相続対策で不動産に対する意識が「親」と「子」でかなり違う

不動産に対する親子間の意識のギャップ

笑顔の江本

私も仕事柄 たくさんの相続対策のご相談を受けるのですが
親子間で大きな考え方の違いがあることも少なくないのです。

相続税対策を考えるには親(相続させる人)と子・孫(相続する人)との共通認識が無いと失敗します

相続対策といってもいろいろあります。
まず最優先にするのは円満な相続にすることが大切です。
相続税対策は二番目に考えるべきことなのです。
そして不動産が相続でもめることをみなさん薄々気が付いていてもなかなか行動には移してくれません。
その理由は
・遺産の中で一番大きなウエイトと占めるのが不動産であること
・不動産は相続人同士で分かられない遺産であること
なんです。

しかし、この不動産を遺産分割しやすい現金預金に換金したり収益性の高い不動産に買い替えることを提案するとまず親御さんから十中八九お叱りを受けます。
なぜなら多くの親御さんには先祖伝来の呪縛がかかっているからなんです。

「親から受け継いできた先祖伝来の土地を手放すなんてけしからん!」
何度 この言葉を私は聞いてきたことでしょう・・(涙)

で、その後に甘い言葉で誘惑してくるのが
ハウスメーカーの賃貸マンション・賃貸アパートの建設の提案です。

確かに賃貸アパートや賃貸マンションを建設すれば相続税対策上は有利になります。
私もセカンドオピニオンを求められることも少なくないのですが、ハウスメーカーの事業収支シュミレーションはかなり甘い数字のことが少なくありません。

泣く江本

「こんな駅から遠いところでこの家賃設定は厳しいのとちゃうの?」
「今から少子化が続くのにワンルームマンションに未来はあるのかなぁ?」
「周辺にばんばん競合の賃貸マンションが建ってきているのに?」
と不安に駆られることも多いです。

そして銀行や農協などから紹介されてきたハウスメーカーの殺し文句が
「当社で30年間 一括借り上げのサブリース契約を付けますので安心してください!」
なんですね。

泣く江本

「三十年間 安定して家賃が入ってくるのなら安心」とみなさん言われますが現実はそうでもないのです。


それでも現在のとても厳しい賃貸市場動向をご理解してくれる方も少ないと思います。
で、こんなニュースも動画でシエしました。

笑顔の江本

今はとんでもない勢いで人口減少・少子化が進んでいます。
だからやみくもに賃貸アパート・賃貸マンションを建てても簡単には安定的な家賃は入ってこないのですよ!

政府もキチンと警鐘を鳴らしているのですが馬耳東風で相続税節税の謳い文句で踊らされている地主さんには届きません。

バブルの懸念ぬぐえぬ賃貸住宅の増加
 賃貸住宅の建設が増えている。日銀のマイナス金利政策などで住宅が建てやすくなっているためだ。目先の景気にはプラスだろうが、首都圏を中心に空室も増えているだけにバブルの懸念はないのか心配な面もある。

 国土交通省によると、昨年の貸家の着工戸数は前年よりも4.6%増えた。今年に入っても6月までの累計で前年同期を8.7%上回っている。好調な賃貸住宅が住宅投資を下支えしている。

 賃貸住宅が増え始めたきっかけは2015年1月の相続税の増税だった。アパートのような住宅は賃借人の借地権と借家権が生じるため、現金や預金、更地の不動産を保有している場合に比べて相続税を課す際の評価額が下がる。

 ここに着目し、節税対策として団塊世代などを中心にアパート経営に乗り出す人が増えている。

 マイナス金利政策で住宅を建てる資金を手当てしやすくなっていることも一因だ。金融機関も一般的な住宅ローンに比べて貸出金利を高めにしやすいアパート建設向け融資に力を入れている。

 一方で住宅需要が高まっているわけではない点は要注意だろう。すでに全国には820万戸の空き家があり、その半分強は賃貸用の住宅だ。首都圏を中心に空室率が一段と上昇している。

 それでも新規物件が増えている背景には、サブリース(転貸)方式でのアパート建設があるのだろう。土地を保有する個人などが建てたアパートを、業者が長期間にわたって一括で借り上げる契約方式だ。一定期間、家賃収入を保証する場合が多い。

