銀行口座凍結

親が亡くなると銀行口座が凍結されて引き出せなくなる?
これは半分正しく半分は誤解です。
でも、そんなアドバイスではみんな不安になりますよね。
親が亡くなって、差し迫って考えなければいけない問題は親の葬儀費用でさえ親の銀行口座から引き出しできなければ子供はどんなお葬式にしてあげるかも決められません。
一部の金融機関は対応してくれたという例もありますが、それはあくまで例外的対応でほとんどの金融機関ではすんなりとは「たとえ親の葬儀費用だ」と説明しても簡単には引き出しは難しいと思います。
また残された片親の当面の生活費の問題もあります。
ですからまず正しく親が亡くなった時の相続で銀行預金口座が凍結のされ方をしっかり理解しておきましょう。

親の死亡届を役所に出しても銀行口座は凍結しない!

口座凍結する銀行

親が亡くなるとまず死亡届を役所にすぐに出さなければいけません。
※死亡届は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内に役所に提出しなければならない。
そうすると『すぐに親の銀行口座が凍結されてしまう?』と勘違いされる方も多いです。

しかし、現実には役所の死亡届と親の銀行口座の凍結とは必ずしも連携はしていません
まあ将来もっとマイナンバーが浸透して役所と銀行が情報交換するようになればその可能性もゼロではありませんが今のところは親が亡くなると同時に親の銀行口座が凍結されるというわけではありません。
銀行がその預金名義人が亡くなったことを把握して初めて親の預金口座が凍結されて入出金ができなくなるのです。

銀行が親が亡くなったこと把握するのは
相続人などが連絡する。(ほかの相続人が勝手に引き出させないようにする?)
預金残高証明書の取得証明をする。(相続税申告のため)
新聞等のお悔やみ欄で知る(一部の資産家)
葬儀の看板など
があります。
ですから毎日銀行の担当者が訪問してくるような会社経営者でもなければすぐには銀行が預金名義人が亡くなったことの把握は現実的にはかなり難しいのです。

亡くなった親の銀行預金口座凍結の手続きは煩わしい

口座凍結解除手続き

笑顔の江本

私はご相談者様には
親の銀行口座を予めできるだけひとつにまとめておいた方がよいですよ
とアドバイスさせていただいています。
それは各銀行口座ごとに相続の手続きが必要だからです。
亡くなった親の数億円ある銀行預金口座であろうが
たとえ数万円ぽっちしか残っていない預金残高であろうが
それぞれの相続の銀行手続きは金額残高に関係なく手間や労力は同じだからです。

亡くなった親の銀行口座凍結解除の必要書類

銀行が知った亡くなった親の銀行預金口座凍結解除などの相続手続きに必要な書類を集めるのもけっこう大変です。
それも各銀行支店ごとに行わなければいけません。
各銀行によっては手続きが異なりますし対応も異なりますので銀行口座凍結解除の手続きの際には各銀行に確認してくださいね、
とりあえず主な口座凍結解除の手続きの必要書類を挙げておきます。

亡くなった親に関するもの

亡くなった親の出生から死亡までの戸籍謄本
死亡が確認できる書類(住民票の除票,死亡診断書など
通帳、キャッシュカードなど

相続人に関するもの

相続人全員の現在の戸籍謄本
相続人全員の印鑑証明書

遺産の分け方にかんするもの

「遺言書」または「遺産分割協議書」

などなど必要書類に関しては亡くなった親(被相続人)や残された片親や子供たち(相続人)すべての書類や各法定相続人全員の署名捺印が必要です。(法的に有効な遺言書があれば法定相続人全員でなくてもよい)

代表的な銀行の相続手続きの説明はこちらをご覧ください
参考:三菱UFJ銀行
参考:三井住友銀行
参考:みずほ銀行
参考:りそな銀行
参考:ゆうちょ銀行

笑顔の江本

だまって申請すると各銀行ごとに原本をとられてしまいます。
原本のコピーを要請して謄本など原本還付できるようお願いしてみましょう。
各銀行ごとに原本ととられては何通用意しても足りなくなりますよ

親が亡くなったことで銀行口座が凍結されることに備えて子供の事前準備

口座凍結前にしておくこと

このように親が亡くなってから銀行口座凍結解除や相続手続き(親の預金引き出しや定期預金解約など)が簡単ではないことはおわかりになられたかと思います。
ですから、その時に備えて予め子供たちが調べておくことがあります。

親の利用している銀行とその支店はどこ?

この親の銀行口座凍結解除や相続手続きは各銀行の支店ごとに行わななければいなりません。
葬儀費用や残された片親の生活費など迅速にその手続きを行うためにも
親が利用している銀行とその支店だけでも相続人(妻や子供)は予め把握しておくことが大事です。

親の通帳や印鑑、キャッシュカードはどこにある?

