親の介護で長年苦労してきた子供と他の兄弟は遺産相続では同じ相続割合
『介護は報われない!』といわれている現実をご存知でしょうか?
今は長寿社会です。
親が長生きしてくれるのは子供にとっては嬉しいことなのですが、その分介護する期間も長くなってきています。
親が亡くなって正直ホッとした
誠に不謹慎な表現で申し訳ありませんが
「親が亡くなってホッした」と思ってしまう子供もいるのも事実。
「親との別れの悲しみ」と「介護から解放されるという安堵感」
これもまた現実なのです。
特に所詮義理の関係でしかない奥さんなどの嫁に任せっきりの介護だった場合は、奥さんに対する罪悪感もありますからね。
夫の親(義父・義母)の介護の場合、実の息子である夫自身は介護にはあまり役に立ちません。
※この僕を含めてそう断言できます。
元々、介護に男は向いてはいない
この前、介護関係の経営者の方とお話しした時も
「やっぱりうちに来てくれる介護ルパーは女性のほうがイイよね…」
と言っておられました。
確かに私も親の介護をしている時にはそう強く感じました。
例えばお風呂やトイレ
いくらお年を召されていても女性はいつまでも女性です。
下の世話を男性にされるのは抵抗があると思います。
うちのお母ちゃんも入浴は拒んでいたなぁ・・・
男性の介護職員さんがお風呂に入れてくれるのを強拒絶していたうちの母でした。
「うちもオンナや!」
と変な所に恥じらいを持っている母でした。(当時はもう80歳を超えていたのに・・)
他の介護職員さんが
「この人には嫁さんも子供もおるから・・・」
と変な理屈をつけて説得しようとしてくれたのですが
そのあたりは認知症気味の母でしたが妙に頭がクリアーになっていてごまかしがきかないのでした。
親の介護など一切していない他の兄弟姉妹が『遺産分割は平等に!』と相続の時に主張してくる理由
「えぇぇ・・・!そんな身勝手な!
こっちは長年にわたって親の介護に苦労してきたというのに・・・!」
とそんな主張をしてくる他の兄弟姉妹に怒りすら覚えることもあるかもしれません。
でも、彼らには彼らなりの言い分もあるのです。
他の兄弟姉妹が平等で均等な相続を主張する言い分
私が遭遇する介護はしてこなかったけど遺産は平等に相続するもの?という彼らの言い分を列挙しておきますね。
「ひょっとしたら、うちのそんなことを言い出さないか?」と心配な方は気をつけて下さい。
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「昼間はデイケアに預けていたし、寝たきりの期間も短かったじゃないか」<
確かに昼間はデイケアなどに行かせていたとしても、それ以外の時間(夜間やデイケアは無い日)の苦労はなかなか介護していない他の兄弟姉妹にはわかりにくいものです。
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「確かに面倒をみてもらって感謝はしているけれど親からその分の生活資金なんかの援助をしてもらっていたじゃないか!」
一緒に同居している親から、小遣いや生活資金などの援助をしてもらっていたんじゃないか?
そんな疑念もうまれがちなのも現実。
また、親が生前 そんなことを少し大げさに他の子供たちに伝えていることもあります。
十万円単位がいつのまにか数百万円単位に、話に尾ひれがつくこともあります。 -
「面倒をみていた親の銀行預金口座から知らないお金が出ているのはわかっているんだ。だから、その分はチャラでいいからさ」
足腰の弱った高齢の親
入院や老人ホームに入所している親が自分で銀行などに行くことはできません。
ですので、おのずから金銭の管理は親の介護をしている子供の誰かがしなくてはいけません。そんな疑念もまたうまれやすいのも現実です。
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親の面倒をみていた義姉(義妹)さんは相続人じゃないから関係ない
確かに義理の関係でしかない義姉(義妹)には相続する権利はあれません。
でも、そんなことを言い出されるような兄弟姉妹関係なら、義理の親の介護なんてする気が失せますよね・・・・。
ただ、他の兄弟姉妹たちの「平等に遺産相続しよう」という主張が必ずしも間違いだとは思いません。
立場が変われば、意見・主張も変わる!
これは当たり前のことです。
実際に介護の苦労は介護していない人にはわかりませんし、理解しろ!というのも土台難しいのです。
だから、きちんと相続が発生する前に兄弟姉妹が相続について話し合う機会を設けて努力も必要です。
なぜなら
介護と相続はワンセットで考えるべきなんですから!
とにかく曖昧な状況のままではなにも変わりませんし親の介護をしてこなかった他の兄弟たちから平等の遺産相続を請求されてもしかたないのです。
こちらもご参考にしてみてくださいね。
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■いくらネットで検索しても無駄です
相続のもめごとは百人いれば百通りで同じケースはありません。
だからネットでいくら解決策を探していてもあまり意味はないのです。
遺産分割で納得できないが自分の主張が正しいのか?間違っているのか?
そんなモヤモヤを抱えたままずっと悩んでいるよりも弁護士に相談するのが解決の早道です。
「相続弁護士ナビ」では、全国の相続に強い弁護士の情報をご提供するサイトです。