相続・介護の相談窓口として困り果てた子供さんから 「親の老後・介護・老人ホーム・相続」の相談を受けている私ですがご相談の段階では『もう対策は無いか?ほとんど限られている』ケースも少なくありません。 ほとんどのケースは時すでに遅し?のことが多いのです。 もう少し早めに決断していたら ・親ももっと楽しい老後の生活がおくれたのに ・子供は親の介護の負担が軽くなったのに ・相続ももめなかったのに と思います。 そのキーポイントが親が早めに 実家を売却して引越しをしていただくこと なんです。 しかし、それには子供が高齢の親を説得しなければいけません。 これって本当に大変です。 でも、避けては通れない道なのでそのメリットも知っておいてくださいね。
高齢の親の老後の住む場所は?あなたの不安は必ずいつか的中します
田舎で暮らす高齢の老親からの度重なる呼び出し電話 「家の中で転んで怪我をした」 「病院の先生から精密検査を勧められた」 などなど子供のあなたが心配になることかりです。
「そろそろ今の実家暮らしも限界なのかしら・・・?」 そんな親の老後の住まいに関する不安がモヤモヤとあなたの心の中に宿るかもしれません。 悲しい現実をお伝えするんもは少し心が引けますが、おそらくいずれあなたの不安は的中することでしょう。
確かに「今のまま、ずっと実家で暮らし続ける!続けさせてあげたい」というのが理想ではありますが、現実にはかなり難しい相談です。 そんなあなたに選択肢は二つしかありません。 ・今の実家で暮らしていて万一のことがあっても仕方ない!(それもひとつの決断です)( ・親と老後のことについて真剣に話し合う!(かなり大変なことは覚悟しておいてください)
親の反対は避けられないが、それでも「実家の売却」と「引越し」は説得すべきだ
『 親父、独り暮らしは大変だろ? そろそろこっちに引っ越してこないか?』 『お母さん、最近 買い物とか病院とか大変になってきたんじゃない? もっと便利なところに引っ越したら?』
『余計な心配などせんでええ!わしは、おまえたちの世話にはならん!』 『なに言ってるんだい!あたしゃ、長年住んでるこの家の畳の上で死にたいんだよ!』
高齢のお父さんやお母さんの気持ちは痛いほどわかります。 「この歳になって、引越しだなんてとんでもない!」 と考えるのも無理はありません。
田舎で暮らす高齢の親の老後の住む場所の条件とは?
確かに高齢の親が引っ越しをして住環境が変わることには消極的になるのも仕方ありません。 どうしても環境の変化に慣れるのも大変なことです。 しかし、こちらの成功例を観ていただけませんか?
やっぱりできるだけ最期まで、「親が自分らしく生きていく」ことを実現するにはいつか大きな決断も必要になります。
確かに今の実家で住み続けて「いずれ最期は老人ホーム」という選択もあるが・・・
老人ホームの紹介もしている私の考えは「終の棲家として老人ホームが一番良い」とはとても断言はできないのです。 今の老人ホームは正直あまり居心地の良い場所とは言えないのも現実 ・低価格帯老人ホーム(月十数万円程度)では手厚い介護は期待できない ・良くも悪くも規則正しすぎる共同生活(好きな時に起きて、好きなものを食べることもできません) ・どこの老人ホームも特養化してきている(入居者はみんな要介護度の高い認知症の方ばかり) そんな状況を考えれば「できるだけギリギリ最期まで自宅で自由気ままに暮らし続けさせてあげたい!」と思うのです。
実家まで車で30分以上かかる?それはもう遠距離介護です
今はまだ実家に親の世話をするための頻度もすくないかもしれません。 でも、いずれそれは月に何度も?週に何度も?下手をしたらほぼ毎日? 親の介護の面倒をみるために行かなくてはならなくなる可能性もあります。 残念ながら実家まで車で30分以上かかるならもうそれは立派な遠距離介護と言えます。
高齢の親が元気でいるうちに 実家を売却して引越しをさせるとこんなに得をする
実家を売却して引越しをさせることが簡単なことではないことは私も十分理解しています。 それがどれだけ大変なことか?は容易に相続がつくと思います。 おそらく何度も何度も親子喧嘩をすることになるでしょう。 親はあなたの顔を見るとあからさまに不機嫌になるでしょう。もしかしたら他の兄弟姉妹たちにあなたの提案をやめさせるように間接的に促すかもしれません。 それでもやっぱり親が元気なうちに実家を売却して引越しをさせることを強く勧めるには理由があります。
