相続専門の不動産会社である弊社(実家相続介護問題研究所|キーライフジャパン)ですがよくこんな実例に出くわします。
「実は親が亡くなって相続の話を兄弟でしようと思うのですが・・・」
と詳しくお話を伺いこちらでも調査してみると
「ご兄弟間で相続の話をする前に叔父さんや叔母さん、もしその中で亡くなっている方がいれば従兄弟(従姉妹)さんと先に話をつけなければいけませんよ!
なぜなら、今回の相続の土地 登記名義人が祖父名義のままだからです!
お父さんは相続の時に名義変更していないかったです!」
そう伝えるとみなさん驚かれます。
多くの方の誤解は、【権利証】=【土地の所有権】と錯覚されていますが
【権利証】=【土地の所有権】ではない
ということをまず知っておいてくださいね。
世の中では「権利証を失くした!見つからない?」という事態もあります。
私も長い不動産屋人生の中の数回経験しました。
そんな時には若干の時間と費用はかかりますが「権利証は再発行できる」んですね。
(厳密には権利証に代わるものですが・・・)
ですから、「相続した土地の権利証を保管していること」と「その土地が自分のもの」とは少々異なるのです。
相続した実家の土地の名義変更に期限がないから名義変更していない?
よく聞かれるご質問ですが
「相続した土地の名義変更をいつまでにという期限はありますか?」
というものがあります。
少々お答えしにくい部分もあるのですが
「相続した土地の名義変更はいつまでにしなければならない!という期限はありません。」
と回答しています。
世の中には親から土地など不動産を相続したけれど名義変更はしていない!という物件がゴロゴロあります。
そのせいか?相続した土地の名義変更をすることに躊躇される方も少なくありません。
・相続手続きが面倒くさい
・名義変更にかかる費用がもったいない
・遺産相続というお金に関わる話は兄弟間でしたくない
からかもしれません。
相続した実家の土地の名義変更していなくてもいつか必ず行わなければならない時が来る
親から相続した土地など不動産の名義変更をしない?
それはただの問題を次世代に先送りしているだけなんです。
相続した土地などの名義変更をしていないと
売却する時
お金を借りる時
※建て替えで住宅ローンを使う
に問題が起こります。
今すぐではなくても、将来においていつか必ずこのことが起こると思います。
残念ながらもうこんな状況になれば素人の手には負えません。
弁護士や司法書士に相談しましょう。
相続の相談を 「どんなことを?」(税金・法律・手続き) 「誰に?」 「いくらで?」 相談すればいいのかわからない? それってあなただけじゃないのです。 相続の相談内容はさまざまです、それによって相談先も変わってくるのです …
【大問題】相続した土地の名義変更していないと相続人がネズミ算的に増える
まず相続の名義変更は相続関係人全員の了承承諾が必要になります。
その中で誰かひとりでも賛成協力してくれなければ名義変更手続きはできません。
よくあるケースは「相続した親の家が祖父名義のままだった」ということがあります。
祖父の名義から自分たちだけでいきなり孫名義にすることはできません。
そのためには祖父の時の相続人の賛成了承が必須になります。
つまり叔父さんや叔母さん(その中で亡くなっている人がいればその子供である従兄弟たち)が相続関係人になります。
相続がらみの案件でこんなケースは決して少なくなく、私も相続関係人が10人以上という経験はよくあります。
私の営業エリアである関西にみなさんお住まいであればまだしも
叔父さんは東京
叔母さんは九州
従兄弟や従兄弟は日本全国バラバラ
1億円以上の案件ならまだしも1000万円いくかいかないかの低額案件で新幹線や飛行機を乗り継いで今までの事情や経緯を説明するわけにもいきません。
おのずから電話や手紙によるコンタクトにならざるおえないのです。
しかも当事者である相続人さんたちはいたって楽観的でのんきなことも多いです。
通常、相続の名義変更は司法書士に依頼しますが、司法書士は儀礼的あいさつ文だけを添えて必要書類と遺産分割協議書に署名捺印をお願いするだけなんです。
このあたりは司法書士の業務の関係上仕方ありません。
でも、この遺産分割協議書のやりとちが意外と大きなトラブルになることもあるのです。
今までの経緯や事情はやはり当事者から直接丁寧に説明する方が良いケースも少なくありません。
こんな良心的な場合は私の経験上は少数派です・・(汗)
得てしてもめることも多いです。(汗)
いきなり遺産分割協議書を送り付けると誤解が生じやすいものです。
逆の立場になって考えればすぐにわかることなんですが
「祖父名義の土地の名義を換えるのでここに署名捺印して印鑑証明や必要書類を送り返してください」
と急に言われて「はい、わかりました」とは言わないのが普通です。
日頃から親戚付き合いがあるのならまだしも、今の時代はほとんど交流もないのではないですか?
まして従兄弟同士なら連絡先(住所・電話番号)すら知りませんし、そもそも名前自体もうろ覚えではないですか?
※「従姉妹の●●ちゃん、名前フルネームはなんだったけ?」
【大問題】相続した実家の土地の名義変更していないと必要書類がネズミ算的に増える
相続の名義変更の必要書類はとてもたくさんあります。
これが相続した実家の土地の名義変更していないと必要書類がネズミ算的にとんでもなく増えてしまうのです。
また亡くなった親(被相続人)が登記簿に記載の住所と異なる場合は住民票の除票(登記簿に記載の旧住所)が必要なのですが、これって役所の保存期間が5年となっているため破棄されてしまうことがあります、そうなるとまた相続の名義変更が面倒になるのです、
また、各相続人にはそれぞれの戸籍謄本や住民票や印鑑証明などなどたくさん必要書類があります。
さらに、その中に亡くなった方(叔父さん・叔母さん)がいればその相続人を確定するために叔父さんや叔母さんの出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本も必要になります。
これ、けっこう大変です。
そんな面倒な必要書類を司法書士に収集取得も依頼できますが、手間と労力が増える分だけ費用は割高になっていきます。
【大問題】相続した実家の土地の名義変更していないでいると相続人の気持ちが変わる
実はこれが一番の大問題なのですが
相続の名義変更をしていないでいると相続人の気持ちが変わる?
ということなんです。
親が亡くなった時には
「長男の兄さんがこの家を相続すことには賛成だよ!」
「お義姉さんは義理なのに父さんや母さんの介護によく尽くしてくれたわ!
感謝に気持ちはこの遺産分割でしか表せないわ!」
なんて言っていても、数年いや十数年も経てば
「次男の俺はそれでいいんだけど、嫁が納得しないんだよ!」
「えっ?法律では子供はみんな同じ相続割合でしょ!」
そんな風に時とともに相続人の気持ちはコロコロ変わるものなんです。
たとえ相続の名義変更が終わった後にでもこんな風に文句を言ってくる相続人もいます。
相続した実家の土地の名義変更をして初めて相続が終わる
相続は身内だけの話し合いの部分と第三者に対する部分があります。
たとえ兄弟姉妹で話がまとまっているとしても、相続の名義変更がきっちりしていないと第三者(買主・銀行など)にはなにもそれを証明することができないのです。
だから、相続の名義変更は早めにきっちりと終わらせておいてくださいね。
参考:相続した土地の名義変更の費用と必要書類は?自分でも出来る?
参考:もはや相続放棄もできない曾祖父の土地の名義変更をどうする?
参考:相続登記まるわかり|必要書類・費用・期限・自分で・遺産分割協議書
参考:こんなことも知らずに【実家を相続】したら失敗・後悔する8選
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