あなたの親の家、つまり実家は「持ち家」ですか?「賃貸」ですか?もし「持ち家」なら一度は『実家の相続』について真剣に考えておく必要があります。ええ、たとえ親の家がとっても古くてオンボロでもです。親がまだ健在なうちは問題は起こり難いともいえるのですが、もしお父さんが亡くなって数年後、今度はお母さんが亡くなったお葬式の夜、ひょっとしたらこんな会話がでてくるかもしれないのです。

やっと母さんの葬式も終わったなぁ・・・。今頃あの世で父さんも母さんも仲良くやっているだろう。お前たちもご苦労さん。長男の俺は田舎に残って父さんや母さんたちの面倒をずっとみてきたからそりゃぁ苦労したよ。都会で働く弟のお前や外に嫁いだ妹のお前たちにはわからんだろうがな(笑)

「兄さん、母さんがこんなに身体が弱ってたなんて気が付かなかったよ。たまに顔を出した時にはあんなに元気そうだったのに・・・兄さんも仕事と介護の両立は大変だったろう。弟の俺はなんにも役に立てなかったからなぁ・・・本当にありがとう。 死んだ父さんも母さんもきっとあの世から感謝してると思うよ。

「お義姉さんにも本当に感謝しているわ。父さんが亡くなってから母さんの面倒まで任せっきりで申し訳なかったと思っているの。お義姉さんは偉いわ!とても私には義両親にそこまでできないもの、兄さんからもよく伝えておいてね、ありがとうございましたって。」
そんな優しいねぎらいの言葉に長男のあなたも今までの苦労が報われた想いかもしれません。 でもその次の言葉にあなたは絶句してしまうかも・・・・?


『ところで、兄さんが母さんたちの一緒に住んでいたあの実家、もう父さんも母さんもいないんだから売却してそのお金を三人で公平平等に分けない?』

もしかしたら、『そんな自分勝手なことばかり言いやがって!』とお怒りになっているのかもしれませんが、 実家の遺産相続でこれは誰が正しくて誰が悪いのか?なんて誰にも決められないのです。 みなさん法律的には当たり前のことを言っているだけなのです。
「長男としての自覚と役割」と「子供は全員平等という法定相続割合」の矛盾はよく相続争いにも発展しがちです。 特に田舎では「長男が家を守っていく」という考えが今なお残っています。それに長男も自覚と自負がありますからそのつもりでがんばるものです。しかし、いざ相続が始まると「子供はみんな平等な相続する権利が法律で決まっているから」と認識のギャップが生じてしまうのです。

