相続兄弟
私たち実家相続介護問題研究所|キーライフジャパンは親から相続した不動産(土地建物)の売却を専門にしている相続専門不動産会社です。
「不動産会社なんてどこも同じでしょ?」
そんな悲しいことを思われている客様も多いのですが
親から相続した不動産(土地建物)の売却は普通の不動産売却とは異なること
最初の段取りを間違えると相続不動産の売却はグンと難しくなる!
ということだけは知っておいてくださいね。

私たちがお手伝いする相続不動産の売却でみなさんがよく躓くポイントをお話ししておきますのでぜひご参考にしてみてください。

①相続した実家の家(土地)の売却話を他の兄弟に言い出し難かった

相続不動産売却提案

親の住んでいた実家を売却する?
それはどの子供たちもみんなが罪悪感を感じてしまうものです。
やはり
自分たちが生まれ育った実家が無くなってしまうこと
父親母親が生きていた証が無くなってしまうこと
そんな辛い決断ですからね。
しかし、いつかは下さなければならない決断であることもみんな知っているはず?
なぜなら
このままでは次世代の孫たちにまで迷惑をかけてしまうかもしれないこと
相続人自身もすでに高齢で自分たちの老後や介護のお金を親の家(土地)は売却して確保しておきたい
このまま親の家を放置していたら倒壊など近所に迷惑をかけること
など多くの原因や理由があるからです。

しかし、「父さんや母さんが暮らしていたあの家 そろそろ売却しないか?」なんていう提案は
まるで自分だけが親が亡くなった悲しみを感じていない?
そんな風に他の兄弟たちから思われないか?不安を覚えてしまうかもしれません。

笑顔の江本

私はそんなお悩みの方には
直接的ではなく間接的に実家の売却の提案をされてはいかがですか?
とアドバイスしています。

亡くなった実家の維持費の分担を他の兄弟たちに相談する

私の経験上を少しお話ししておきますね。

亡くなった親の家を売ることには反対している他の兄弟たちに「固定資産税・都市計画税・火災保険・水道光熱費など亡くなった親の家の維持費をみんなで分担して負担すること」を他の兄弟みんなに提案すると意外とあっさり態度を変える方も少なくありません。
今まではあんなに亡くなった親の売却を渋っていたのにいざ少しでも自分になんらかの経済的な負担がかかりそうになるとコロッと態度を変えるものです。
それに亡くなった親の家の維持費ってバカにならない金額ですからね。


最初はみなさん亡くなった親の家を売ることには消極的ですが、
数年経つとその維持費の負担に音を上げて売却を決断される方も多いです。

形見分け・実家の片付け・遺品整理を他の兄弟に提案する

いつかはしないといけない?!
それが形見分け・実家の片付け・遺品整理です。
しかし、なかなか手が付けられないのも事実です。

この形見分け・実家の片付け・遺品整理はあまり先延ばしにはできません。
なぜならこれらはとっても大変な作業だからです。
これはまだ子供たちに体力・気力が残っている時でないとできないことなんです。

現実的には多くの方がこの実家の片付け・遺品整理を途中でギブアップして諦めます。
そのタイミングで亡くなった親の家(土地)の売却を兄弟たちに提案する良い機会になると思います。

泣く江本

本当に親がまだ元気なうちに少しでも実家を片付けていてくれたら・・・・
こんなに大変な思いはしなくてもよかったのですがねぇ
私も実家の片付けに苦しんでいたひとりですので本当にそう痛感しています。
せめてこんな風に少しでも手を付けていてくれたらと・・・


親と一緒の片付けならきっと笑い声もあったでしょうが親が亡くなった後の子供たちだけで行う実家の片付けはだたただ涙があふれるばかりでなかなか手が進みませんでした。

参考:遺品の形見分けマナー|いつ?誰に?どんな風に?時計・服・指輪

弊社では残置物が残ったままの状態での相続した親の家の売却の相談にも応じています。もし途中で実家の片付けに挫折してしまったり他の兄弟姉妹たちの協力が得られないのならご検討してみてください。
参考:円満な実家売却は相続専門不動産会社のやり方を参考にすればよい
※ただし、お仏壇やお位牌などはご容赦願います。意外と私は信心深いのです。

