相続させたくない
法律では相続人はみんな平等な権利を持っています。
しかし、公平な遺産相続と平等な遺産相続は別物です。
それに気づいているあなたには実は「相続させたくない兄弟姉妹や息子娘がいる」のではないですか?
しかし、これがなにもしないでいると法律通り『相続人はみんな平等な相続権利』を持ってしまいます。
なんとか相続させたくない人にできるだけ相続させない有効な方法はないのでしょうか?

相続させたくない兄弟姉妹って親の介護をしなかった兄弟姉妹ですか?

相続させたくない兄弟
相続させたくない兄弟姉妹とはどんな人たちでしょうか?
たとえば親の介護をまったくしてこなかった兄弟姉妹の場合もあります。

笑顔の江本

私がよく相続や介護セミナーで「親の介護に金は出さぬが口は出す!相続では手を出してくる!それが遺産相続というものです!」と話すとみなさん笑いながら目はマジです。(汗)


やはり親の介護は子供の誰かに負担が集中してしまいます。
ある程度の介護の不公平ならまだしも、まったく親の介護など知らんぷりという兄弟も少なくありません。

親から金をむしり取っていく兄弟姉妹の場合もあります。
ただでさえそれほど多くはない親の財産(遺産)
ことあるごとに実家に立ち寄ってはしきりにお金の無心に来る兄弟姉妹
親に多額の借金の肩代わりをさせたりと親に迷惑をかけっぱなしであっても遺産相続ではみんな平等?
これでは納得もいきませんよね。

相続させてたくない息子・娘って?

相続させたくない息子

相続させたくない息子や娘ってどんな人たちでしょうか?
そこにはいろいろな事情や理由もあることでしょう。
しかし残念ながら今の日本では法律的に親子の縁を切ることはできません。
勘当という言葉は交流が無くなるだけの話であって決して法律上はりっぱな親子なのです。

意外と多いご相談は「離婚した前妻・前夫との子供に相続させたくない」

私のもとに寄せられるご相談で
離婚した前妻(前夫)との間に子供がいるのですがもう何十年も交流がありません。そんな場合に遺産相続はどうなりますか?
というものです。
いくら何十年も交流がなくても法律上は離婚した前妻(前夫)の子供もりっぱな法定相続人です。

ずっとかいがいしく介護や面倒をみてくれる再婚相手との間にできた子供
もはや何十年も会ってもいない離婚した前妻(前夫)の子供
どちらにも平等公平に遺産相続させたい?とはあまり考える方も少ないのではないでしょうか?

相続人の資格を奪う制度(相続人廃除・相続欠格)もあるがなかなな認められない現実

家庭裁判所

相続させたくいない人を相続人から外す「相続人の廃除」という制度もあることはあります。
ある特定の相続人を相続人から廃除するには
●相続人から虐待を受けたり、重大な侮辱を受けた
●その他の著しい非行が相続人にあった
そんな時に親本人(被相続人)が家庭裁判所に請求して虐待などした相続人の地位を奪うことをいいます。
この申し立ては、親本人(被相続人)が生前か遺言書でしかすることは出来ません。

ただこの条件がかなり厳しいのです。
・相続人が被相続人を虐待した場合
・相続人が被相続人に対して、重大な侮辱を与えた場合
・相続人にその他の著しい非行があった場合
・重大な犯罪行為を相続人が行ない、有罪判決を受けている
・被相続人の財産を相続人が不当に処分した場合
・賭博を繰り返して相続人が多額の借金を作って、これを被相続人に支払わせた場合
・配偶者が愛人と同棲して家庭を省みないなどの不貞行為
・配偶者の場合には婚姻を継続しがたい重大な事由
これらの条件に該当するのはよほどのことでしか家庭裁判所は認めてはくれません。