 新築時には入居者を確保できたとしても、時間とともに空室は増える傾向がある。その結果、地主に約束していたはずの家賃収入を業者側が大幅に減額したり、契約を解除したりしてトラブルになる事例が、目立っている。

 国交省は9月から制度を見直して、地主との契約時に将来の家賃水準などが変わる可能性がある点を「重要事項」として説明するよう、サブリースを手掛ける大手業者などに求める。トラブルを未然に防ぐために必要な措置だ。

 周辺の他の物件は空室が目立つのに、自分のアパートだけは大丈夫と考える方がおかしい。節税が目的だとしても、アパート経営には相応のリスクがあることを土地の保有者はしっかりと自覚すべきだろう。
日経新聞


自分の子供だけでなく自分の土地にも親バカな地主さんがどれだけ多いことか?

親バカになるのは子供だけでなく不動産にもなる
自分の子供に対して客観的にも観ることはとても難しいことです。
これって自分の所有する土地建物など不動産にもいえることなんです。
まして先祖伝来の土地ならばなおさらのことです。

私 :「駅からは歩いて20分もかかりますが・・・」
地主:「このあたりはそのぶん静かな環境じゃから生活しやすいんじゃ!」

私 :「まわりにもたくさん賃貸アパートが建てられていますが・・・」
地主:「ばかもん!あんな土地と一緒にするとはあんたの目も節穴じゃな!」

まあ、賃貸アパート経営が楽して儲かるビジネスだなんて未だに信じている方も多いのですからしかたありませんね・・・

自分の所有している土地、親から相続した土地を客観的に見る方法は簡単!

親から子供が相続するかもしれない土地がある時にやってほしいことがあります。
それは親の土地のある住宅地図の上下左右のページを張り合わせて散歩がてらぐるぐると自分の足で歩き回ってみていただきたいのです。
住宅地図は本屋さんでも売っていますが1万円位します。
大きな図書館なら閲覧コピーできますし、大阪なら私に相談してみてください。

するとたくさんの賃貸アパートや賃貸マンションが建っているのが実感できると思います。
そこにマーカーで印をつけてみてください。
玄関のエントランスの郵便受けを見てみてください。
養生テープで湯下がれていたりチラシであふれかえっていればそこは空室の可能性が高いです。
ハイツタイプであればガスの閉栓や電気の閉電のラベルがついているかもしれません。
現実にたくさんの空室があふれかえっているのを実感できると思います。

家賃も調べるのも簡単です

今はインターネットの時代ですから簡単に家賃相場も調べることができます。
スーモさんの場合はこんな風に表示されます。

賃貸相場

この地図に表示されている物件をクリックすれば詳細賃貸情報がわかります。
その家賃といま賃貸アパート・賃貸マンションを建てるハウスメーカーの事業収支シュミレーションの数字と比較してみてください。
結構 かけ離れていませんか?

「そんなことはない!今回の設計企画プランはすばらしいから!」というハウスメーカーの営業マンは主張するでしょうね?

どんなにすばらしい設計企画でも家賃がそれほど高くとれるとは私は考えていません。
せいぜい1割程度じゃないでしょうか?
多分採算的にワンルームタイプのプランのはずです。
試しにそれを借りる賃貸ターゲット層と同じ年代であるお孫さんに聞いてみてくれませんか?
「おまえやったらこの土地にこの間取りでこの家賃で借りるか?」と聞いて返ってきた返事が「Yes」なら良いのですがおそらく答えは「No」ではないでしょうか?

衝撃的事実をお教えしますね?それは・・・?

賃貸アパートや賃貸マンションの事業収支シュミレーションをよく拝見させていただく機会の多い私ですがたいていこんな疑問が湧き出てきます。

泣く江本

それは
「家賃って建物が古くなると下がるもんですが・・・」
という衝撃的事実があると考えるのは私だけなんでしょうかね?



「とりあえず次世代に相続させればわしの役目が果たせる」という地主さんがほとんどだけど

「先祖伝来の土地を守る!」
それしか考えない親御さんも多いのですが、そのまま相続して大変な苦労をする子供たちも多いのです。
いまはまだ不動産投資ブームで損失も少なく逃げることも可能ですが、それも長くは続かない気がします。