それは 親の介護でお金で解決できることも多いからです。 しかも 家は持ち家だがお金(老後資金)はないことも多いからです。 正直、親に元気に預金があれば、子供は相当介護で楽が出来ますし良い老人ホームにも入れてあげることができます。 ※正直、今の低価格帯老人ホームは介護の質がひどいです。 親に元気に預金があればこそ、介護して入り間に親からの援助も期待できます。 ※後で特別受益だと他の兄弟から言われないようにする対策も必要ですが報われない介護ほど辛いものはありません。 参考:「親の介護もしないのに偉そうに善人ぶるな!」と非難される兄弟 親の介護がきれいごとだけではできない現実はあなたもご存じのはずだと思います。
まずは実家がいくらで売れるか?を調べることから
親が暮らしている実家をどうすんべきか? まずはとにかくいくらで売れるのか?調べてみる 話はそれからです。
意外と実家が「売れない!」 というケースも少なくないからです。 「えぇぇ!そんな低い金額でしか実家が売れないのぉ!」 では最初から親の老後を考えるのはやり直しになります。
まずは実家の売れる値段を調べてみましょう。 面倒な実家の査定は一括で調べるのが便利です。
親が元気なうちに実家を売却すれば【居住用財産の特例3000万円控除】が使え 支払う税金が減り手持ち現金が増える
実家が平成になって購入した家なら値上がり益など見込めませんから、それほど大きな問題にはなりません。 しかし実家が何十年も前に買った土地建物だったり親もまた自分の親から相続したような土地建物ならこのことも考えておかないといけません。 何十年も前に買った不動産なら購入時の契約書を紛失していることもあります。 先祖伝来の相続した不動産の取得原価はほぼゼロに近いこともあります。 すると売買金額にまるっぽ税金がかかってくるんです。 取得金額が不明の場合(購入時の契約書などで証明できなければいけません)は売買金額の5%が取得原価とみなされます。 ですので残り95%(売却経費除く)にドカンと税金がかかってくるんですね。
同じ金額で売却しても、これだけ違う手残り金額の例
・仮に実家を売却した金額は5000万円 ・50年前に親が購入したが購入金額は不明(契約書も紛失で親も覚えていない) ・仲介手数料など売却に関するもろもろの費用は200万円 で考えてみましょう。
- 親が居住しているうちに実家を売却手残り現金4780万円
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・譲渡所得 5000万円-250万円(取得原価を5%とした)-200万円(売却費用) =4550万円 ・かかってくる税金 【4550万円ー3000万円(居住用財産の3000万円控除)】×14.21% = 支払う税金 220万円
- 親が亡くなり誰も住んでいない状態の実家の売却手残り現金4176万円
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・譲渡所得 5000万円-250万円(取得原価を5%とした)-200万円(売却費用) =4550万円 ・かかってくる税金 【4550万円ー ゼロ (居住用財産の3000万円控除が使えない)】 ×20.315%(非居住用の税率) =支払う税金 824万円
いかがですか? こんなケースでは、相続前に売るのと相続後に売るのでは、同じ金額で売却できても税引き後の手取り金額が600万円も変わります。
もちろん、子供の誰か一人が相続してその実家に居住すれば将来の売却時に居有用財産の特例3000万円控除は使えます。でもほとんどの場合は子供はもう誰もその実家には住まない!のが現実ではないでしょうか?
確かに「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」も新設されましたが ・建物が昭和56年3月31日以前に建築されたものであること。 ・建物を解体して売却(数百万円の解体費用をどうする?)or耐震リフォームして売却(そんなオンボロの家を耐震補強しても?) ・亡くなる前に老人ホームに入居していたならその契約書や外出記録などさまざまな煩わしい確認資料がいる などかなり厳しい条件と面倒な手続きが待っています。
自分の子供にだけではなく自分の持家にも親バカな親も多い?