相続財産に実家の土地建物など不動産が含まれているときちんと手順や流れを考えて相続しないと些細なことでもめてしまうものなんですね。だから私みたいな公平中立な立場でアドバイスさせていただくことも 役に立つことがあるんです。
実家に兄弟の誰かが暮らしていれば「住み続ける!」vs「売ってお金で遺産分割」と相続でもめる
二世帯同居など実家に子供の誰かが住んでいる場合はよく相続トラブルになりがちです。 なぜなら ・何十年も住み続けていたらもはや実家は自分たちの家という感覚になる。 ・親の介護をしてきたんだからという特別寄与分というものがあるはず ということがあるからです。
実家に暮らしている子供は「このまま住み続けたい!」いや「もはやこの実家は私たちのものだから遺産分割の対象外!!」と考えるかもしれません。 それに対して他の兄弟たちは「法律で子供はみんな同じ相続割合なんだから」「そんな不公平な遺産分割は納得できない」と反対するでしょう。
相続した実家に住み続けたい相続人のあなたへ
長年住み続けている実家ですから当然「今までと同じように住み続けたい」というお気持ちは理解できます。 しかし、法律的には子供はみんな同じ相続する権利を持っています。 親の介護を長年してきたのだから「特別寄与分」があるともお考えかもしれません。 ただこの特別寄与分はあなたが決めるものではなく、相続人全員が話し合って決めるものなのです。 それに納得できずに家庭裁判所に調停を申し立ててもそれを認めさせるにはかなりハードルが高いのです。 参考:特別寄与分の判例!いくら介護に尽くしても相続で認められにくい
他の兄弟たちもゼロに近い遺産相続だから納得できないのも逆の立場にだなれば理解できるはず。 最悪、住み続けたかった実家を売却してでも相続の話し合いをきちんとつけなくてはいけません。 そのうえで差をつけた遺産分割をするのも皆さんが良くする解決策です。
相続した実家を売却して「お金」で遺産分割したいあなたへ
確かに子供はみんな同じ相続割合です。 しかし、親の介護を子供の誰かに押し付けておいて急にその心配がなくなった途端に法律通りの相続権を主張するのもいかがなものでしょうか? 介護はしている人にしかわからない苦労もたくさんあります。 親の介護をしてきた人にとって、他の相続人と全く同じでは 「今までの介護の苦労が100%否定される」ことと同じように感じるものです。
今までの親の介護のこと これからの「家」や「お墓」を守っていくこと 残された親の介護のこと その他、もろもろの事情や今までの経緯を考慮した妥協点を見出すことはできないでしょうか?
税金のことから相続した実家の売却を切り出す
なかなか相続した実家の売却のことは切り出しにくいかもしれません。 そんな相続した実家を売却してお金で遺産分けしたいあなたに知っておいて欲しいことがあります。 それは相続後3年以内に売却すると税金が安くなるということです。
相続した空き家の実家の売却時に使える3000万円特別控除
親も先祖から相続したような実家の売却で譲渡益が出ることもあります。 昔の不動産ならそもそも取得価格が安いですし、そもそも「いくらで取得したのか?」すら契約書もないことも多いです。 契約書などがなく取得金額が不明の場合は売買金額の5%が推定所得金額になります。 そうなると売買金額の大部分が譲渡所得になってしまいます。 その場兄にその譲渡所得利益から3000万円が控除される特例があります。 ただ その適用条件は ・相続のあった日から23年後の年末までに売却する。 ・相続してから売却までに「賃貸に出したりしていない」「相続人が住んだりしたりしていない」こと
ですから、相続した実家の売却で譲渡所得がたくさん出そうな場合は3年以内の売却で税金が安くなることを理由に実家の売却処分を提案するきっかけに使えるかもしれません。
遺産相続は妥協、譲り合いでしか解決できません
数多くの相続のもめごとに遭遇してきた私は 「人は自分のしたことは過大評価し、他人のしたことは過小評価する」 という現実をたくさん見てきました。 ですから、誰かがどこかで折り合わないと永遠に相続の話はまとまりません。
天国のお父さんやお母さんもきっと空から見ていると思います。 なんとか折り合いのつく妥協点を私と一緒に探してみませんか? 参考;相続トラブル解決法は裁判!妥協!諦める!しかないがどれを選ぶ
実家の相続での悩みは「兄弟間の意見調整」「税金」「相続放棄」
親の家の相続って意外とたくさん問題や悩みが出るものです。 親の家の相続ってそう簡単なことではないんです。 いろんなことが影響してくるものなんですね。
兄弟間の意見調整
一番大きな悩みは相続人間の考え方をいかにひとつにまとめるかです。 しかし、これが本当に難しいです。 例えば親の介護を誰がしてきたか?親と同居していたのは誰か? そんなことも相続では大きな問題になります。 法律では子供はみんな同じ相続割合です。これ以外の相続割合で相続したいなら「親が生きている間に遺言書を書いてもらう」か「相続人全員の話し合いで決める(誰か一人で反対なら不成立)」しかないのです。
親子・兄弟で相続のことを話し合うのってなかなか難しい
親が残してくれた遺産をどう分けるか?相続の話を兄弟間で話し合うことをとかくみなさん避けて通りたがります。しかしそのウヤムヤにしたままの状態が後で大きな相続トラブルになってしまうケースをたくさん見てきた私です。ずっと何年も年十年もモヤモヤとして不満を抱えているのはあなたにとっても次の世代であるあなたの子供たちにもよくありません。 私は「相続は今までの人間関係の清算」と考えています。 言いたいこと、主張したいことをズバリ話し合うことの大事さをみなさんにはわかってほしいです。
「相続で土地はいらないけれどお金は欲しい」
例えば親と同居していたりして相続する土地に子供の誰かが住んでいればなかなか遺産分割も難しくなります。 そんな時に私は相続専門の不動産会社ですからその不動産の市場価値(相場)を調査してみなさんに納得していただく機会を持っていただいています。

