
実はお金持ちほど遺産相続ではもめません。
なぜならドカンとかかる相続税を少しでも避けるためにきちんと親子や兄弟姉妹で話し合って相続対策を講じているからです。
そして実はお金持ちではない普通の方ほど遺産相続でもめているという現実をご存知ですか?
家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てるほどドロドロの相続争いは「10人に7人が5千万円以下」というデータもあるくらいです。
⇒遺産が少ないほどドロドロの裁判沙汰の相続トラブルになるから気をつけるべき
よく相続争いは「勘定(お金)」と「感情(気持ち)」でもめるといわれています。
これ、普通の方ほど「感情(気持ち)」が原因のことが多いです。
ではなぜお金持ちではない普通の方ほどよく相続でもめるのか?その原因を考えて行きましょう。
私はこの10の原因が典型的に相続でもめる原因ではないかな?と考えていますがこの中にひとつでも思い当たることがあれば気をつけてください。
【遺産相続でもめる10の原因】
- 自分のしたことは過大評価し他人のしたことは過小評価する
- 相続に口出しする妻との夫婦喧嘩よりも血を分けた兄弟との遺産争いの兄弟喧嘩を選ぶ
- 両親ともに亡くなって介護を押しつけられる心配が無くなったから相続ではみんな言いたい放題
- 親が相続のことから逃げたから
- どちらも被害者である加害者でもあるから
- 相続の法律を知らない?都合よく勝手に解釈する
- 親の財産を過大評価する
- 兄弟姉妹間の疑心暗鬼
- 親と同居している実家はすでに自分の家という感覚になる
- お金の魔力が人を変える
もしもこの中で少しでも『?』」と疑問に感じることがあった方はぜひこの後も読み進めてください。
そして、これが典型的な相続トラブル【ワースト5】です。
- 両親の実家・同居など相続財産に不動産が含まれる相続
- 子供がいない夫婦、離婚・再婚した夫婦、内縁関係・事実婚夫婦の相続
- 子供の誰かが実家の商売を継ぐ後継者の相続
- 家族の誰かに親の財産管理を任せている?任されている場合の相続
- 父親が亡くなった時にとりあえず母親名義の相続手続きをした相続
今はまだピンとこないかもしれませんが読み進めていただければ「うちもちょっと気をつけないといけないかも?」という気付きもあるかももしれません。
相続でもめる原因①
自分のしたことは過大評価し他人のしたことは過小評価する
人は「自分のしたことは過大評価して他人のしたことは過小評価する」
これってある程度 真実を突いているかもしれません。

私にあった実際の相続の相談の中には
「妹の私は毎週1回 母の老人ホームに面会に行っていましたわ。 でも兄は月に1回 逢いに来るかどうかくらい。私は兄の4倍も母に逢いに行ってたのだから遺産相続も4倍できて当たり前では?」
というご主張を真顔でされるのです。
これには少々 私も唖然としましたが・・・
ある子供は
「私が親の介護の面倒ををみてきた!」
と考えているかもしれません。
でも他の子供は
「そんな偉そうに言うほどたいした介護もしてなかったくせに!」
「父さんや母さんはいつも涙ながらに愚痴ばっかり言っていたわ!」
「親の介護をしてきたっていうけれど結局最後は老人ホームに入れたじゃないか!」
と考えているかもしれません。
介護ってしてきた本人じゃないと介護の大変さや辛さはわからないものです。
またその大変さを遺産相続で反映するために客観的に証明や評価することはとても難しいのです。
兄弟姉妹間で親の介護状況の情報共有することが大事
週刊文春さんの取材でもお答えしたことなのですが、高齢者の多くは子供の気を引くために「悲劇のヒロインを演じるカマってちゃん」のこともあります。ですから親の愚痴を真に受けると後で兄弟姉妹関係に大きなヒビが入ってしまうことにも気をつけてくださいね。
いま親の介護はどんなことをしているのか?
親の要介護度は?
親の毎日の暮らしぶりは?
このあたりをきちんと兄弟姉妹間で情報共有していないとあとで相続でもめる原因にもなります。
下手に口を出して親の介護を押し付けられないか心配?