「自分の子供にだけではなく自分の持家にも親バカな親も多い?」なんてことを言うと叱られるかもしれませんが多くのご相談を受けてきた私の本音です。親が暮らしている家って意外と子供には「暮らし難い」というか「絶対住みたくない家」なんです。 親が大変な苦労をして買った家ですから思い入れもひとしおでしょう。 先祖から大切に受け継いできた実家の場合もあるでしょう。 ただ住めば都とはいいますが ・もう時代遅れの建物(今風のライフスタイルにはとても合いません) ・駅から遠く不便な立地 ・子供たち自身はもう既にマイホームを持っている。 そんな状況では実は子供は誰もそんな実家を相続したいとは考えていない」というケースも多いんですね。
「この家くらい子供たちに残してやろう!」と考える親も多いのですが・・・
「この家くらい子供たちに残してやろう!」と親は考えているかもしれませんがそれがかえって子供たちには大きな迷惑をかけることもきちんと伝えてください。確かに親の気持ちは嬉しいのですが後々大変なご苦労をされると思います。今はそんな親から相続した実家が放置されて社会問題化しているのです。 参考:実は相続したくない?墓や仏壇・不動産(土地・農地・親の家)借金
高齢の親が元気でいるうちに実家を売却して引越しをさせるために『残された時間』はあまりに少ないから70歳くらいまでの決断が理想
実家を売却して引越しをさせることを親に納得してもらうためには大変な「時間」と「労力」が必要です。ですから私も微力ながらこんなお手伝いもしています。
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タイミングを逃すと起こる「呼び寄せ症候群」をご存知ですか?
田舎に暮らす高齢の親が心配で、子供が親を自分たちの近所に呼び寄せたり同居を始めたりしたことが原因で起こる「親の認知症の進行」や「親が急に老け込んで身体が弱てしまった」ということを呼び寄せ症候群といわれています。特に田舎で暮らして親が急に都心部に引っ越してきて来た場合はその環境の激変のせいかもしれません。 だからこそ、親がまだ「気力」も「体力」あるうちに実家を売却して引越しをお勧めしているのです。 新しい環境の変化を受け入れるには親の「体力」「気力」のことも考えて上げなければいけません。 切羽詰った状態に陥ってからの「親の呼び寄せ」は気をつけなければいけないのです。 私もご相談を受けて「お母さんのことを考えればここで暮らさせてあげたほうが良いかもしれませんね。」と諦めを促すこともあります。「親のエゴ」で子供を不幸にしてはいけないように「子供のエゴ」で親を不幸にしてはいけない!と私は考えています。そんな場合は他の対策も考えないといけません。
親が認知症になると実家は売れない
認知症になると家は売れません。認知症の方は不動産の売買など重要な法律行為はできないんです。※厳密には売るのがすごく難しくなります。ちょっと相続などに詳しい方なら「成年後見人制度があるじゃないか!?」と思われるかもしれません。でも成年後見人を立てるには家庭裁判所に申し立てて時間も手間もかかります。 また、一度後見人制度を利用するともう後戻りできません。 毎月数万円を成年後見人への報酬として支払わなければいけません。 もちろん一度成年後見人を立てたなら原則取り下げることはできません。 (認知症が完治すれば可能ですけど?) また実家を売りたくて立てた成年後見人なのですが意外と「自宅の売却」を認めてもらうにはかなり高いハードルを覚悟しておいて下さい。「もう自宅で生活はできない?」「老人ホームから自宅に帰ってくることはない?」今の現状から考えれば至極当然と思われることでもそれを家庭裁判所に説明して認めてもらうことってそうそう簡単ではないのです。特に多少の現預金でもあればに自宅の売却はなかなか認めてはくれませんよ。
「えっ?権利証も親の実印もあっても実家は売れないんですか?」
