空き家売却の税金

父も母も亡くなってもう三回忌も無事に終わった・・
そろそろ親から相続したこの空き家を売却してもいいかな?
そう相続人みんなが考え出したときにふとい不安になるのが
あれ?この空き家を売却したらドカンと税金がかかるのかなぁ?
かもしれません。

相続した空き家を売却して利益(譲渡益)がでた場合にはその利益(譲渡益)に対して「譲渡所得税」と「住民税」が課税されます。
この譲渡所得税の税率は親が購入してから売却までの所有期間によって異なります。
【親が所有してから5年未満】
・譲渡所得税率は30%
・住民税は9%
【親が所有してから5年以上】
・譲渡所得税率は15%
・住民税は5%
たいていの場合は親が購入してから所有期間5年を超えていますから売却による利益(譲渡益)の20%程度を考えておけばいいでしょう。

相続した空き家を売却して税金がかかるのは譲渡益の部分だけ


みなさん、誤解されるのは空き家の売却でかかる税金の税率を売却代金全部?と勘違いされています。
空き家の売却で税金がかかるのは譲渡益
つまり買った代金より売った代金が高くてその差額の部分だけなんです。
※厳密には「建物の減価償却」も考えなければいけませんがここでは簡略に考えます。

親が3000万円で買った空き家が今3000万円以上で売却可能か?
そう考えればよほどの好立地か?(目の前に駅ができた?とか)なにか特別な事情がないとなかなか今のご時世で値上がり益はみこめないものです。
もちろん買った時の諸経費、売った時の諸経費も経費に算入されますからあまり値上がり益を享受できる方は意外と少ないのです。

空き家の売却でかかる税金の税率は2割程度

この空き家、値上がりして売却時に譲渡益が出そうだ?」という方もいるかもしれません。

不動産の売却でその譲渡益にかかる税率はその保有期間で区別されます。

5年未満の短期譲渡は39%(所得税30% 住民税9%)
5年超の長期譲渡は20%(所得税15% 住民税5%)

通常、親から相続した空き家はもう親が購入してから5年以上は経っているものです。
もちろん相続した空き家の保有期間は最初の親が所有していた期間も含みます。

空き家を売却した時に税金の計算で3000万円の特別控除もある

3000万円の特別控除とは、売却で得る予定の譲渡益を特別に「3000万円まで差し引いてあげますよ!」という制度です。
ざっくり言えば
3000万円で購入したその空き家、6000万円以上で売れた部分に対してだけ税金をかかる
ということになります。

ただ、この3000万円の特別控除はちょっとハードルが高いのですね。

空き家の売却の3千万円特別控除利用の適用条件

空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」(空き家譲渡特例)があります、
これは平成28年度税制改正で創設された特例です。
相続した空き家を売却した場合は、譲渡所得(売却益)から3,000万円まで控除できます。

家屋と土地の両方を相続していること
売却価格が1億円以下であること
相続開始から3年を経過する年の12月31日までかつ平成31(2019)年12月31日までに売却すること
家屋は以下の要件を満たすこと
 昭和56年5月31日以前に建築された
 区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)でない
 相続の直前において被相続人が1人で住んでいた
 相続してから売却するまで居住、貸付、事業に使用されていない
 現行の耐震基準に適合するリフォームが行われている

いかがですか?
かなり厳しい適用条件とは思いますが・・・

できれば親が生前に売却していれば簡単に利用できるのが3000万円特別控除なのですが、親の死後だとかなりハードルが高くなります。
このあたりも私が親が生きている間に実家の売却をすすめるりゆうのひとつです。

空き家の売却の税金の心配をするまえにあなたがまず調べることはこの2つ

もし、あなたが親から相続した空き家の売却の税金を心配しているなら、この2つから調べなければいけません。
親がいくらでその空き家を購入したのか?
今、その空き家はいくらで売れるのか?
の2つです。

親がいくらでその空き家を購入したのか??親が購入した時の契約書を探す

権利証はもちろんですが親が購入した時の売買契約書を探して購入価格やその諸経費を調べなければいけません。
通常は権利書が入っている同じところに契約書や仲介手数料・登記費用などなど一緒に保管されていると思います。
ぜひとも必死になって探してください。
じゃないとみなし所得価格として売買価格の5%が取得原価とされてしまいます。
すると残りの95%が課税対象価格となってしまいます。

その空き家はいくらで売れるのか?売却可能価格を調べる

ここで重要なのは第三者的に客観的にその空き家の市場価値を素直に受け入れる!ということなんです。
親バカな親も多いですが、親から相続した家に対しても親バカな子供って多いんですね。(汗)
この家、うちの親がいくらで買ったと思っているんだ!」(怒)
この建物は有名ハウスメーカーの注文住宅で建築費だけでウン千万円だったと聞いているわ!
私もよく相続不動産の売却価格の査定をさせていただくとよくそんなお叱りを受けるのは日常茶飯事です。
でも、その空き家を購入しようとしている方にはそんなこと関係ありません。
まわりの物件より「安いか?」「魅力的か?」だけなんです。
他の物件より高く買う理由はなにもないのです。
まして相続した空き家の売却って普通よりもかなりハンデがあるのも現実なんですね。(汗)


もし関西ならば私たちもお調べできます。

今の時代大きな譲渡益がでる相続した空き家の売却も少ない


相続した空き家の売却で大きな税金が課税される?というケースはかなり少なくなってきました。
それはかなり不動産の値下がりが続いていて、地価が上がっている地域は都心の一等地だけなんです。
親自身も先祖から相続したような実家ならまだしも、昭和の末から平成の時代に購入したのならバブルの時期ですから買った値段では売れない空き家も多いのです。

冷静になって近くの不動産の価格相場を調べてみてくださいね。
きっと大きなショックを受ける覚悟をしてからですけど・・・

今は簡単に不動産相場は調べられます。
不動産ポータルサイトのsuumo・ホームズ・アットホームなどですぐにわかります。

泣く江本

それでも掲載されているのは売り出し価格なので本当の成約価格はもう少し下がります。

空き家の売却の税金の心配をするよりもササッと売却してそのお金をきれいに分ける方がみんな喜ぶもの

みなさん、売却時の税金のことばかり気にする方が多いのですが少々ナンセンスな気がします。
それは売却の譲渡所得にかかる税金は「値上がり益」の部分に対してのみ課税されるのです。
親も先祖から相続したような土地建物などの不動産ならいざ知らず、昔に親は購入した家なら購入値段の何倍もの値段で売却はできません。
それよりも今の相場と取得原価(購入時の契約書など)を先に調べた方が良いです。
3000万円の特別控除でも最大600万円の節税ができるだけなんです。(長期譲渡所得は約20%)
3000万円も値上がりしている親の家ってそうはないものです。

そんなことより10年後の1000万円より今の500万円のほうがみんなよほどうれしいものです。
むりやり節税策を考えるよりも、ある程度の税金は覚悟してでもササッと空き家を売却してそのお金をみんなで分ける方がよほみんなも喜ぶものではないでしょうか?
おそらくみんな自分自身の老後も心配な年代ですからね。

「とりえず値段だけでも知りたい!」という方はお気軽にご相談してみてください。

「もう少し考える時間が欲しい」という方はこんなサービスもご提供しています。