相続した実家(土地)の名義を子供に変更する相続登記のことを提案する

法律的や対外的には相続登記が終わるまでは準共有と呼ばれて法定相続人が法定相続割合で共有している状態です。
なにか問題や事故が起こった時には連帯して管理責任を負っているのです。

ですからいつまでも放置していてはいけません。
また、もしあなたに万一のことがあったのなら今度はあなたの子供が新たな相続人となります。
こんな風にネズミ算的に法定相続人が増えていき、いずれにっちもさっちもいかなくなることもあります。


さすがに法定相続人が百人というのは私も経験ありませんが
相続人が数十人(しかも日本全国バラバラに散らばっている)ということはよくあります。
失礼ながらたかだか数百万円の相続不動産にそこまで手をかけられるかいうと・・・

この相続登記は必要書類の収集や遺産分割協議書作成などけっこう大変です。
ですから、相続登記を売却を同じタイミングで行えばかなり楽になります。

相続した実家(土地)の売却の話は早めにした方がよい

どうしてもタブーにしたくなるのが亡くなった親名義の家(土地)の売却話であることは私もよ~く理解できます。
しかし、あなたが法定相続割合(子供たちはみんな平等)での遺産分割でOKならまだしも、相続人間でいくらかの差をつけることを考えているのなら相続不動産の売却の提案は早めにすることをお勧めします。
時に「親の介護に献身的にしてきた子供」と「親の介護なんていっさいしてこなかった子供」がまったく同じ相続割合だなんて納得できないと感じることもあるかもしれません。
ただこの「親の介護をしてくれたことへの感謝の気持ち」は時とともにどんどん薄れていくものだからです。
時が経てば経つほど「それはそれ(介護)。これはこれ(相続)」というのが普通なんですね。

②相続した実家(土地)を売却したお金を兄弟でどう分けるか?悩んだ

相続した親の家を売ったお金の分け方

亡くなった親名義の家(土地)を売ったお金をどう兄弟で分けるか?
これってかなり悩ましい問題ですよね。
法律的には子供はみんな同じ相続割合なので公平平等に等分すべき?とも考えられますがそれぞれの兄弟・家族にはやはり平等には分けられないそれぞれの事情や理由があります。
親の介護をしてきたという介護の不公平もあるでしょう。
これから家や墓を守っていかなければいけないというのもあるでしょう。
ではどれだけの差をつければいいのか?
これが兄弟の相続では頭の痛い問題です。
しかも、この「相続した親の家(土地)を売ったお金をどう分けるか?」ということを事前に腹を決めておかないと相続した不動産の売却もかけられない?ということもあります。

「相続した実家はいくらで売れる?」親の家の評価の把握が曖昧だから悩む

笑顔の江本

私は相続した親の家など相続不動産の売却のご相談を受けた時には
まず、市場価値を正しく認識してから考えましょう!
とお勧めしています。

相続した親の家(土地)を過大評価しすぎる相続人たちも多いのですが、実はそれほどの評価はできない親名義の家や土地などの不動産って多いんです。
親が当時の購入した金額をそのまま売れる値段として考える方もいます。
バブルの時代に近所で売れた値段をそのまま今も売れる値段と考える方もいます。
でも、それってはっきりいって妄想に近いものです。
少しインターネットで調べればわかることなんですがね。(汗)