「えっ?権利証も親の実印もあるのに売れないんですか?」とお怒りになる方も多いので私も困っています。 「権利証と実印」だけで不動産取引ってできません。契約書や名義書き換え必要書類に親本人がキチンと自署と捺印しなければいけないのです。もちろんたとえ子供であっても代筆は不可です。そもそも書くところを司法書士が立ち会って確認しますし「売却の意思」も確認します。 もし他の子供や親戚が「もう認知症だったのだから契約は無効だ!」だなんて言われたら買主も困ります。私や司法書士も業務免許が飛ぶ可能性もあります。
ですから、いざとなったら実家を売ればなんとかなる?は通用しないのです。
田舎の実家を売却して子供の近くの老人ホームに入ってもらう
私は老人ホームの紹介もしていますからたくさんの老人ホームを観てきました。 正直に現実を申し上げると 「高い老人ホームが必ずしも良いとは断言できないが、少なくとも安い老人ホームよりは格段に良い!」 ということなんです。 みなさん「親の年金の範囲内で入れる老人ホームを探してください!」とよくいわれるのですが正直自信をもってお勧めできる老人ホームはあまりないのが現実です。安い老人ホームはやはりそれなりの老人ホームなのです。
「もう5万円ほど予算を上げていただけませんか?」 可能ならば私はそうお願いすることが多いです。 なぜなら高級老人ホームとまではいかなくても、ちょっとだけ予算を上げるだけで老人ホームの質はかなり違います。 特に格安老人ホーム(月額15万円以下)は老人ホームの経営上 要介護度の高い方ばかりを優先的に引き受けています。 要介護度の高い方ほど介護報酬も高く老人ホーム側には美味しいお客さんなのです。 またそんな格安老人ホームで働く介護スタッフの方に手厚く優しい思いやりの介護を望んでもそれは無理な相談かもしれません 比較的元気な方のためのサービス付き高齢者住宅・住宅型老人ホームであってもまるでそこは快適な空間ではないのです。 まわりは認知症の方やもうお迎えの近い方ばかり・・?これではまだ要介護度の低い(要介護1~2程度)の方には居心地の悪い場所です。 他に行く場所のない方の入る格安老人ホームは「介護してやっている」 お客様目線のある中級以上の老人ホームでは「介護させていただいている」 この違いはめちゃくちゃ大きいのです。
でも、その5万円の負担が子供には大きな負担となります。 兄弟姉妹間でその負担でもめることもあります。 ですから年間60万円(毎月5万円)10年で600万円を田舎の親の実家を売却してでも確保しておくべきではないかと思うのです。
こんな悲劇も起こりうるのです。
夫婦2人の老後資金、必要額の一つの目安は2,500万円 現金を持っている親しか充実した老後、献身的な介護・円満な相続はできない
「夫婦2人の老後資金、必要額の一つの目安は2,500万円」と言われています。 (引用:社団法人全国銀行協会) 確かに財産としてこの金額はあってもそれが不動産であってはしょせん「絵に描いた餅」でしかありません。 親の財産のほとんどが実家の土地建物の不動産だけ?という親御さんがどれだけ多いことか・・・ 本当にそう思います。 で、年金だけの収入で質素・倹約して細々と苦しい生活をされています。 食べたいものも食べず・・・ 行きたい所へも行かず・・・ そんな親御さんをみていてつい「このお家を売ってお金に換えませんか?」というご提案をしてしまうんです。
自宅を担保に入れて老後資金を借金するリバースモーゲージという方法もあるが?
一時は話題になったのがこの「リバースモーゲージ」という方法ですが残念ながら私は一度も遭遇したことがありません。自宅を担保に入れて借金で老後資金を捻出できる!?という方法です。 でも、これって難しいんじゃないかなぁ?と思っています。 もともとは欧米で活用されてきた手法ですが正直日本では合わない気がしています。 値下がりリスクを多めに入れた半値八掛けの担保評価 しかも金利は安くは無い? こんなことまでするならさっさと実家を売却したほうが得策のような気がします。 (1)エリアや物件に大きな制限がある(よほどの豪邸か?超一等地か人気エリア?マンションは不可) (2)担保評価に対する融資限度額が50%程度と低め(意味あるのかなぁ?) (3)金利上昇や不動産価格下落のリスクがある(今のゼロ金利政策状態で金利3%程度だけど?) (4)将来の相続人の了承も必要 (5)死亡時に自宅を売却して一括返済だがその残高以上で売れるか心配?