「下手に口を出して親の介護を押し付けられないか心配?」
そんな心配をするくらいなら「介護をしてきたから多めに遺産相続したいなんて一切認めない!」なんて言わないで下さいね。
介護って外から見ているよりずっと大変なんです。
それは形に見える部分と見えない部分があるからです。
このあたりを曖昧にしていると大きな誤解が生じます。
ひょっとして初期の認知症の場合もありますから親の言うことにもきちんと裏を取らなければいけません。
常日頃から兄弟姉妹間で親の介護の情報共有はとても大事なことなんです。
介護できないなら遺産は諦めて正々堂々と親不孝宣言しては?
無理なものは無理!これも介護の現実です。
特に外に嫁いでいる娘さんの場合は義両親の介護の問題もあります。
遠く離れて暮らす子供ならば距離的な問題もあります。
介護したくても介護できない?無理なものは無理?
そんな場合は正々堂々と『親不孝宣言』されてはいかがでしょうか?
もちろん相続割合にもそのあたりの事情を汲んだものにしなければいけません。
「いつも父さんや母さんの介護ありがとう。おれはこんな風に相続を考えているから!」
そんな一言があれば介護を任せきりにしている罪悪感も小さくなります。介護の不公平感をもつ子供も安心して親の介護に励むことができるのではないでしょうか?曖昧にしているから介護で心が折れてついきつい言葉を親に言ってしまうものですからね。
相続でもめる原因②
相続に口出しする妻との夫婦喧嘩よりも血を分けた兄弟との遺産争いの兄弟喧嘩を選ぶ
遺産相続でもめて兄弟喧嘩をするか?
それとも
義実家の相続なのになにかと口出ししてくる嫁と夫婦喧嘩をするか?
その二者択一を迫られると夫は「夫婦喧嘩よりも兄弟喧嘩を選ぶ」と断言してしまうと叱られるかもしれませんね。(汗)
でも現実はそうなんです。
【義実家の相続に口を出す妻】
私の父が亡くなり、相続が発生しました。
父の財産は居住している都内の土地と建物、それと多少の預貯金です(金額は定かではない)。
妻は結婚後、しばらくして私の両親と不仲になり、私の実家には全く行かなくなりました。
両親が私の家に来ることも拒否しました。
私が実家に行くのも不承不承で、子供達にもほとんど交流させないようにしておりました。
その替わりに私達より後から結婚した兄夫婦の一家が実家に同居してくれ老後の両親の面倒をみてくれておりました。
父も晩年は認知症も入り私も出来る限りは手伝いましたが兄夫婦の苦労はその比ではなくかなりのものだったであろうと、思われます。
そこで私は感謝の気持ちもあり相続を放棄したいと思っておりました。
それに妻が激怒しました。
確かに
家のローンを抱えながら、年収も減り妻にも働いてもらっており二人の子供も相次いで、大学受験となります。
金銭的には決して楽ではありません。妻の言い分はこうです。
「自分は自分の親ではないから、介護する義務はない。
しかし、あなた(私の事)は、自分の親だから介護を手伝うのは当然だろう。
そして、ちゃんとそうしてきた。だから、権利分の財産は当然もらうべきだ。
又、あなたが、実家に手伝いに行っている間は
私が一人で家の事をしてきたのだから、間接的には手伝っている。
私も意見を言わせて貰う権利はあるはずだ。
とにかく、子供の学費が必要。」
妻の母親も、相続を放棄しないよう、私を責めます。
私が苦労をさせた兄夫婦の為に相続放棄する事は間違っているのでしょうか?引用元: ヤフー知恵
【相続放棄したら妻がキレました】
私には兄(61)がおりまして、
兄は23年前に配偶者を病気で亡くし、
子供もなかったのでそれを機に田舎に戻り、
父の仕事を継ぎました。兄は田舎の面倒ごとも全て引き受け、
両親の介護も一手に引き受けてくれました。
特に介護は壮絶で、私たち家族は年に一度帰るだけですが、
地獄絵図でした。それでも兄は一人で仕事と介護を両立し、両親が立て続けになくなりました。
親とはいえ、親以上に老けるほどズタボロになった兄をみて、亡くなってホッとしました。
