行方不明「蒸発」という言葉はもう死語かもしれませんが・・・

親子断絶、兄弟間の断絶
色々な事情により行く先を告げないまま、姿をくらます家族が意外と多い事実をご存知ですか?

昔なら、事業に失敗した夜逃げというものも多かったですが、最近では不倫なんかの色恋沙汰のこともあります。
家族を捨てて、愛の逃避行というケースも何度かありました。





そんな時に、相続が発生したらどうなるのでしょうか?

9cd4a15a4c9c23f36e574091c6112473_s


相続の手続きは法定相続人全員でないと行えない

何度もこのホームページやブログでお話していることなんですが
「相続の手続きは相続人全員で行わなければいけない!」
ということなんです。

例えば僕の仕事で言えば、
親の実家を売りたくても、相続人の誰かが行方不明なら売るに売れなくなるんです。
※実際に経験しましたが、大変でした。



相続人の誰かが行方不明なら相続はちゅうぶらりんになる

相続人全員のハンコや署名が無ければ、相続手続きは行き詰まります。
ですので、ご家族に誰か行方不明の方がいる場合は早めに対策を打ちましょう。
でないと、後で大変な目にあうかもしれません。
例をあげると


親の死亡が銀行が知って預金を凍結されてしまった。

お葬式の費用はもちろん、残された家族の生活資金にも困ってしまうことがあります。


親の実家の名義も変えれないし、もちろん売るにも売れない

遺産分割協議書が揃わない以上、親の実家など不動産の名義は変えれません。
ですから売却もできないのです。



失踪宣告の申し立てをしましょう

もし家族の誰かに行方不明の人がいる場合の相続手続き行う場合には、「失踪宣告」という制度を利用することで、財産の処分といった相続手続きを進めていくことができます。

失踪宣告
行方不明になっている人の配偶者や推定相続人、財産管理人などの請求によって、法的に行方不明となっている人が「死亡した」とみなすものです。

失踪宣告の申し立ては、行方不明になっている人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申し立てをします。
ただ、失踪宣告の申し立てを行ってもすぐに認められるというわけでないことにご注意ください。
不在者の生死が不明になってから7年間が満了したとき(危難失踪の場合は,危難が去ったとき)に死亡したものとみなされすのです。
その時になって始めて不在者(失踪者)についての相続が開始されます。



失踪宣告は7年以上という長い期間が必要である。

失踪宣告の手続きは、生死不明の状態が7年以上(普通失踪の場合)続いた場合に、配偶者や推定相続人、財産管理人などが家庭裁判所に申し立てを行うことから始まります。
※特別失踪は1年以上で申し立てできますが、これは戦争や災害など特殊な事情です。

行方不明になった人の住所地を管轄する家庭裁判所は申し立ての後、家庭裁判所の掲示板や官報での公告を行います。公告は普通失踪の場合で6ヶ月以上とされています。その後も生死不明の状態が続いていれば、失踪宣告が確定されることになります。失踪宣告が確定されると、相続手続きを開始することができます。



もし後で行方がわかった場合はどうなるの?

長年行方不明だった家族がひょっこり帰ってきた。
長年音信普通だった家族が突然連絡をよこしてきた。
そんな場合には、家庭裁判所に対して失踪宣告の取り消しを申し立てることによって、失踪宣告を取り消すことができます。
法的に「死亡した」とされると、身分関係は消滅してしまうことになりますが、失踪宣告を取り消すことによって、身分関係も復活することになります。

相続手続きをした後に、失踪宣告を受けた人が帰ってきた場合、相続した財産は原則として返還する必要が出てきます。

しかし、既に亡くなってしまったと信じていて、財産を使ってしまったような場合には、返還する必要はありません。(善意無過失)

きちんと手続きをふまないといけないことを頭に入れておいてくださいね