「いまこのお家の価値は◎千万円くらいです。 確かに法定相続割合の遺産分割だと■■百万円になりますが今の状況だとそれを分割するのは難しいかもしれません。 今までの事情や経緯も考えて少し少なくなりますが◎◎百万円をもらってその土地の名義を▲▲さんに変えるという案ではご納得できませんか?10年後20年後に貰えるかどうかわからないよりここですっきりするのも一つの考え方では?

「親の介護などでご苦労されてきたことは他の兄弟さんたちも考えていると思います。ただそれだけでこのお家がすべて◎◎さんが相続できない現実はご理解できるかと思います。そこで売却代金の分け方で少し多く相続していただくという案ではいかがですか?」
他にもさまざまなケースがありますがやはりなんらかの妥協案がないとなかなか相続ってまとまらないのですね。 ⇒「相続」について話し合う遺産分割協議を開こう!相続の話し合いは第三者を入れるとうまくいきやすい
相続放棄も難しい
私もご相談を受けてよく話がかみ合わないのがこの「相続放棄」です。 「あいつには相続放棄させたから関係ない!」 「私は1円も相続していない!相続放棄した!」 と言われるのですがそれはただの財産放棄のことであり相続放置なんです。
相続放棄したいのなら相続発生後三か月以内に相続放棄の申し立てを家庭裁判所にして初めて相続放棄できるのです。たいていの方はなにか問題が発生してから「相続放棄」を考えられるのですがすでに3か月(多くの場合は数年後ですが)を経過しているのです。
昔に小学校の先生が「遠足は家に帰るまでが遠足です!」と言っていませんでしたか?(笑) 相続も同じです。 相続もきちんと相続手続き(相続登記、相続放棄の申し立て)が完了して初めて相続が終わったといえるんですね。 でもほとんどの方がなにもせずに放置されているのも相続なんですけれど・・・・(汗) 参考:相続した土地の名義変更していないとこんな問題が起こる!
税金(相続税・売却時の譲渡所得税・固定資産税)
親の相続でみなさん気にされるのが税金です。 税金には「相続税」「売却した時の譲渡所得税」「固定資産税」がありますよね。
相続税
相続税を心配される方も多いですが、現実に相続税がかかってくる人って7%程度と言われています。 100人中7人程度なんです。 相続税の基礎控除額は 3000万円+(600万円×法定相続人の数) です。 法定相続人が3人なら『3000万円+1800万円』の4800万円までの遺産なら相続税は関係ありません。
親の家の相続税評価は 土地は路線価 建物家屋は固定資産評価額です。(毎年固定資産税請求書に記載されいますし役所でも調べられます。) このあたりはきちんと調べておいてください。
遺産の分け方でも相続税は安くなったり不要になる
たとえ相続税がかかるほどの親の家でもその分け方によって相続税が安くなったり不要になったりします。
配偶者控除(配偶者の相続は1億6千万円または法定相続分まで無税) 小規模宅地の特例(相続税評価額を80%減額) などがあります。 このあたりは話が長くなるので他の記事で詳しくお話しします。
売却時の譲渡所得税
親の家の売却時にかかる税金、これもみなさんよく心配されますが譲渡所得税は値上がり益(キャピタルゲイン)に対して課税されます。バブル崩壊してから久しいですがほとんどの親の家って値上がりどころか値下がりしている場合が多いです。 確かに親も相続したような先祖伝来の土地なら売却時の税金も心配しなければいけませんが・・・
とにかく『親が購入した時の契約書の確認』と『今の実勢価格(相場)』を調べておいてくださいね。 関西圏の親の家の実勢価格(相場)調査のご相談はぜひお気軽に私の方に相談してみてください。 ひょっとしたらショックで倒れてしまうかもしれませんが・・・・ 参考:相続する実家を【無料査定】遺産分割協議はまずいくらで売れる?から
売却益3千万円まで特別控除
相続後すぐに売却するのであれば3千万円の特別控除制度もあります。 ただこの3千万円特別控除の利用にはさまざまな書類の添付も必要にありますので大変なのも覚悟しておいてくださいね。 親が老人ホームに入った時の契約書の写し 他人に貸し付け用でなかったことの証明する水道光熱費の支払明細書 なども必要になります。 また旧耐震のお家の場合は耐震リフォームをして売却するか解体更地で売却するというのもあります。 ただ現実的にオンボロな家(ズバリ言ってごめんなさい)を耐震リフォームしても売れませんし解体するときの費用も問題になります。 このあたりもあって親が生前に売却することをお勧めしている私です。 ⇒田舎の親が70歳を超えたら実家を売却して呼び寄せを勧める理由?「親の介護を楽にする」「相続でもめない」ため
相続した実家の固定資産税(都市計画税)
すべての不動産には固定資産税(プラス都市計画税)なる税金が課されます。 これは毎年役所などから請求書が送られてきます。 これを誰が支払うべきなのか?よくもめます。
何十年も固定資産税を支払ってきたんだからこの親の家は私のもの?
相続登記を完了せずに放置してきた方からのご相談で多いのが 『何十年もの間 ずっとこの家の固定資産税を支払ってきたのですよ!だからいまさら他の兄弟から相続の権利を主張されても困ります!』 というご相談です。 結論からいうと固定資産税を支払ってきたことが親の家の相続には正直関係ありません。 親の家の名義を変えるにもすべての相続人の署名捺印をした遺産分割協議書が必要になります。
住んでもいない実家の固定資産税の請求が来ることもある
相続登記をせずに放置していればいくら相続の話し合いが兄弟間でついていたとしても対外的には共有状態です。 また共有名義であれば今まで固定資産税を代表して支払ってきた人が滞納すればその支払い義務は他の共有名義人に回ってきます。