親から相続したこの家(土地)は現在いくらで売れるのか?
これがまず最初に調べることなんです。

仮に
①1000万円で売れるなら兄弟二人で兄600万円弟400万円
②2000万円で売れるなら兄弟二人で兄1300万円弟700万円

①の差額200万円②の差額600万円に納得できるかどうか?だけなんです。
では①の200万円で納得できないのなら兄550万円弟450万円(差額100万円)
②の600万円に納得できないなら兄1100万円弟900万円(差額200万円)
どこのラインで双方納得できるか?話し合うだけです。
しかし、このスタートラインの売却可能価格がある程度わからないと兄弟で相続の話もできないのです。
遺産分割の話は曖昧ではなくできるだけはっきりと明快な数字を出して進めないとズルズルといつまで経っても結論は出ません。
参考:相続する実家を無料で査定いたします。いくらで売れるか?を調べないと遺産分割協議も始められない

なにもなければ法定相続割合が強い

この法定相続割合がひとつの基本的な遺産分割のラインです。
これ以外の割合で遺産分割をしたければ
・遺言書
・相続人全員の話し合い(ひとりでも反対なら不成立)
しかないのです。
でも「親が遺言書を書いてくれていた」というのもまだまだレアなケースです。
親の介護などの特別寄与分はあなたが決めるものではなく相続人全員が話し合って決めるものです。
だからあなたが思ったほどは認めてはくれないことが多いでしょう。

家庭裁判所に調停の申し立てをしても法定相続割合を覆すのは簡単ではない

みなさん、涙ながらに訴えても法律は時に非情です。
この特別寄与分とはあなた自身が立証説明しなければいけません。
親はいつから認知症になったのか?
介護認定はいつ?どんな?
・どこの病院に?いつから?どんな治療?
あなたはどんな介護をどれくらいしてきたのか?
これを客観的な証拠資料を家庭裁判所に提出して証明しなければいけないのです。
これがどれだけ難しいことかは容易に相続できるはず。
しかも親が亡くなって何年も経過していればなおさらです。
仮に親の介護の苦労の特別寄与分が認められてもきっと雀の涙ほどでしょう。

泣く江本

とかく誤解の多いのがこの特別寄与分なのですが法律的にこの「特別」という言葉の意味は「尋常ではないくらいの」という意味です。
ただ親の介護をしてきたという程度のものではないことをしっかりと理解しておいてください。
わかります。
よ~く、わかります。
私も亡き母の介護ではかなり不公平感を感じてはいました。
でも、仕方ないのです。
法律的にはそんな考え方だからです。
※「◎◎のできる法律相談所」なんかを鵜呑みにしないでくださいね。あくまで認められる可能性があるということでその認めさせ方なんて話してはくれていません。

③相続した実家(土地)の売却に兄弟のひとりが反対した

実家売却に反対の兄弟

相続不動産の売却で難しいのは
相続人全員が納得了承してくれないと売却できない!?
ということがあります。
そうです。たったひとりでも相続した親の家の売却に反対するとたちまち実家の売却話は頓挫してしまいます。
最悪、家庭裁判所に調停の申し立てまで行わないといけなくなりますし、そこで売却が認められても競売方式になりかなり二束三文での売却にならざるおえません。

他の兄弟が相続した実家(土地)の売却に反対する理由は理解できないものばかり?

相続不動産売却専門の私たちもよく直面する問題がこの
相続人の兄弟の誰かが親の家の売却に反対!
という事態です。

ご実家の売却に反対される理由は何ですか?
そんな私の問いかけにもなかなか本音は言ってはくれません。
理由や原因がわかればその対策も考えられるのですが、それもわからずでは大変です。

意外と多い嫁の口出し

「私はそれでいいと思うのですがどうも嫁が納得しなくて・・・」
これ、実際に私が聞き出した実家売却反対の理由です。
心の中では「奥さんはこの相続には関係ない部外者でしょ!」とも思っても口には出せません。

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年に数回も会わない兄弟と喧嘩する?
24時間365日、ネチネチ文句を言い続ける嫁との夫婦喧嘩
相続では「夫婦喧嘩よりも兄弟喧嘩を選ぶ」もの
これ、意外と私の中では格言です。