私は当然、遺産は放棄するつもりでした。
私が都内で核家族としてノン気に幸せな人生を送れて来たのは兄のおかげともいえますし、
今度は兄に、介護でつぶれた自分の人生を取り戻して欲しいと思ったからです。
再婚もいいと思います。
妻が「家や土地はお義兄さんが継げば良いけど、現金(9000万ほど)はせめて半分にできないか。
それでも家や土地を売ったことを思えば、4分の1程度くらいだし。
ダメでもあんまり贅沢しないで欲しいわね。
お義兄さんもなくなれば遺産は息子と娘のものになるわけだし。再婚なんてやめてよね。」と。私は妻が何を言っているのか理解できませんでした。
本当に自分の妻なのか、人間の心を持っているのかと。
息子と娘は揃って「ありえない!嫁らしいことなんか何ひとつしなかったお母さんが口出しするなんてオカシイ!!」
と私の味方になってくれました。しかし妻は「伯父さんは長男なんだから介護は当然!遺産は子供の権利でしょ?!」と。
「扶養義務を全て押し付けたんだから、遺産放棄が筋」といくら言っても聞きません。兄は「夫婦喧嘩するくらいなら3000万くらいやる」と言いますが、
そんなことをしたらあの世で両親に合わせる顔がありません。
どう妻を説得したら良いでしょうか?引用元: YOMIURI ONLINR
この奥様、かなり相続についてお詳しいですね。
独身のお兄さんに子供がいないのですから相続されたお兄さんの遺産はお兄さんが亡くなれば甥や姪(奥さんの子供)が相続人になります。だから「贅沢して減らさないでね。再婚なんかしないでね」というのも奥様の論理からすれば正しいのですけどね

それでもやっぱり遺産相続でもめた時にはみんな「夫婦喧嘩よりも兄弟喧嘩を選ぶ」ものです。
「私はそれでいいと思っているのですがどうしても嫁が納得しないんです!」
というご相談が多いのです。「いったい誰の相続なんですか!」という言葉が喉まで出てきましたがグッとこらえる私です
結婚独立したら兄弟姉妹はもう他人同然
同じDNAを持って生まれてきた兄弟姉妹ですが、相続が発生するころには同じひとつ屋根の下で暮らした期間よりも結婚独立して別れて暮らしてきた期間のほうが数倍にもなっています。その離れて暮らして期間にお互いの考え方や価値観は大きく変わってきてしまうものなんです。
盆暮れの帰省もあまりしなくなってきた現代社会では兄弟姉妹が顔を合わす機会なんて年に何度あるのでしょうか?ひょっとして何年も逢っていない?そんな兄弟姉妹も多いのです。
血を分けた兄弟は「線」で、妻や夫は「点」でしか見ないのが相続
兄弟姉妹は今までの経緯を理解できます。
しかし、妻などは『法律では子供はすべて平等の法定相続割合』ということを主張するものです。相続を今までの経緯を考慮した「線」でみるか?法律どおりの「点」でみるか?
このあたりは実の兄弟姉妹と義理の兄弟姉妹では大きく異なるところかもしれません。
自分の家の相続は予め自分たちだけである程度は話し合っておくべき
相続のことを何も決めていない白紙の状態だからこそ嫁の口出しも覚悟しなければいけないかもしれません。
ですからある程度のところまで実の兄弟姉妹だけで話し合っておくことをお勧めします。
ええ、あとでネチネチを小言をいわれるのは覚悟しなければいけませんがね。
相続でもめる原因③
両親ともに亡くなり介護を押しつけられる心配が無くなったらみんな言いたい放題
相続で一番もめやすいのが二次相続と言われています。
最初にお父さんが亡くなった相続が一次相続
そのあとお母さんが亡くなった相続が二次相続
この二次相続で一気に今までの不平不満を急に言い出す子供たちって少なくないのです。
ではなぜ二次相続でみんなが好き勝手なことを言い出すのでしょうか?
それはもうなにを言っても親の介護を押し付けられない?ということかもしれません。
「相続でもめる原因①自分のしたことは過大評価し他人のしたことは過小評価する」のケースもこの二次相続が多いのではないでしょうか?
あなたはこんな相続の相談を聴いてどう感じますか?