とにかく相続は早めに白黒つけておいた方がよい! というのが私の持論ですがいかがでしょうか?
それにはまずはその実家にいくらの価値があるのか? 話はそこからです。 思ったほどの価値がないのであればそれほど目くじらを立てる必要なんてありません。 でも、みなさん実家を過大評価しがちなんです。 また、どうやって分けるか? そもそも最初の「いくで売れるののか?」が分からないとお金の分け方も決められません。
実家が3000万円で売れることがわかったら 「今まで親の面倒を見てきた長男の俺が1500万円 弟の●夫と妹の▼子は750万円ずつで納得してくれないか? 本来より250万円ずつ少ないが今までに介護にかかった費用や これからの法事やお墓の管理も考えたらこれくらいは多く貰いたい」 と具体的に説明できます。 実家が1000万円の価値もないことがわかったら 「兄さん、実家は売るか?兄さんが引き継ぐか?どっちでもいいよ」 なんてあっさり諦めることもできます。 わずか2百万円~3百万円程度で兄弟で骨肉の遺産争いをするなんてバカらしいですからね。
まずは実家の売れる値段を調べてみませんか? 面倒な実家の査定は一括で調べるのが便利です。
親の残してくれた遺産で一番大きなものはこの実家の土地建物だけ? これが一番兄弟で遺産相続トラブルになりやすい
相続税がドカンとかかる方はやはり不動産で相続するほうが節税効果は高いのですが、まあ普通の方は相続税にはご縁がない方ばかりと思います。だからできれば親が元気なうちに実家の売却して分けやすいお金で相続すればスッキリした遺産分割にくすっきりするものなのですがね。 では、なぜ不動産相続がもめやすいのかお話していきますね。
とにかく実家などの不動産って遺産分けし難い財産なんです!
お金で遺産分けをする場合は具体的でスピーディーに話ができます。 もし、実家を売却してお金で遺産分割する場合、今までの経緯や貢献度を具体的に金額で配分することができます。

