておかないといけません。

登記名義人は単独?共有?

ここで問題になるのは・相続した実家の登記名義人を
・相続人の誰かひとりの単独名義にするか?
・相続人是認の共有名義
にするか?
少し迷うことがあります。

単独名義ならば誰か一人が契約や決済に立ち会えばそれでいいのですが、共有名義だと相続人全員が原則として契約決済に立ち会わねばならずその日程や時間調整に手こずることがあります。
まあ、周辺相場よりも格安での売却なら買主も協力的ですが、通常の相場での売却なら契約までの日程調整まで手こずるとすぐに他の物件に目移りしてしまうこともありますのでご注意くださいね。

④相続した実家を1円でも高く売るための準備

相続専門不動産会社の私たちもよく頭を痛めるのですが、実は相続した実家の売却は普通のお家の売却よりも大きなハンディを負っています。
それは・・・

親が暮らしていたままで片付けが終わっていない

実は親が住んでいたままの残置物がそのままでは案内内覧の際の第一印象が最悪なんです。
できれば、実家の片付けも先行して行うことを強くお勧めします。

荷物があふれかえっているお家はとても狭く感じてしまいますし、なかなか買主の方も新しい生活のイメージが湧きません。
このあたりは1円でも高く実家を売却するためには相続人の皆さんでぜひ協力して早めに終わらせておいてくださいね。

実家の片付けをしない残置物そのままの状態の実家売却のご相談にも応じています

実家の片付けを行えない事情の場合もあります。
また、すでに建物がひどい老朽化で実家の片付けをしてもそれほど高くは売れない場合もあります。

私たち相続専門不動産会社である実家相続介護問題研究所|キーライフジャパンでは残置物そのまま放置した状態での実家のご売却の相談にも応じておりますのでお気軽にお申し付けください。

参考:相続した不動産の売却は相続専門の不動産会社に任せるとよい

相続した実家の土地が大きいなら境界確定測量もしておく

相続した実家の土地が広い場合は隣地境界の確定測量をしておいたほうが高く売れることがあります。
地域にもよりますが、なかなかそんな広い土地を一括で購入して豪邸を建てる?そんなお客様を探すのが難しいエリアや場合もあります。
そんな時は建売開発業者が仕入れて分割して商品を作るのですが、この分割(分筆)には隣地の境界画定測量(署名・実印付き)をしておかないといけません。
もし、隣地所有者が境界画定測量図面にハンコを押してくれなかったら・・・?
そのリスクを考慮したかなり安く買い叩かれた仕入れ値になります。
たとえ境界画定測量に費用が掛かってもそれ以上に高く売れますし、境界画定にはそれなりの時間がかかるものです。
できれば親が生きている間に土地の境界確定測量しておくことを強くお勧めします。

⑤相続した実家の売却を依頼する不動産会社を選ぶ

さて、ここまで来てたっと相続した実家の売却のスタートラインです。

ここで慎重にならないといけないのが相続した実家の売却を依頼する不動産会社の選定です。
やはりみなさん大手不動産会社に相談しがちですが、たとえ大手不動産会社であっても営業マンはほとんど中途入社の若い営業マンばかりです。
大手・零細中小に限らず営業マンの資質にもこだわって売却依頼する不動産会社を選んでくださいね。

一括査定サイトの弊害

おそらく「不動産 売却」とかのキーワードで検索したら一括査定サイトが上位を占めているはずです。
でも、これって不動産会社が運営しているわけではありません。
インターネット専門会社が運営しているんです。(だから検索上位独占)
この売却依頼情報をわれわれ不動産会社に高額で提供しています。
「あなたの実家を高く売ってくれる不動産会社?」
なんて謳い文句ですが相場を無視した高値でも売却依頼をとっていかないと高額な情報提供料が無駄になります。
いったん売却依頼を獲ってしまえばこっちのもの?
あとはいろいろ言い訳や難癖をつけて時間をかけて売れる値段まで値下げさせるのが常套手段です。

実は私もこの一括査定サイトで困っています。
あまりにも相場を無視した高値の提示に一般の方はコロッと騙されてしまいます。
で、結局数か月?1年?と売れずに残っている状態が・・・・

相続した実家の売却はスピードを最優先せよ

長年、相続した実家の売却に携わってきた私のアドバイスは
「多少価格は低めでもパパッとスピード売却を目指しましょう!」
ということなんです。
なぜなら、時間がかかればかかるほどいったん話がまとまった遺産分割の話がこじれてしまうことが多いからです。
「やっぱりよく考えたら納得できない!」
「知人に相談したら私はえらい損をしていると言われた」
とかいろいろ心変わりや知り合いの無責任なアドバイスに振り回されてしまうことが多いからです。

実家の売却依頼するのは大手不動産が良いともいえない?

実はいま私たち不動産業界もかなり厳しい時代です。
それは大手であっても変わりません。
そこで、お客様よりも自分たちの利益を最優先してしまう不動産会社も多いのでお気をつけてください。
なんども言いますが「相続不動産の売却はスピードを最優先してください。
こんな風に情報を囲い込んでしまったらそれも難しくなります。

相続に強い不動産営業マンを探してください

やはり相続不動産の売却には相続の知識が必須です。
これ、たとえ「宅建を持っているから大丈夫」とは全然関係ありません。

相続人同士の気持ちの揺れ動きを状況によってうまくまとめ上げるのにはそれなりの経験と知識は必須です。

実家の売却手順まとめ

笑顔の江本

相続した実家の売却は売却前の準備がとても重要です。
これを間違えると、兄弟姉妹の仲がぎくしゃくしたり取り返しのつかないことになりかねません。
事は慎重に・・・
そして各相続人間で方針や考えがまとまればスピーディーに売却を進めてくださいね。


そもそもまだ相続した実家をどうするか迷っている方はこちらも参考にしてみて下さい。