親の楽しい老後ライフは親自身のお金で
私の年代である50歳から60歳は意外とお金に余裕はありません。 一番お金が必要な年代ですから親の介護にまわせるお金も正直限界があり苦しいものです。 そんな事情からつい親の老後生活も切り詰めてしまいます。 そんなわびしい老後生活を親におくらせるくらいなら思い切って実家の売却を勧めて「老後資金」を確保するのも良い選択ではないですか? いろいろなところに長年苦労をかけてきた糟糠の妻と一緒に旅行に行く! 子供に迷惑をかけないよう有料老人ホームに夫婦で入る! 人生の残り時間を、やり残したことや趣味を極めるなど最後まで自分らしくいきいきと暮らす! それには少々余裕のあるお金が必要です。
私自身も親からいつも小言をいわれていました。 「あたしゃ、早くお迎えが来て欲しいよ。どいつもこいつも親のことなんか少しも心配しないんだから」 ガミガミガミ・・・ブツブツブツ・・・ガミガミガミ・・・ブツブツブツ・・・ こんな小言を何度も何度もことあるごとに顔を合わせれば言われていつも超ブルーな気分になったものです。 ですから私は、たとえ子供にとって多少相続財産が減っても 「親が生き生きと老後生活をエンジョイしているほうがよっぽど嬉しい」 と思うのですがあなたはどう思われますか? といってもその反対の子供さんもいました。 「1円でも相続財産は減らしたくないから親の家は売らせない!だから不便でも介護が雑でもかまわないから1円でも安い老人ホームを探してくれ!」という長男からのご相談もありましたが正直少し悲しい気持ちになりました。。
確かにあるアンケートでは『親の遺産をあてにする子供は4人に1人!自分達夫婦で使いきってしまおうという親は半分以上』というデータもありました。 このギャップが「親が認知症になってしまった後の介護のトラブル」の原因かもしれません。 「美田は残さず」という昔の諺が良いといわれているのもよくわかります。 ⇒親の遺産をアテにする子供は4人に1人、自分達で使い切ると考える親は半分以上
献身的な介護の見返りは?
子供にとって、親の介護をすることは当たり前なんですがそこはやはりきれいごとだけではすみません。親の介護をするのに目に見えないお金って意外とかかるんです。 交通費やオムツなどの介護費用、ちょっとした差し入れ 長年積もり積もればかなりの金額にもなります。 献身的な介護で尽くせば尽くすほどその負担は大きいものになります。 また他の兄弟姉妹が親の介護をみてあげることが出来ない状況であれば社会的問題である介護離職も決断しなければいけない事態にもなりかねません。
子供に親孝行して欲しいなら親から子供への子孝行も必要?
子供が親にしてあげるのが『親孝行』ならば親が子供にしてあげられることは『子孝行』といえるかしれません。これって、親に現金が無いとできません。 親の介護などをする年代の子供って50歳代くらいからですよね?この年代って、一番お金が欲しい時期なんです。子供の教育資金や結婚資金、住宅ローンあるいは子供自身も介護に専念するために会社や妻のパート勤めを辞めさせたりして収入源に陥ることもあります。 子供にとっては きちんと自分に相続できるかわからない将来の何千万円よりも今の数百万円のほうがありがたい!? というのもまた本音ではないでしょうか?
また、献身的な介護には時間的・精神的、そして 経済的負担 はとても大きいものです。献身的な介護なんてとても片手間でできるものではないんですね。そんなかいがいしく介護してくれる子供に 親が経済的援助をしてあげるのも『親にお金があってこそ!』ではないでしょうか?
現金だからこそ円満な相続が出来る
遺産に不動産があるとよく相続トラブルになります。 価値のわかりにくい不動産である実家 だれが相続することになって不信・不満も生じがちです。 その点、現金であれば1円単位で遺産分割することもできます。 ⇒どうして親の持家(実家)等の土地建物の不動産相続がもめやすいのか?
生前贈与・相続時精算課税制度・生命保険の活用など 簡単でリスクの少ない相続対策は現金が無いとできない
もしも相続対策をお考えならば ・生前贈与 ・相続時精算課税制度 ・生命保険の活用 はご存知だと思います。 でも、それって現金が無いとできない相続対策なんですね。親の持っている相続予定財産はわずかな現預金と意外と広めで大きな実家の不動産だけ?という場合はどうします? もちろん、何千万円・何億円の相続税がかかるような莫大な遺産相続が予想されるのであれば不動産で相続するほうが有利ですが、そんな方は現金もたっぷりお持ちですしこんなことでお悩みにはなりませんよね。
田舎の親の老後と介護を考えたら実家を売却して引越しや呼び寄せができたら子供はこんなに楽になる
親に引越しをさせるということは介護する予定の子供の近所に引っ越してくるということです。これが、将来親に介護が必要になった時にどれほど助かる重要なポイントか?はおのずとわかると思います。老後の実家の引っ越しはとても大変ですが、それ以上のメリットも大きいのです。/p>
いつでも気軽に親に会いに行けるという安心
今はまだまだそんな介護といえるほどの面倒がかからない状態でも ・買い物 ・病院への通院の付き添い ・銀行 その他いろいろちょっとしたことでも子供に頼みたくなるのが高齢の親です。 そんな時に、ちょっとした距離に住んでいれば、 「OK!任せといて!」 と引き受けられます。 でも、これが車で何十分もかかるような距離に離れて住んでいれば・・・・? 「もぉー!それくらい自分でできるでしょ!」(怒) なんてストレスも出てきます。
遠く離れて住んでいれば、 「お母さん、大丈夫かしら・・・?」 なんて心配もしなくちゃいけないのですが、近くに住んでいればたとえ頻繁に会うことなどなくても いつでも気軽に会いに行ける安心感 これは大変意味のあることではないでしょうか?