何度も重ねてお話ししますが
亡くなった直後はすごく物入りなことが多いです。
入院していれば病院代の精算
葬儀費用
残された片親の当面の生活費

もし親の死が突然であればあるほど急な出費となり困ることが多いのです。
必ずしも親の死亡と同時に親の銀行口座が凍結されるわけではないので予め
親の通帳や印鑑やキャッシュカードがどこにあるか?
は知っておきましょう。

高齢の親であれば子供の誰かが財産管理を任されているかと思います。
子供の誰かが親のキャッシュカードと暗証番号を知っていれば親の銀行口座から出金もできるかもしれません。
一度に大きな金額はできませんが・・・

予め相続で親の銀行預金が凍結される前にある程度まとまったお金は引き出しをしておくべき

親の口座からお金を引き出す

私は
予め相続で親の銀行預金が凍結される前にある程度まとまったお金を引き出しをしておくべきでは?
と考えています。
入院していれば病院代の精算
葬儀費用
残された片親の当面の生活費
本当にバタバタしていて急な出費が重なるものです。
でも、注意しておかないとあとでもめる原因にもなります。

親の預金口座からお金を引き出したことが相続トラブルにならないようにしておく

そろそろ親になにか万一ののことがあってもおかしくはない?
そんな不安や心配からよかれと思ってした「親の銀行口座からお金を引き出し」があとで相続でもめる原因にもなることがあります。ですからそんなことにならないように気を付けて欲しいことがあります。
参考:相続でもめる家族の特徴|これが相続トラブルまとめ【ワースト5】

親の預金口座から引き出したお金の使い道の証拠を残しておく

お金の魔力は恐ろしいことはなんども相続トラブルの現場に遭遇している私の実感です。
ちょっとした使途不明な親のお金の引き出しがどんどん疑惑の色眼鏡で他の兄弟姉妹たちから見られてしまうことも少なくありません。
ほんの少しの使い道がわからないお金があると、他の兄弟姉妹たちから遺産隠し?遺産の使い込み?を疑われることもあることにご注意ください。

他の兄弟姉妹たちから親の口座から引き出したお金の使い込みを疑われないために

そんな疑惑を持たれないために
いつ?いくら?どこの銀行から?
親の口座からお金を引き出したことは家族で情報共有しておきましょう。
もし、あとで相続トラブルになれば他の相続人が銀行に残高証明や取引履歴を請求もできます。
諺にも『李下に冠を正さず】というものがあります。
あらぬ疑いを他の兄弟姉妹たちからかけられないようにしておきましょうね。
参考:親の財産管理(お金・通帳)を子供の誰かがしていると相続でトラブルになる

また、親の口座から引き出しておいたお金の使い道のメモや領収書などは面倒くさくてもしっかり残しておきましょう。
家族間の相続トラブル回避だけでなく相続税計算の時にも役位だちます。

親が亡くなる直前に引き出した現金は「相続財産」として申告する

よくみなさん誤解されるのが
相続税がかからないように親の銀行口座預金から全部引き出して子供名義の銀行口座に移す?
ということをする方もいます。
しかし、残念ながらそんな行為はは税務署はすでにお見通しです。
税務署の遺産調査能力を侮ってはいけません。

笑顔の江本

「そんなこと、ばれないだろう?」
とタカをくくっている方はぜひ映画『マルサの女』を観ておいてくださいね。


悪質な場合には本来支払う相続税の40%を罰金として納めなければいけないこともあります。
ですから、親が亡くなる直前に親の銀行口座から引き出したお金はきちんと相続財産として申告してくださいね。
たとえば
親の銀行口座にもともと1000万円あったとしてそこから400万円を引き出したら
・銀行預金600万円
・手持ち現金400万円
として申告する必要があります。
「どうせわかりっこないだろう?」と
・銀行預金600万円
だけ申告すると後で大きな問題となりあmす。

また親の病院代や葬儀費用に300万円支払ってきちんと領主書を保管していれば
・銀行預金600万円
・手持ち現金100万円
と申告することができるのですから・・・

まとめ

親が亡くなる直後はいろいろな出費(葬儀費用・病院代・片親の生活費など)が重なります。
ですから親が亡くなる直前に親の銀行口座預金からある程度まとまったお金を引き出しておくことが賢明な場合も多いです。
ただ
・親の口座方引き出したことを他の家族にも知らせる。
・引き出したお金の使い道をきちんと証拠に残しておくこと
・引き出したお金も相続財産として申告すること
をお勧めします。
ただ、こんな方がいる場合はそうでもないかもしれませんが・・・・
参考:実は相続させたくない「兄弟姉妹」「息子娘」がいるがどうする?

遺産分割協議前の相続預金払戻し制度が新設されました

時すでに遅し?
もう親が亡くなった後で、知らずに正直に銀行に話してしまって親の預金口座が凍結された方もいるかと思います。
そんな方のために
遺産分割協議前の相続預金の払い戻し制度
が2019年7月に新設施行されました。
今まで亡くなった親の銀行口座凍結で困った人がどれだけ多かったかということからかもしれません。
ただしあまり大きな期待はできません。
①同一金融機関(不空巣の支店がある場合はその合計)につき上限150万円まで
②【相続開始時の残高】×「払い戻しを申請すり相続人の法定相続割合】×【1/3】
という制限がかけられています。

預金残高600万円、法定相続人が兄弟二人のみの例では
仮に兄だけが親の預金口座から引き出せるのは
600万円×1/2×1/3=100万円
となります。
100万円ではそこそこのお葬式費用を払えばもうなくなってしまう金額ですよね・・・(汗)
もちろんこの相続預金払い戻し制度を受けるためには先の亡くなった親の出生から死亡までの戸籍謄本や相続人の戸籍謄本などの書類が必要になります。
またまだまだ各金融機関には浸透していない制度なのですんなりと受け付けてくれるかどうか?には少し疑問が残りますがご参考までに紹介しておきますね。