兄弟姉妹間の経済的格差はどうしても妬みややっかみが生まれがちです。
これも相続でもめる大きな原因ですよね。
やはり親の気持ちをなにかの形で残しておくべきでは?
親が遺言書でも書いてくれていればこんな兄弟たちが争いを起こすこともないと思います。
でも、なかなか遺言書を書いてくれる親もまだまだ少数派です。
ですから私は家族全員の前で話し合う機会を作ることをお勧めしています。
遺言書まで無くても親がどんな風に相続を考えているか?きちんとみんなの前で伝えることが大事です。
もちろん妻や夫など義理の息子娘も同席しなくてはいけません。じゃないとまた後でネチネチと口出しをしてきますからね。
気をつけていただきたいのは「家族全員参加して」ということです。
誰かが欠席していれば「そんなの俺は聞いていない!」とゴネることもあるからです。
なにかの法事の時や帰省のタイミングを兄弟姉妹が合わせてみたりとかいろいろなことを考えてみてくださいね。
相続でもめる原因④
親が相続のことから逃げたから
「奪い合えば足りぬ、分け合えば余る!」は有名な言葉ですがこれは相続でもいえることです。
相続でもめないコツは「分ける」ではなく「あげる!もらう!」なんですね。
「分ける」からもめる!もめない相続は「あげる!もらう!」が基本
やはり何度も言いますが相続でもめないようにするには遺言書を親に書いてもらうのが一番です。
ただ親としても自分から「子供たちの遺産相続に差をつける」というのも罪悪感が生まれるものです。
でも、親としても自分の死後に子供たちが骨肉の相続争いをして関係が疎遠になることのほうが辛いのではないでしょうか?
そのままではゼロか百のドロドロの相続争いになります。
子供たちだけで遺産相続の話し合いをすると最悪は勝者100%敗者0%?あるいは露骨な「遺産隠し」ということにもなりかねません。だから親がある程度の落とし所を見込んだ遺産分割ラインを提示してあげてはいかがでしょうか?
子供が3人なら「33%33%33%」ではなく「40%30%30%」あるいは「50%25%25%」
相続人の子供が2人なら「50%・50%」ではなく「60%・40%」あるいは「70%・30%」
たとえそれが子供にとって不本意な遺産分割割合であっても親が提示したものなら渋々納得するものです。
相続でもめる原因⑤
どちらも被害者である加害者でもあるから
どちらも被害者である加害者でもあるから
たくさんの相続トラブルのご相談を受けている私ですが、双方にお話を伺うとどちらも「自分たちの主張が絶対正しい!」と思って譲らない方がどれほど多いことか。これはもう法律的にどうだとかいう領域ではありません。
基本的な物差しというか常識というか「考え方」「価値観」が180度真逆なのですから円満な相続トラブルの解決など望む術はありません。
相続ではないですが「勝手に別居の姉が成年後見人を立てて高齢の母親を老人ホームに連れて去って行ってしまったという事件です。
なんてひどいことをする姉だとお考えですか?
でも成年後見人が勝手に一方の意見だけを聞いてここまでするとはちょっと考えられません。
ましてきちんとした手続きを経ないと家庭裁判所も成年後見人は立てられません。
おそらく妹さんの親の財産管理面でなにかあったんじゃないのかな?とも思います。
もうこれはどちらが正しくどちらが悪いとはわかりません。
「損して得とれ」手切れ金と思って譲歩してみては?
遺産相続のことをいくら話し合っても双方が「被害者」であり「加害者」でもあります。
もめたところで遺産の総額は増えません。
誰かが多く相続すれば誰かが少なく相続することになります。
このまま平行線で家庭裁判所の調停まで持ち込みますか?
高い弁護士報酬を支払ってまで裁判にしますか?
例えは悪いですが「盗人にも五分の理」があるという諺もあります。
相手側にも相手側の考え方があるのです。
親子の縁は永久に切れませんが兄弟姉妹の関係は簡単に断つことができます。
この際、「手切れ金」と考えて相手の主張を認めてあげるほうが精神的に楽なこともあります。
相続トラブルでその後 一切交流の途絶えた兄弟姉妹は世の中にたくさんいます。
ええ、とても悲しいことですが仕方ありません。
今のままの状態を何十年も続けたら今度は次の世代にまで相続トラブルを引き継がせることはできません。
嫌なことはあなたの代でスパッと清算してあげませんか?
