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離婚はしない仮面夫婦
もはや愛情もなにもないのに離婚しない仮面夫婦って意外と多いんですね。
私に寄せられるご相続の相談の中にも「えっ?兄貴たち 離婚届出してなかったの?お義姉さんなんか何十年も会っていないしてっきりおひとりさまかと思っていたのに?」というケースもよくあります。
仮面夫婦の相続には気をつけてくださいね。

何十年も別居している仮面夫婦でも妻はりっぱな法定相続人である

夫の遺産が転がり込んできて喜ぶ仮面夫婦の妻
法律って時に残酷で無情です。
建前と実態といくら乖離していても法律は法律なんですね。

仮面夫婦状態だった夫婦の夫が亡くなって相続が発生したら離婚届を出していない戸籍上の妻が最優先される法定相続人です。
たとえもはや長年にわたって夫婦関係が破綻していても戸籍上の妻が一番強い法定相続割合になります。
これって意外とみなさん簡単に考えているんですね。
ですから実例をご紹介しておきます。


「えつ?兄貴たち離婚届け出していなかったの?」
なんて弟や妹たちが驚くこともよくある話なんですね。

笑顔の江本

私の本業は相続コンサルタントなのですがこんなご相談も少なからずあるのです。
それは・・・・

仮面夫婦関係を清算?そんな熟年離婚でどうなる老後や介護や相続


好きで仮面夫婦を続けていないご夫婦もいます。
まあこれだけ離婚や再婚が欧米並みに増えてきている日本で「どうして離婚しないのか?」はそれぞれのご夫婦にも事情がありますからね。

「妻が離婚してくれないんです」と悩む夫からのご相談

「実は妻が離婚届けにハンコを押してくれないのです」
そんなご相談があることがあります。
どうして相続コンサルタントの私にこんな相談があるかというと
歳をとればとるほど離婚がその後の相続や介護に大きな影響を及ぼすからです。

えてしてそんなケースは夫に資産や経済力がある場合が多い

やはりお金や経済力や社会的地位のある男性ほど世の女性が放ってはおきません。
たとえそれが不倫と後ろ指をさされようともです。
そんな「うちの旦那みたいな年寄りが女性からモテるはずがない!」なんてタカをくくってはいけません。最近では和歌山の資産家(和歌山のドンファン)の事件もあったくらいですよ!

『離婚しない!』というのも捨てられた妻の復讐ともいえるのですが

そんなこじれた夫婦関係がただの戸籍上だけの夫婦関係の方に時々遭遇します。
どうしてもう愛情のかけらもないのに「離婚しないのか?」と奥様にたずねると
「私の老後の生活をしっかりと償ってもらうため!」
「もし亡くなったら遺産の半分は私のものになるんでしょ!
 いいいえ、そんなお金よりもあの泥棒猫の女になんか1円も渡したくはないもの!」

と背中がゾッとするようなことを言われる奥様もいます。

完全に夫婦生活が破たんしている妻でも離婚はしない。
そんな状況に内縁の妻、事実婚状態の妻からすればこれからの老後や介護のことを考えれば一日でも早く離婚して自分と正式に籍を入れる再婚を望むものです。
そんな宙ぶらりんな状態が続けば、夫が年をとってからの介護にも力が入らないかもしれません。

でも、そんな進むも地獄、戻るも地獄の状態の夫ですが法律的にはかなり厳しい状況です。
法律の専門家である弁護士の意見はというと・・


うーーん、ちょっと自分勝手な旦那さんのような気がしないでもありませんが・・・

ある程度の慰謝料も覚悟しないといけないかもしれません

やはり痛み分けという覚悟はしないといけなかもしれません。
別れる奥様にとってもこれからの老後のことを考えればやはりある程度の経済的な安心も必要ですよね。
だからある程度の慰謝料は覚悟しないといけません。

笑顔の江本

そして今の奥様のことを考えれば必ず遺言書も書いてあげてくださいね、それが愛情だと思います。ただ離婚した妻はもう相続人ではありませんが、別れた奥様との子供には相続権がありますからそのあたりもしっかりと考えておいてくださいね。

長年仮面夫婦で別居してきた夫が認知症?熟年離婚もできないし年金ももらえない?