「兄貴、兄貴は長男だしこれからも法事や墓守もしていかないといけないじゃないか!また親父やおふくろの介護もしてくれてきたんだし。だから、ここは兄貴が○○百万円、俺と妹はそれより少ない▲▲百万円という形ってことで遺産分けしないか?」

『おいおい、もうちょっと増やしてくれないか?実は親父やおふくろの介護でかなりうちも負担してきたんだよ。それにうちのやつもあれだけ献身的な介護をしてくれてたし・・・

「そうよ、お義姉さんも法律的には相続人じゃないけれどあれだけ尽くしてくれたんだから!やっぱり長男の嫁として十分やってくれたことには感謝しないと!ここはもう少し兄さんに多く相続してもらってもいいんじゃない?」

「じゃあ兄貴が◎◎百万円、俺と妹は△△百万円ずつという形で遺産分割しようか?」

『それならうちのやつも納得してくれるだろう。遺産分けのことは俺以上に気にしてたから・・・』



『じゃあ、これで遺産分けの話は終わりだ!銀行から言われている書類をお前たちも早急にそろえてくれよな?手続きが終わればすぐに振り込むから!』(長男) 『わかったよ、すぐに印鑑証明書とか用意しておくから』(弟) 『じゃあ、次は母さんの一周忌の時にね、兄さん お義姉さんにもよろしく伝えてね!』(妹)
こんな風にお金での遺産分けならチャンチャンと話し合いが進んでいきます。今までの介護の苦労も目に見える形てしっかりと評価することもできます。今後の諸事情も十分加味することもできます。 もちろんその金額に納得できないこともあるでしょう。そこは話し合いでどこかに落とし所を見つけなければいけません。具体的に「お金」という目に見える形ならばその落とし所も見つけやすいものです。しかし、不動産が遺産の中に含まれてくると遺産分けの話は少し複雑になってきます。
「不動産の価値」を「お金の価値」に換える評価の難しさ
私たち不動産屋でも頭を悩ませるのが「不動産の価値」を見定める物件査定です。たしかにある程度の金額なら自信を持って断言もできますが、それが100%正解で間違いないか?といわれれば少々不安になるのも現実です。正直「売り出してみないとわからない?」というのも点もあります。 「これくらいなら売れるであろう」というのが我々不動産屋の査定価格なのですが、「景気や住宅ローンの金利動向」「競合物件の有無」なにより「物件の状態」や「売主の協力」も重要な要素になってきます。 それくらい不動産の評価は難しいのに遺産の中に不動産がある場合はどんな計算で遺産分割するのでしょうか?これが不動産相続がもめやすい理由のひとつであることもご理解いただけると思います。遺産分割の前提となる不動産屋でも難しいこの物件評価を誰がするのか?という大きな課題が残ります。
「じゃあ、この実家は俺が相続するから!」といった場合はどうします?
例えば誰かが実家をそのまま相続するとしてどんな風に考えますか?遺産が実家しかなかったら実家を相続する人が他の相続人に金銭で弁償する(これを代償分割といいます)場合もあります。 実家を相続する相続人はできるだけ低い評価を考えます。 実家を相続しない相続人はできるだけ高い評価を考えます。 このモヤモヤがいつまでも遺産分割を遅らせる大きな原因のように感じます。 ましてや親と同居して十数年も経てば、「この実家はすでに私たち家族の住みかであり生活の基盤、もはや分けるべき遺産から外しても当然!」という感覚も理解できます。(法律的にはそうではありませんが)
多くの方が不動産の相続でする「放置プレイ」や「共有バトルロイヤル」
このモヤモヤをみなさん放置してウヤムヤにしがちです。 「遠足は家に帰るまでが遠足です!」と小学校の先生が言っていたように「相続は相続手続きが終わるまでが相続です!」と私も言いたいものです。なぜならこの「数十年も放置プレイ状態の不動産の売却相談が結構多い」からです。 売却話もまとまらない相続人多数の物件も多いのです。