『孤独死』って『孤立死』じゃないですかね?
今は高齢者の孤独死も大きな社会問題化していますよね。「これって孤独死というより孤立死って表現するほうがいいんじゃないかな?」なんて私は考えています。 気軽に用事を頼めないことで、徐々に社会との交わりも無くなってどんどん孤立していくご老人も多いように感じます。 私は不動産屋ですから、賃貸アパートでの老人の孤独死に直面することもあってそう思います。 確かに介護ヘルパーさんに頼むってのもありですが、些細なことまで頼めませんし介護の仕事って細かくマニュアル化されていてそれ以外のことを頼むって難しいんです。 やっぱり「介護ヘルパーさんに気を使ってなにか頼みごとをする」より、 「自分の子供に気軽に頼みたい」というのが親の気持ちですよね。
家族とのコミュニケーションが認知症の発症や進行を防ぐ
残念ながら未だ認知症の特効薬は開発されてはいません。 でも認知症って進行を遅らせることは可能なことをご存知ですか? 認知症の進行を遅らせるお薬も開発されているそうですが、それと同じくらい家族とのコミュニケーションで脳を活性化させることも大切だと私は思います。 毎日 喧嘩ばかりしていても、そこはやはり実の親子 それもりっぱなコミュニケーションですからね。 「今日はおばあちゃんのおごりで子供と孫とファミリーレストランで外食よ!」 なんてイベントが頻繁にあったのならこれも大きな親孝行ですよ。
あらっ、江本さん 家の売却の時はお世話になりましたね そうそうちょっと聞いてくださる? 本当にもうあの子たちったら親をアテにしてばっかりで困ったもんですよ! (以下長くなるので愚痴を中略) あら?もうこんな時間、 孫の幼稚園のバスが来ますんでこれで失礼、またお寄りになってね。
あれほど実家の売却話に仏頂面(ぶっちょうづら)で反対していたお母さん 不動産取引の最終書類をお渡しに訪問して 嬉しそうに愚痴る?親御さんに逢うと思わず、 「いろいろあったけど引っ越してもらってよかったなぁ」 と実感します。 だって一度も笑顔なんて見たことなかったから・・
遺品整理の予行演習
遺品なんていうと縁起が悪いとお叱りを受けるかもしれませんが、親が亡くなった後の遺品整理って残された子供にとって大変な作業なんです。親自身が行うのが「自分の整理」、遺された遺族が行うのが「遺品の整理」 これは本当に大きな大きな違いです! 遺された子供たちが、ひとつひとつ親との想い出の品物を整理や処分するのって辛い作業なんです。 だから遅々として遺品整理が進まないものなんです。 ですから引越しを機に、親に強制的に断捨舎をしていただくのはどれだけ理想的なことかは体験してみないとなかなか理解できないことかもしれません。
【まるでタイムカプセル?笑いと驚きがたくさんの実家片付け遺品整理の現場】
よかったらこちらの記事もご参考にしてみてください。 ⇒なめてはいけない!こんなに大変なんです親の家の片づけって ⇒親の家(実家)を片付ける|遺品整理をするコツは?!