仮面夫婦
でも、そんなあいまいな仮面夫婦の期間を長年続けていると・・・

夫が高齢になって認知症になってしまうと熟年離婚もできない

そうなんです。
どんな人でも認知症になると重要な法律行為ができなくなるのです。
この問題
私がよく出くわすのが実家の売却です。
たとえ、
本人名義の土地建物などの不動産であっても
権利証と実印はそろっていても
その本人が認知症だと
実家は売れないのです。

これは離婚も同じです

夫か妻かどちらか一方から申し出ても相手は認知症だと離婚手続きはできないのです。

もしどうしても離婚を望むのであれば
認知症の方の法律上の代理人
つまり成年後見人を立てなければいけないのです。

しかも妻がもらえる年金分割も難しい判断が下されることもあります

通常、妻も夫の年金の一部を離婚によって得ることもできます。
離婚時の年金分割|日本年金機構
ただ、その事情によっては離婚による夫との年金分割において難しい判断が下されることもあります。

このあたりの現実の相談例をご紹介しておきます。

離婚しない仮面夫婦を続ける理由も夫婦それぞれいろいろあるんでしょうが・・・

わかります。
人それぞれに大人の事情というのがたくさんあります。
子供のこと
近所・親戚などの世間体のこと

離婚しないのはいといとなご事情もあるともいます。
でも、やはりきちんと今までの関係を清算しておかないといろいろ後で面倒なことになります。

笑顔の江本

例えば相続のことがが起こったら大変なんです。
事実上別れている仮面夫婦の夫に大きな借金が発覚したらどうします?
事実上別れている仮面夫婦の夫に隠し子がいたらどうします?
事実上別れている仮面風の夫に愛人がいて、遺産はすべて愛人に!なんて書いてあったらどうします?

いえいえ、決して笑い話ではありません。
私のもとにはそんな相談も少なくないのです。

そんなご相談を受けた私は、戸籍上の妻であるあなたにとっては
メチャクチャ不利になる悪知恵ともいえる方法をお教えせざるおえないのですから・・・(汗)

笑顔の江本

「あんな夫なんかもはや愛情のかけらもないわ」
なんていう言葉もたくさん聞いてきた私です。
でも籍は抜いていない仮面夫婦の方もたくさんいました。
じゃあ、そんな愛情もない夫と長年別居しているのに
なぜ籍を抜かない?離婚手続きをしない?のか
それは妻側の生活費の問題のこともありますよね。

義両親の介護が原因で別居状態になる仮面夫婦も少なくない

「お義父さんやお義母さんの介護はあなたやあなたの兄弟でなんとかしてください!
 私はできませんし関係ありません!」

そんな冷たい言葉に驚く世の殿方もいます。
しかし、それもご理解できる余地も奥様にはあります。
今までの嫁姑問題の積もり積もった不平や不満
住み慣れた都会から急に介護のために田舎に帰ることなんてできない
自分の実親の介護で手一杯(今は一人っ子も多い)
さまざまな事情がありますからね。
しかし、自分の親の介護を放ってはおけませんからそこから仮面夫婦状態に陥るケースもあります。

離婚届けを出さないのならいくら別居中でも戸籍上の妻は相続人だから

さまざまな事情で離婚という決断をできない事情や理由があるご夫婦ならば相続のこと、きちんと考えておきませんか?
残念ながら遺言書だけでは十分とは言えません。
なぜなら戸籍上の妻には一番多い相続割合ですし遺留分という保証された権利もあるんですからね。
かなり難しい問題ですがなにかお役に立てることもあるかもしれませんから気軽に相談してみてください。