相続でもめる原因⑥
相続の法律を知らない?都合よく勝手に解釈する
実は私も困っているのですか多くの方が
「相続の法律を誤解している?」
「自分に都合よく勝手に解釈を変えている?」
ということが少なくないのです。
一番多いのが特別寄与分です。
親を介護してきたからといって法律的に必ず多く相続できるとは限りません。
えっ?今度の民法改正で介護相当分が認められるようになったって?
ではどうやってその介護の貢献を客観的に証明できますか?涙ながらに家庭裁判所で訴えても客観的証拠がなければ認めてはくれませんよ
⇒特別寄与分の判例
テレビの「◎◎のできる法律相談所」とか週刊誌の特集記事とかを鵜呑みにしない
私もテレビや週刊誌の記事を見ていて「???」と思うことが少なくありません。
「確かにそんな見方もできなくはないけれどかなりこじつけじゃないかなぁ?」
「そんな特殊なケースを想定する?」
と思うこともあります。
まあ、プロの弁護士軍団でも答えはバラバラでひとつではありませんからね?(汗)
相続でもめる原因⑦
親の財産を過大評価する
親にいくらの財産がるか知らない?
離れて暮らしていればそんな子供たちのほうが普通です。
「親父やオフクロたち、まあこれくらいの財産は持っているだろう?!」
なんて予想していても実はそれほど多くの財産は無いことが普通なんですね。
こんなアンケート結果もありました。
「親の遺産をアテにしている子供は4人に1人、相続などさせずに自分たち夫婦で使ってしまおうとする親は半数以上」
⇒親の遺産がもらえることを期待する子供は4人に1人だが、相続などさせず自分たち夫婦で使ってしまおうとする親半数以上
別居の子供が親の遺産の総額が予想より少ないと「遺産隠し」の疑いを持つかも
遺産相続トラブルで「同居の子供」と「別居の子供」がいた場合に、別居の子供の予想から親の遺産が少ないと「遺産を使い込まれた?」「遺産を隠している?」など疑いを持たれることもありますから十分気をつけてくださいね。
親の年金受給額や介護費用(老人ホーム代)ぐらいは知っておいてください
親の年金受給額も知らないで毎月の親の生活出費もわかりません。
また老人ホームや介護費用もバカにならない出費です。
意外と年金では足りず毎月預貯金を切り崩しているケースは少なくないのです。
親が老後資金に蓄えたお金は知らないうちに減っているものです。
親の家の相場くらいは知っておいてくださいね
「不動産」も今は「負動産」になる可能性もある時代です。
バブルの時代はもう蘇りません。
きちんと親の家の相場くらい把握しておいてください。
今はスーモやアットホームなど不動産ポータルサイトで簡単に周辺競合物件がわかります。
ただ一戸建ての場合は前面道路や都市計画など単純に比べられないこともありますからわからないところは私に気軽に相談していただいても結構です。
現実の値段を知ってショックを受ける未来の相続人さんも少なくありませんがズバリお答えさせていただきます。
※ただ私が大阪なので関西圏しかお答えできませんが・・・
相続でもめる原因⑧
兄弟姉妹間の疑心暗鬼
同居や近くで暮らす子供
遠く離れて暮らす別居の子供
こんな場合は親との会う頻度や時間も大きな差が出ます。
そんな状況で「マイホームなど家を買った」「車を高級車に買い替えた」「孫を留学させた」「孫の結婚式を盛大にした」そんな大きなイベントがあると・・・
「ひょっとしてあいつ親から大きな援助してもらったんじゃないか?」
なんて別居の子供たちから不信や疑念が生まれがちなことに気をつけてください。
介護の「特別寄与分」を主張すると「特別受益」(えこひいき?)の話が出てきます
親の介護の苦労を相続で報われるようにするために「特別寄与分」を主張すると他の兄弟たちからたいてい親から多くの援助を受けてきたという「特別受益」の話がでてきやすいものです。こうなってくるとかなりドロ沼の相続争いになりがちです。
でも、気をつけてくださいね。
