税理士は税務のプロであって不動産のプロではない

「餅は餅屋」と言われているように、
やはりどの分野でも棲み分けがあります。

特に不動産は相続財産の中でも最も大きな比重を占めています。

そして、多くの方が相続税申告時には税理士の力を借りることが多いのですが
ここで注意しなければいけません。

それは
税理士は税務の専門家であって、不動産のプロではない!
ということです。

税法の改正事項には敏感な税理士も、
建築基準法や都市計画法など不動産の法律改正には興味を示しません。
それどころか基本的な事柄も理解していない税理士さんも現実には
たくさんいます。


たとえばセットバック(私道負担)の例をあげてみましょう。

土地の相続税評価といえば、
土地面積×路線価評価額×補正率
ですよね。
※補正率 奥行き逓減率や間口狭小などで評価を減価する率があるのですが、
これすら活用していない税理士の先生もいます。

しかし、ここで意外とセットバックのことを知らない税理士もいるのです。

簡単に私道負担(セットバック)の例の図面も載せておきます・
私道負担(セットバック)
消防車や救急車など防災の意味もあり、
「狭い道路は建替えの時にはきちんと引っ込んで建ててくださいね!」
ということです。
こうすることによって、長い時間がかかりますが、
狭い道路は解消していこうという法律の趣旨です。

すでに建物の建替えが終わっている場合は、敷地もきちんと引っ込んでいるます。
現状が4m未満の道路の場合は、建替えの際には引っ込んで建築しないといけません。
登記簿上の敷地でも
自分の土地であって、自分の土地ではない?
道路に提供しなくてはいけない部分ということになります。

地域によっては4mだけでなく6mの道路を確保しなさい!
なんていうところもあります。


この場合、セットバック部分は特別に低く評価されます。

私道の評価
 私道には、1公共の用に供するもの、例えば、通抜け道路のように不特定多数の者の通行の用に供されている場合と、2専ら特定の者の通行の用に供するもの、例えば、袋小路のような場合があります。
 私道のうち、1に該当するものは、その私道の価額は評価しないことになっています。2に該当する私道の価額は、その宅地が私道でないものとして路線価方式又は倍率方式によって評価した価額の30%相当額で評価します。この場合、倍率地域にある私道の固定資産税評価額が私道であることを考慮して付されている場合には、その宅地が私道でないものとして固定資産税評価額を評定し、その金額に倍率を乗じて評価した価額の30%相当額で評価します。

(注)

1 専用利用している路地状敷地については、私道に含めず、隣接する宅地とともに1画地として評価します。

2 路線価方式による場合の評価方法
私道の価額は、原則として、正面路線価を基として次の算式によって評価しますが、その私道に設定された特定路線価を基に評価(特定路線価×0.3)しても差し支えありません。

 正面路線価×奥行価格補正率×間口狭小補正率×奥行長大補正率×0.3×地積=私道の価額
国税庁 ホームページよりhttps://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4622.htm

しかし、安易に相続税評価を机上だけで計算する税理士の先生は
そんなことも考えずに、
ただ路線価×登記簿面積で計算してしまうこともよくあるのです。

この他にも、
不動産の相場と路線価評価額とのバランスも重要なんですが、
私みたいな不動産屋とはあまり交流の無い税理士ではなかなかそれもわかりません。


特に「相続税の報酬を安くしますよ!」なんていう税理士の先生は要注意?

まあ、限界まで報酬を下げているのですから、
いちいちここまで調べることはできないというのが現実です。

実際に役所の建築指導課や道路管理課に出向いたりして調査なんかしていては
激安な税理士報酬ではできません。

しかし、相続財産が大きければ大きいほど相続税の税率は高くなってきます。
※相続税の税率は累進税率で最高55%

100万円相続財産の評価が下がれば最高55万円の節税ということもあります。

だから、有能な税理士はあの手この手を考えて相続税評価額を下げる努力をします。

特に
路線価の高い道路に面する土地が相続財産に含まれる。
相続財産の大部分が土地などの不動産だ。

という方はお気をつけください。

意外と不動産に強い税理士って少数派なんですよ!

だから私がたくさんの税理士さんと提携しているというのは
こういうこともお手伝いできるからなんですね。

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