実家の相続が心配なら親の土地など不動産の名義くらい調べておこう
現在では登記簿謄本から登記事項証明書と名称は変わっていますが、ここでは登記簿謄本のほうがわかりやすいので登記簿謄本と呼びます。
親の土地の名義や抵当権など調べたこともない子供たち
「あのぉ・・・うちの実家は相続税がかかりますか?」
「うちの実家の相場はいくらですか?」
そんなご質問も多いのですが、
「何坪ありますか?」
「築年数は?」
とお聞きすると
「さあ・・・?詳しくは知りません?」
という方も多いんですね。(汗)
いざ調べてみたら親の名義だと思っていたら違う名義だった!
よくあるのが、思っていた名義と異なることが多いのです。
例えば、親の名義と思っていたら数十年前に亡くなっている祖父名義だった。
ということもよくあります。
そんな場合は遡って相続登記をしなければいけません。
お父様がご存命で元気なうちなら
「爺さんからわしの名義に変える相続登記の書類を送るからそこに実印を押して印鑑証明もつけてくれ!」
と電話1本で済むこともありますが、
もしお父様が亡くなっていたらそうはいきません。
また、当時の相続関係人(例:叔父さんや叔母さん)が亡くなっていたら
あなたの従兄弟から
「そんな話は聞いていない!こっちにも遺産相続権があるんじゃないの?」
とかすんなりハンコを押してくれなかったり、またハンコ代を請求されることもありますのでご注意くださいね。
ですので、予め実家など親の所有の不動産の登記簿くらいは調べておきましょうね。
実家など親所有の土地建物の不動産登記簿の調べ方
親の土地の名義や抵当権、面積
建物なら築年月日、構造、床面積
これらは登記簿を観れば簡単にわかりますし、その調べ方は難しくはありません。
まずは地番や家屋番号を調べます。
毎年4月から5月くらいに固定資産税の請求の書類が所有者に送られてきます。
※ただし共有名義の場合はその納税代表者だけに送られてくることにご注意ください。
そこに所有する不動産物件(土地・建物)の一覧が掲載されています。
この写しでもあればかなり簡単なんですけどね・・・・
地番や家屋番号とは登記簿に使用されている整理番号で、郵便や住民票に使われる住居表示とは異なります。
ですので、この番号(地番や家屋番号)がわからない登記簿を調べることが出来ません。
地番や家屋番号さえわかれば、全国の法務局で簡単に調べることもできますし、最近ではインターネットでも調べることが出来ます。
でも、たいていは「地番や家屋番号はわかりません!」という場合がほとんどです。
そんな場合は管轄法務局に出向いて調べます。
管轄法務局はどこだ?
地番や家屋番号がわかっていれば全国の法務局でも調べられますが、地番や家屋番号がわからなければ管轄法務局に出向いて調べないといけないことも多いです。
まずは土地の地番を調べよう
管轄法務局手あれば管轄地域のブルーマップが備え付けてあります。
ブルーマップという住宅地図が管轄法務局には備え付けられています。
こんな風に青い文字で地番が記載されていますし、公図の該当番号も参考になります。
また、こんな風に地籍図を備え付けている法務局もあります。
あくまでブルーマップの地番も参考程度にしかなりません。
ごちゃごちゃしている場所や意外とブルーマップの地番と異なっていることも多いです。
そこで、法務局によってはこんな参考資料を置いているところもあります。
これは役所が固定資産税の請求のために調査したものですが、ややこしい地域(駅前の住宅密集地や山林地域など)ではすごく参考になります。
そこであたりをつけて公図を調べます。
すると公図が取得できます。
もし、ここで公図でもよく自分の実家などの不動産が特定できない?という場合は市役所に行って、先ほどの地籍図のようなもので確認します。
土地の地番がわかれば、登記簿謄本を請求します。
はい、こんなに汚い私の字でもしっかりと請求できるので大丈夫です。(笑)
そして建物の登記簿謄本を請求します
ここでは土地の場合同様に地番さえ記入すれば、その地番上にある建物の登記簿謄本を請求できます。
念のため、家屋番号や所有者なども記入しておけば法務局の方でチェックして
「江本さ~ん!所有者 違ってますけどどうしますか?」
なんて教えてくれます。
登記簿の読み方
さて、ここからは取得できた登記簿謄本の読み方です。
土地編
最初に調べた地番ですが、地番からはこんなこともわかります。
いつ分筆されたか?
この番号
X番の土地を複数に分割すると
X番1、X番2、X番3
という風に地番が変わります。
さらに
X番1を分割すると、
元のX番1とX番4という風に変わります。
面積(地積)
面積が登記簿には記載されています。
ただ注意しなければいけないのは、この面積が必ずしも正確でない場合があるということです。
先の分筆(区画を割ること)では、その時に測量するのですが、昔からそのままの土地での面積は昔の半・坪などを単純に換算しているだけの場合もあります。
もともとこの反・坪の表示は昔は縄で計っていたときの数字が引き継がれています。
こんないい加減な時代もはるか昔にはあったのですね。(驚)
ですので、実際と登記簿記載の数字では面積が異なることもあります。
また、分筆していてもちょっと前までは割る分だけを正確に測量しその分だけ差し引く方式が取られていました。
1000㎡で新たに700平米と300㎡の区画に割る場合
300㎡を測量し、面積の計算は1000㎡-300㎡=700㎡とするのです。
ですので、元の1000㎡が曖昧な数字のため700㎡と登記簿に記載されていても果たしてその数字が正確かどうかはわからない?ということです。
いざ測量すると、増えたり減ったりすることもあります。
これを「縄伸び」「縄縮み」と業界では呼びます。
建物編
建物の登記簿謄本からこんなことがわかります。
種類
構造
床面積
築年月日
まあこの辺は見た通りなんで省略します。
土地・建物共通編
もちろん、所有者がわかりますよね。
それ以外にも今までどんな人たちが所有してきたのか?
その経緯がわかります。
また、その理由もわかります。
例:売買・贈与・相続など
借金の担保である抵当権
どの銀行でどんな抵当権がついていたか?
それがわかります。
また登記簿謄本申請時には共同担保目録付きいうところにチェックすればより詳しいことがわかります。
普段は現に効力を有するものにチェックを入れるんですが、親の相続財産を調べる場合は
全てにチェックを入れる私です。
※ただし請求枚数が多いと追加料金を取られます。
親がその不動産以外にも所有していて、昔にそれを共同担保に入れていた場合はここに表示されます。
意外と親の所有不動産の調査に役立つこともあることを覚えておいてくださいね。
まだまだこの不動産登記簿の見方については長くなりますので機会を改めます。
親の土地の調べ方も登記簿もの見方もよくわからないのですがどうすればいいですか?
どうしても一般の方にはなじみが薄い法務局での登記簿謄本の調査です。
もしわからない場合はお気軽にご相談してみてください。
親の土地を調べるのと並行していくらで売れるのかも調べておきましょう。