「親から全額援助させてマイホームを買ってもらったはずだ!」という子供さんにそのマイホームの登記簿を見せて「こんなに住宅ローンの抵当権が付いてますよ!」とご説明したこともあります。
「高級外車を乗り回して!」という子供さんに「あれかなり古い型のベンツでそれほど高いものじゃありませんよ!」という説明をしたこともあります。
なにかひとつでも不信や疑念が生まれるとそれはどんどんエスカレートしていくものです。
相続でもめる原因⑨
親と同居している実家はすでに自分の家である

私は
「親と二世帯同居を決断するならきちんと相続の話をつけておいてくださいね!」
とよくお話をしています。
それは二世帯同居して数十年いや数年も経てば「もうこの家は私たち家族のもの!」という感覚に陥りがちだからです。
相続の遺産分割の中で「実家をどうするか?」という話になった時に「いやあれは親と同居してきた俺たちの家族の家だろ!相続の遺産の中に入れるのはおかしいよ!」というご主張もよくあります。
しかし、親の遺産の中で一番大きい資産が実家などの不動産という場合がほとんどです。
親と同居していた長男夫婦に
「兄貴たちの介護の苦労はわかっている。だから平等に!とはいわないから売ってお金で遺産分けしないか?!」
という弟や妹の言い分に同居の長男家族は簡単には納得はできないものです。
相続でもめる原因⑩
お金の魔力は簡単に人を変える
これは私も体験した現実です。
いや、本当に『お金の魔力」って恐ろしいのです。
わずか数百万円のお金を管理していた私の心に悪魔の声が
私がずっと母のお金の管理をしていました。
介護のお金や生活費などすべてずっと私が行っていました。
母が晩年「残ったらこれはあんたが持っとき!」と正気か冗談かはわかりませんがことあるごとに言っていました。
以前なら「そんなんええよ!俺は好き勝手に暮らさせてもらってるし、お兄ちゃんお姉ちゃんのほうが生活大変やし!」と笑ってやり過ごしていました。しかし、この不景気です。ふと「あぁまた車検や!今回は高くつくなぁ・・」(お母ちゃんのお金で買い換える?)なんて考えが頭を一瞬よぎったのです。慌てて「おれ、何考えてんねん!」と自戒しすぐに兄や姉に母の貯金通帳を見せ「ここにこんだけあるんよ、こっから全部支払いしてるから!」と説明しました。
わずか数百万円でも簡単に悪のダークサイドに陥る恐ろしさを痛感しました。
数百万円は大きなお金ですが、これっぽっちで一生兄や姉に後ろめたい思いをするくらいなら私は嫌です。でもこれが数千万円いや億なら・・・?
典型的な相続でもめやすい遺産相続トラブルはこの5パターン
ここまで読んでいただいていかがでしたか?
それでも「うちの家族はみんな仲が良い相続でもめるなんてありえませんよ!」
「そんな遺産と呼べるほどの財産なんてありませんよ!」
そうタカをくくっている方がどれほど多いことか?はたくさんの相続トラブルに出会ってきた私からするとちょっと楽観しすぎのように感じます。
この他にももめる相続トラブルのパターンは千差万別ですが、特に多いパターンをご紹介いたします。

- ワースト第2位
子供がいない夫婦、離婚・再婚した夫婦、内縁関係・事実婚夫婦の相続

- ワースト第4位
家族の誰かに親の財産管理を任せている?任されている場合の相続
こちらも参考にしてください
参考:これがもめる相続トラブルまとめ【ワースト5】次はあなたの番?
⇒大阪の相続を気軽に相談するなら実家相続介護問題研究所に聞こう
「遺言書を書いておきたいけれど?」 そう考える人は多いと思いますがなかなか遺言書を作れないはず? それは遺言書には2つの選択肢があるからかもしれません。 ・自筆証書遺言(自分で書く遺言書) ・公正証書遺言(公証役場で作成 …
相続の相談を 「どんなことを?」(税金・法律・手続き) 「誰に?」 「いくらで?」 相談すればいいのかわからない? それってあなただけじゃないのです。 相続の相談内容はさまざまです、それによって相談先も変わってくるのです …