過去のえこひいきを引き合いに出す

「兄貴は親のえこひいきばかりされ、それに比べて弟の俺は損ばかりしてきた」
そんな気持ちを抱えているご兄弟もいました。
でもこればかりはご本人でないとわからない問題かもしれません。
しかもそれって他人がどうこう言える問題でもありません。

やれ「あの時のあれは特別受益だ!おれはもらっていない!」だのいろいろと難癖をつけてくる兄弟もいます。
私の経験では兄弟本人だけでなく孫に援助した学費などもよく問題になります。
「うちの子供に親があげていたお年玉と他の兄弟の子供にあげていたお年玉の金額が違っていた!」なんて怒っている方もいました。(汗)

相続は今までの兄弟関係の清算です

「兄弟が腹を割って本音で話し合えばきっと誤解は解ける?いつまでも兄弟仲良くいられる?」
長年相続に関わってきた私にとって正直それはあまりにもお花畑の考え方のように感じます。
もはやスタートラインの当たり前の考え方や常識が180度異なる兄弟であればそれは不可能であるとも感じます。

あなたには到底納得できない遺産分割案であってもここは百歩譲っていただけませんか?
もはやそんな兄弟とは縁を切る覚悟も必要かもしれません。
手切れ金代わりに遺産を多くくれてやってあげてもいいじゃないですか。
じゃないとこれからもず~~っとモヤモヤした険悪な兄弟関係を引きずっていかなければいけません。
次世代のあなたの子供に今の険悪な兄弟関係が悪影響になりきっとこの問題は何十年も解決には至りません。
参考:相続は縁を切る良い機会|相続は今までの親子兄弟関係の清算です

④兄弟で相続した実家(土地)が売れなくて困った

相続した親の家が売れない

実は相続不動産の売却って普通よりかなりのハンデを背負っています。
なかなか簡単には売れないのです。

相続した親の家って荷物がいっぱいで第一印象は最悪ではありませんか?
相続した親の家って「は暑く?冬は寒い?」時代遅れのオンボロな建物ではありませんか?
(ズバリ言ってごめんなさい)
もし、あなたがマイホームを探している人に代わって第三者的な視点で見れば思わず買いたくなるお家ですか?

さらに致命的なのは決断が遅いこと

意外とこれが大問題だと思うのは決断が遅いことが多いことです。
相続人がたくさんいることも多いのでよ~く理解もできるのですが
やっと購入希望者が見つかっても
じゃあ、兄弟で話し合ってから連絡します
というご返事が多いのです。
その最終段階になって初めて
「遺産をどう分ける?」
「売却代金は妥当か?」
とかいろいろ問題が出てきてなかなか回答がもらえないことが多いのです。
結局、「やっぱり親の家の売却は中止します・・・」というケースはよくあることなのです。

泣く江本

私も何度も菓子折りをもって買主や買主側の不動産会社に謝りに行ったことは一度や二度ではありません。

兄弟で相続した実家(土地)をうまく売却するには予めの事前準備が大切

「船頭多くして船山に登る?」
なんてことのないように兄弟で相続した親の家やと土地をうまく売却するには予めの事前準備がとても大切です。

兄弟で相続した親の家や土地をどうするのか?どうしたいのか?
しっかりと事前に話し合っておかないといけないのです。
しかもそこにはオブラートに包んだ曖昧な説明ではなく具体的な金額や相続の法律のこともきっぱりはっきりとしておかなければいけません。

笑顔の江本

ここが我々相続専門の不動産会社と普通の不動産会社の一番の違いでもあります。
相続した親の家の売却で兄弟間の根回しや意見調整するコーディネーター的な役割が腕の見せ所です。

くれぐれも兄弟の中の誰か一人が独断専行で実家の売却話を推し進めないでくださいね。
最後の最後での大どんでん返しもよくあり、それは我々不動産会社だけでなく買主にも大きな迷惑をかけることにあります。
なによりそこで兄弟でもめると取り返しのつかないくらい兄弟関係修復が難しくなります。