三世代

自分史作りは高齢者の癒しとしてのライティングセラピーとして役に立つ。

自分史

ライティングセラピーとは、文字通り書くセラピーです。
気持ちを文字にして書くことで、こころを整理します。

あなたも日記を書くことで心が安らぐ・・・・
そんな体験は誰にでもあると思います。

自分の今の気持ちや体験してきたこと
それをはっきり文字にすると、漠然としていたストレスや不安の理由が見えてきたりします。

客観的に自分を振り返ることができる
そんな効果があるんです。



親の自分史作りを手伝うことは最後の親孝行かもしれません。

命には限りがあります。
誰も永遠の命などないことはわかっているのですが
こと自分や自分の親に置き換えると、そんなことを信じてしまいがちです。

相続対策専門士江本圭伸私も自分の父や母の時に(すでに亡くなっています)
自分の両親がこの世から存在しなくなることなど
そのこと自体が理解できませんでした。
父や母との永遠の別れは、長い間 受け入れることすらできませんでした。
いや、今も受け入れることができません。
母の死後、諸般の事情によりそのままにしてあるオンボロな実家。
※今は 物置となっていますが・・・
今もそのまま母がいる錯覚はあります。
既に亡くなって数年たっているのに・・・
まだまだ現実を受け入れるのには時間がかかることでしょう。

しかし、いつかは親との別れ
最後の時を迎えることがやってくるのは覚悟しなければいけません。

そんな最後の時を意識しなければならない年齢になってきた両親のために
できることはなんでしょうか?

そこで私は
「親の自分史作りのお手伝いをしてみませんか?」
とお勧めしています。

それって最高の親孝行だと思います。

なぜなら、私がやってあげられなかったから・・・・


「親の自分史作りを一緒に作ってあげる」ということ

「自分史を書くと、書いているうちに自分自身が癒される」

といわれています。
笑顔になる高齢者


親の自分史を子供と一緒に作ってみる

これは親御さんが、
自分史を書くことで
本人が生きてきたことのなによりの証しとなります。

自分史とは
本人が自分の足跡をたどり、
これまで生きてきた事実を照らし合わせながら綴る
『マイヒストリー』なのです。


そんなにおおげさなものでなくてもよそんないのです。

「あの時はああだったなぁ・・・・」

そんな人生で起こってきた出来事を
時系列で、
箇条書き

にしたものでも十分OKです。

ただ、
その時の気持ちや感情も併記してほしいのです。

書いてみると
その時の気持ちや感情が、当時と今では大きく変化している!?

それに気づくことも少なくありません。

書いているうちに
「あの時は本当に腹が立った!
 しかし、今になって考えると
 なぜあの時 あんなに腹が立ったんだろう?」

「今になって、あの時にされたことや言われたことの意味が初めて分かるような気がする。」
 
長年のわだかまりが時間の経過の助けもあって氷塊することもあるのです。

「ライティングセラピー」という言葉もあるくらい
自分史を書くうちに
知らない間に気持ちが落ち着き、自分自身が癒されていくのが実感できると思います。

自分自身のおぼろげな記憶の部分を
身内の親戚や古い友人に訊ねてみる
話しているうちに鮮明に思い出してくる
そんなことから
ふさぎがちだった本人の眼が、生き生きと輝いてくる!
と思います。

母の笑顔

「そぉそぉそぉ!そうだったのよねぇ!」

と昔の記憶が蘇ってくることに
時を忘れて話し込む自分の親を見たら
どれほどうれしいことでしょうか!

相続対策専門士江本圭伸実は私の母は晩年 認知症気味でした。
入院中は、
「あんた エライ久しぶりやなぁ!
 お母ちゃんのことは忘れてたんやろ!」(怒)

とすごい剣幕で怒り出すこともよくありました。
 
「おかあちゃん、昨日もぼく来てたやんかぁ・・!」(涙)
 
そんな母を見るのは悲しかったです。
 
そんな母でも何十年も昔のことは
鮮明に覚えているのです。
ついさっきのことは忘れてしまうのに・・・・
 
不思議ですよね?

伝えておくべきことを書き残す

自分史とは、本人が亡くなった後も
その家族が思い出して味わうことのできる大切なものです。

どんなに仲の良い夫婦でも・・・
どんなに仲の良い、まるで友達のような親子であっても・・・
意外と本人の昔の詳しいことなど案外知らないものなのです。

自分の夫や妻が若いころ、どんなことを経験してきたのか?
親の青春時代はどんなことがあったのか?

それは、あまり知らないことが多いのですよ。

また。
身内に知らせていないこと
逝く前に伝えておく必要のあること
そんなことの一つや二つ
どんな人にもあることです。
その詳細を、自分史に書き残しておくことができます。

親戚・身内・友人とのわだかまり
子供のすることに反対したこと(結婚・恋愛・子供の夢・・・)
その当時のことを、改めて説明したり
あるいは、謝るべきことであったならば素直に謝ってみることもできます。

時が経てば、許してくれるということも多いのです。

謝らなかったことを後悔するより、
謝りたい人に伝える?伝えない?は別にして
自分史の中だけでも言葉で謝ることはできます。

特に口下手で無口な方は、言葉で書き残すことはお勧めです。

僕のお奨めしているエンディングノートでも、自分史作りという項目があります。

私の作成したエンディングノートはかなりシンプルなものではありますが、
自分史について書くところりがあります。
居住履歴

本人の住んできた場所などを、書いておくだけの項目しかないのですが
これがきっかけで、より詳しい自分史作りの第一歩になればこれ以上の幸せはありません。

きっと、
あなたが知らなかった夫や妻
あなたの知らなかった親の意外な一面
が見つかると思います。

 

なにより、
自分史作りをすることは最後の時を近い将来迎えるかもしれない人との

たくさんの語らいがあることを信じて・・・・

「ねえ、お母さん こんなものがあるんだけど一緒に作ってくれない?」

なんて会話があることを信じてエンディングノート書き方講座を作ってみた理由です。