相談者 男性(55歳)
わけあって、すでに実家とは断絶状態が何十年も続いています。
しかし、父親も高齢であり相続の発生も現実的になってきました。
そんなことから相続のことで不安があるみたいです。
「こんな状況で相続が起こったらどうなりますか?」
「むこうから連絡が無ければ、こちらから家庭裁判所に言えばいいのですか?」

とのご相談でした。
※メールでのご相談だったので、詳しい事情は聞けませんでした。

親子の断絶

今までギクシャクしてきた親子・兄弟関係で相続が起こったら縁切り?

『もうあんな親とは縁を切った!』
『あいつなんか子供じゃない!勘当だ!』
そんな親子関係もこの世にはたくさんあるのも現実です。
しかし、今の日本の法律では親子の縁を切る勘当という制度はありません。
つまり、いくら断絶状態であってもいつまでも親は親、子供は子供なんですね。
たとえ交流が一切なくても、法律的にはそうなってしまいます。
それがたとえろくでもない親ろくでもない子供であってもです。

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故人(親)が公正証書遺言を残していれば連絡はない可能性もある

公正証書遺言はいわば水戸黄門の印籠級の効果があります。
この公正証書遺言があれば、これだけで相続の手続きは可能になります。
ですので、断絶状態にある子供に
「ここに実印を押して、印鑑証明をつけて送ってくれ!」
なんていう連絡もないかもしれません。

ただし、親が亡くなったことを知った銀行などの金融機関は親名義の預金口座を凍結します。その口座の凍結を解除するには公正証書遺言だけでOKのところと相続人全員の署名・実印押印の書類を要求してくる金融機関もあります。

故人の手書きの自筆遺言証書なら家庭裁判所から呼び出しがある

自筆証書遺言は家庭裁判所の検認という手続きが必要になります。いわば「こんな遺言書があります!」という確認ですし、ここでは法的要件に満たされている有効な遺言かどうか?の確認です。

遺言書がなければ原則 法定相続割合での相続となる

もちろん相続人全員が合意了承すればどんな割合で相続しようが自由ですが、それは少し非現実的ですよね。

なにがしかの遺産があれば、相続人全員の了承合意が必要です。
例を挙げれば親名義の土地建物などの不動産や自動車など名義を変える手続きには相続人全員の実印と署名をある遺産分割協議書が必要となってきます。
そこには具体的で詳細な財産目録が記載されます。
不動産の名義変更にはその物件だけが記載されいる遺産分割協議書でも名義変更は可能です。
ただ、これは名義変更という手続きをする時に必要な書類です。
そのまま名義を変えずに親の持家(実家)に住み続けるのであれば連絡は来ない可能性もあります。
親名義の土地建物の不動産を売却したり担保に入れたりするなにか手続きが必要な時には必ず連絡があると思います。

もちろん、現金や預金 不動産などの資産だけでなく借金などマイナスの遺産も法定相続割合で負担となります。

現金や形見などはわからないですね・・・

現実的に、現金などは把握ができません。
誰かが猫ババしてもわかりません。
まあ、あまり多額の現金を家の中に保管しておくという方も少ないですからあまり心配しなくてもよいと思うのですが、まれに「相続人の誰かが親の銀行口座からコツコツと引き出している」というケースもあります。
これを調べるにはどの銀行?どの支店?まで把握しておかないといけません。
それがわかっていれば、その取引銀行支店に行って取引明細を相続人であれば請求することもできるのです。
そこから親が亡くなるまでの現金の流れを把握することもできます。

家庭裁判所に遺産分割の調停の申し立てをする

各相続人には、遺産分割の申立てを家庭裁判所に申し立てることのできる権利がありますから、それをするのもいいかもしれません。

もはや一切関わりたくない!縁を切りたい!なら
さっさと家庭裁判所に相続放棄の申し立てをするのもよし?

お話をお聞きすると、
「もう自分の兄弟姉妹とも今後も一切関係を断ち縁を切りたい!」
ということでしたので、よほどのご事情があったのでしょうね。

もう今後は関係を持ちたくないのならば、さっさと相続放棄するのもよいかもしれません。

相続放棄の手続きは、かなり限定承認に比べてかなり簡単でして、各相続人単独でも申し立てることは可能です。

相続放棄申述書01


相続放棄申述書02