また、たとえ遺言で相続人廃除のことを書いてあっても廃除の対象となる相続人が異議を申し立ててくると、実際には廃除が認められないケースも多いのです。
この廃除の対象となる相続人がまったく異議を申し立てずにいるか、刑務所に入っている場合でもなければ廃除の対象となる相続人の相続権が剥奪されることはほとんどありません。

また「相続人廃除」も「相続欠格」も代襲相続されてしまいますからあまり意味はないよ言うな気がします。
ですから「現実的には「相続人の廃除」は諦めたほうがよいかもしれません。

相続させたくない人がいるなら親子が協力しなければいけない

この「相続させたくない奴がいる!」というご相談は将来の相続人である子供たちからが圧倒的に多いのです。
しかし、親が生きている間は親の財産です。
これを一部の子供だけでどうのこうの出来るわけではないんです。

ですから、きちんと親子で話し合って相続の考えをひとつにまとめておく必要があります。
親からすればどんなに出来の悪い?子供であっても子供はやはり可愛いものです。
なかなか「あいつには相続はさせない!」という決断は難しいのも現実です。

相続させたくない人から親の遺産を守るために生前贈与は?

生前贈与
相続させたくない相続人から親の遺産を守るために、予め親が生きている間に生前贈与を受ける方法はどうでしょうか?
確かに有効な手段ではありますがデメリットも多くあります。

多くの生前贈与は特別受益を主張されやすい

相続させたくないとあなたが思っている相続人であってもい自分のことは横においても相続する権利を主張することでしょう。
そんな時に『あの時の生前贈与は特別受益だ!』と主張されたらどうしますか?

生前贈与の優遇税制は限られている

相続税に比べ贈与税って結構割高になってしまうことが多いんです。
相続時精算課税制度、住宅資金援助など何種類かの優遇税制もありますがそれもかなり限定的です。

相続させたくない人から親の遺産を守るために遺言書は?


相続させたくない人がいるなら一番効果的で有効では?と思われるのがやはりなんといっても「遺言書」です。
遺言書で相続させたくない人に相続させない内容のことを書いておけばいいのですが・・・・

問題は遺留分のことですよね。
遺留分とは最低限保障された相続できる権利なんです。
たとえ「〇〇には遺言書で1円も相続させない」と書いてあっても遺留分は保障されています。
ただ、この遺留分を行使するかしないか?はその相手が判断するかしないかなんですけどね・・・・

遺留分減殺請求できる期間

遺留分侵害を知ってから1年間
または
相続が発生してから10年間

しかし、相続することを遺言書などで拒まれた相続人がこの遺留分減殺請求をするのは簡単ではありません。
弁護士に頼んで調停や裁判まで発展することになるでしょう。
いくら遺産が欲しくても、そこまでする相続人なんて少ないのも現実です。
ですから
相続させたたくない相続人がいるなら、まず遺言書を書くことを検討してください。
それも
誰からもケチの付けられない!
相続させたくない相続人に詳しい内容は知られずに!
できる公正証書遺言をおすすめします。
それには弁護士や司法書士など専門家の力を借りるのも得策です。
多少の費用はかかってもその方が確実安全です。、

相続・遺産問題・遺言書でわからないことは弁護士に相談が早道!

■いくらネットで検索しても無駄です
相続のもめごとは百人いれば百通りで同じケースはありません。
だからネットでいくら解決策を探していてもあまり意味はないのです。
遺産分割で納得できないが自分の主張が正しいのか?間違っているのか?
そんなモヤモヤを抱えたままずっと悩んでいるよりも弁護士に相談するのが解決の早道です。
「相続弁護士ナビ」では、全国の相続に強い弁護士の情報をご提供するサイトです。

いくら相続させたくない相手であってもいくらか(遺留分程度)は相続させる方が得策かも?