登記簿に記載の所有者は数十年前に亡くなった祖父名義や祖母名義のままの不動産
不動産売却の相談を受けて登記簿を調査するとそこには「○○衛門」「ヨネ」など今の時代らしからぬお名前が載っていることもあります。「あのぉこの方は今どこに?」と恐る恐る訊ねると 「あぁそれはずいぶん前に亡くなったおじいちゃんです。でも権利証もありますしなにか問題でも・・・?」 というご返事が・・・(汗)
この場合は売却の前にまずは「祖父名義の相続手続き」をまず完了しなければいけません。 亡くなった方は売主にはなれないのですし、売主を第三者に公的に証明しなければならないのです。これがまたややこしいんですね。おじいちゃんの相続の時の遺産分割の話 結構うやむやでそのままにしてきた親も多いのです。ましてやその相続人がこの世にもういない?ということにでもなればその時の経緯や当時の話し合いの内容もわかりません。で、結局おじいちゃんの相続の話を二世代も後の従兄弟(従姉妹)同士で話をつけなければならないこともあるのです。
親が生きていてその兄弟たちもご存命であれば電話1本で済む相続手続きの話もより複雑になってしまいます。 この場合、みなさん「もう何十年も住んでいるのに時効取得だ!」「固定資産税もこっちがずっと支払ってきたのに?」という主張もされますがそれは残念ながら通りにくいのです。
とにかく共有名義はやめておこう
「兄弟姉妹間で波風は立てたくない!」という方も多いので、とかく相続登記は共有名義にする方もいますが後々これが大きな問題を起こします。「売る?」にしても「貸す?」にしても大きな障害となります。ええ、『船頭多くして船山に登る』ということにもなりかねないのです。実は私も共有名義の売り物件にはよく手を焼きます。いざ購入希望者が見つかってもなかなか決断がいただけないのです。窓口になっている相続人のひとりから他の相続人に買主が見つかったことを伝えてもらっても「もっと高く売れるじゃないか?」なんて他の不動産業者に相談されてチャチャを入れられたことも一度や二度ではありません。で、結局には買主に逃げられてしまうこともよくあります。(涙)私の長い不動産屋人生の経験では一番最初に見つかった買主が一番好条件だった!という法則もあります。
では、実際のご相談をお聴きになってみてください。
結局そのまま放置されて空家になってしまっている実家がどれだけ多いことか・・・
相続手続きの話も進めない? たとえきちんと相続しても「相続した後、その実家をどうするか?」も決めずに放置されてしまう方も少なくありません。(もちろん亡くなってすぐには心の整理もつかないのもよくわかります) で、結局 親が亡くなった後も放置されてしまう実家って多いんですがいずれはきちんと実家と向き合わないといけない時期がきます。それは早いければ早いほど良いのですが・・・ でも、下手に実家を相続するとこんなに大変なんですね
下手に実家を相続するとこんなに大変!
でも、なかなか手をつけるのも辛いのが実家です。実は私もいまだに母の住んでいた実家に手をつけることができていません。でも、それって少し自分勝手なのかもしれません。 だって放置された空家の実家は大きなご近所迷惑なことも少なくないのです。
放置された空家が社会問題化されています。
参考;こんなことも知らずに【実家を相続】したら失敗・後悔する8選
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「相続した実家をどうするか?」を私とご一緒に考えてみませんか?
なにもしなければどんどん状況は悪くなるばかりです。誰かが行動を起こさないとなにも変わりません。私たちはそんなあなたのお手伝いをするためにさまざまサービスをご用意しています。