引っ越し先はバリアフリーの築浅分譲マンションで介護も楽ちん
実は不動産屋である私なんですが、若い頃は一戸建派だったんです。「トラは死んでも皮残す!と言います。一戸建ては古くなっても土地が残ります。マイホームを買うならやっぱり分譲マンションより一戸建てでしょ!」なんてお客様に説明していたのです。 しかし自分も親の介護・看取りを経験し現在分譲マンションで暮らしてみると「やっぱり分譲マンションのほうが高齢者にはエエなぁ!」なんて考えを改めたんですね。
最近の分譲マンションはバリアフリーがよく考えてある
段差の無いフラットな床は、お年寄りが怪我をするリスクも低く抑えられます。室内はもちろん、マンション入り口のエントランスまで車椅子でもスーーイスイ!これは介護する側にとってもありがたいです。 トイレもお風呂もバリアフリー的発想で設計されています。トイレに行くのもお年寄りにとっては重労働で介助が必要になりがちです。子供にしても「トイレ?自分だけで行けるかな?」なんて24時間常に気を配らなくても、本人が気軽にトイレにも行きやすいしお風呂もバリアフリーで入りやすいです
駅前好立地で交通至便な所なら買い物・病院も楽ちん
やっぱり分譲マンションは駅前(駅近)の便利なところにある物件が多いです。 分譲マンションで不便なところにあっては売れませんからね。 それなら買い物やお出かけも助かります。 できることなら親もギリギリまでアクティブにどこへでも出かけていって気分転換して欲しいですからね。
一番多いパターンは不便な戸建てから便利な中古マンションに住み替えをする
ご相談の多いケースが【古い戸建ての実家】を売却し、その手残り現金で1500万円~2000万円程度の中古マンションに住み替えるパターンが多いです。多少の資金不足は子供が親の住むマンション購入に利用できる公的住宅ローンもあります。(親の年金収入も合算して借り入れできます)将来の老人ホーム費用を考えたら現預金は残しておきたいものですからね。
親の呼び寄せのための住まいは「賃貸」では難しい
「購入ではなく賃貸ではダメなの?」というご相談も多いのですが、高齢者でも借りれる賃貸部件も少なく入居審査もなかなか通りにくいのも現実です。やはり大家さんも孤独死リスクを考えれば高齢者の入居にためらってもしかたありません。またバリアフリーの賃貸物件も少なく改造も賃貸ではできません。ちょっと介護用手すりをつける?のも大家さんの承諾が必要です。その点購入したマンションなら自由に改造できるのも長所です。 特にお風呂やトイレには手すりを付けてあげたいものです。
田舎の親が70歳を超えたら実家を売却して引越しを勧めるにはどうしたらいいか? 私とご一緒に考えてみませんか? 親の反対や説得が難しいことは私も百も承知です。でも、チャレンジしてみる価値はあると思います。 あわせて老人ホームのことも考え出しておくのもお勧めです。 まずは気軽に資料だけでも集めてみましょう。 そんな時に便利なのが老人ホーム紹介センターです、 おすすめお老人ホーム紹介センターは「シニアの安心相談室」です。 きっとなにか良いアドバイスも貰えるかもしれません。
まとめ|高齢の親の引っ越しを考えているならまず実家の価値を調べることから始めてみては?
私は「親の介護にかかるお金は親のお金で」ということをおすすめしています。 それは相続の時に今までかかった親の介護のお金の清算ができないことも多いからです・ また、老人ホーム探しでもまず先経つものは「お金」です。 年金の範囲内だけで入居できる老人ホームで手厚い介護を望むのはちょっと期待してはいけないという厳しい厳密もあります。 手厚い介護をしてもらいたいならある程度の入居費用は確保しておいてください。 さらに親の介護では目に見えないお金もたくさんでていきます。 だからこそ親には現預金を持っておいてもらわないといけません。
「家はあるけどお金はない」という親がほとんどだから
親の財産 つまり親がいくら持っているか? ご存知ですか? 多くの親御さんは 「家はあるけどお金はない」 という方ばかりです。 そうすると、たちまち介護のお金で困ることになることは覚悟しておいてください。
まずは実家の売却価格を調べれば親の引越しもより現実的になる
とりあえず実家の値段を調べておけば ・介護の見返りが期待できる ・より手厚い介護が受けられる老人ホームに入れる ・同居ではなく近居もやりやすくなる ということができます・
だからこそ、まずは実家の売却値段を調べておいて損はありません。
もう在宅介護も家族が限界だから
「親の家を売ってそのお金で老人ホームに 入ってもらおう!」と考えていたのに?
親の認知症がますますひどくなり『もうこれ以上家族だけではとても介護できないし限界』 家族で話し合った結果『この実家を売って老人ホームに入ってもらおう!』と決断しました。 そのお金で有料老人ホームへの入所一時金とその費用に充てようと考えていました。 しかし、認知症でこの実家を売りたいのに売れないなんて! 私たち子供には老人ホーム費用を負担する余裕もありません。 いったいどうすればいいんですか? このままでは、親に早く死んでもらうと考えてしまうかもしれません。 もう家族みんなが精神的にボロボロな状態まで追い込まれています。