「窮鼠(きゅうそ)猫を噛む」とも言われています。
自分のしてきたことは横においてでも必死になって抵抗してくるかもしれません。
場合によっては弁護士を雇ってでも家庭裁判所の調停の申し立てをしてくるかもしれません。

兄弟関係・親子関係の整理するために手切れ金代わりにくれてやる!のも得策

損して得取れ!
あなたの腹ワタの煮えくり返る想いは十分理解できますが、調停や裁判沙汰にもなれば嫌でも何度も顔を合わすことにあります。
まして高い弁護士費用を考えたら「手切れ金」代わりにある程度の遺産を渡してあげるのはいかがでしょうか?
「もうあいつとは一生 顔を合わさなくて済む!」
これはお金には換えれない大きなメリットかもしれません。
親子の縁は永遠に切ることはできませんが、まったく常識や考え方の異なる自分勝手なことばかり主張する兄弟姉妹なら縁を切る決断もありでは?とも思います。

それでもやっぱり1円も相続させたくないですか?


それでもやっぱり「あいつには1円も相続させたくない!」とお考えでしょうか?

もし相続税がかからない程度の遺産であれば後は相続人同士だけの問題です。
※相続税申告は相続人全員が協力して行うものですから脱税にもなりかねません。
ならば、相続させたくない相手から親の遺産を調べにくくする方法もあります。
それは実家の売却なんです。
実家なの度の不動産を売却してお金に換えておくんですね。
なぜなら別居している?交流のない子供が亡くなってからの親の遺産を調べることってかなり難しい現実があります。

実家の土地建物など不動産であれば隠しようがありません。
ですがお金はなかなか調べ上げるのは難しいことになります。
相続手続きには相続人全員(相続させたくない人も含む)の署名捺印が必要になります。
ですので相続させたくない人の署名捺印がいらないようにしておかなければいけません。
私もこの理由から親の家の売却を決断された方も少なからずいらっしゃいました。
参考:実家の売却は相続専門の不動産会社に相談した方が良い
お金に換えておけばさらに有効な選択肢もグッと増えます。
お金ならば有意義に使って相続財産から減らせることができます。
先ほどの生前贈与で話せなかったことがたくさんありましたが、ここでは税理士のわかりやすい説明をご紹介しておきますね。

「じゃあ、親の住む家はどうするの?」
ということがありますよね。
私は時々使うウルトラCは子供の誰かが親の住む家を購入する方法です。
戸建ては少し難しいのですが、マンションなら子供が親のために使える特別な住宅ローンがあります。
親の年金も収入合算できるので自分の住宅ローンがまだ残っていても借りやすいことも多いです。
もちろん、返済は親の年金や実家の売却代金を充てます。
※もちろん子供名義口座から引き落としますけど・・・
子供の家から遠くて古い戸建てから子供に近い駅前の中古マンションに引っ越すことが多いです。
親が両方亡くなった後は売ってお金に換えてもいいですが名義はその子供なので相続させたくない兄弟には関係ない話です。

要は隠せない遺残である不動産から他の相続人が調べにくい現金預金に換えておいて、そこから親が子供に生活の援助をすることで親の遺産を減らすことなんです。

まとめ

笑顔の江本

いかがでしたでしょうか?
なにかひとつでも参考になったことがありましたでしょうか?
なにぶんあまりおおぴらにもできないこともこのほかにもたくさんありますが、なかなかここではお話しできません。
なにかわからないことがあればお気軽にご相談くださいね。

相続させたくない兄弟がいるので、実家を売却して親子で引っ越しをした
という方もいらっしゃいました。
相続と介護のことをしっかりと考えた二世帯同居なら私も賛成です!


相続・遺産問題・遺言書でわからないことは弁護士に相談が早道!

■いくらネットで検索しても無駄です
相続のもめごとは百人いれば百通りで同じケースはありません。
だからネットでいくら解決策を探していてもあまり意味はないのです。
遺産分割で納得できないが自分の主張が正しいのか?間違っているのか?
そんなモヤモヤを抱えたままずっと悩んでいるよりも弁護士に相談するのが解決の早道です。
「相続弁護士ナビ」では、全国の相続に強い弁護士の情報をご提供するサイトです。