離婚した子供に沿ず臆される遺産

昔に比べ今の離婚率は格段に高くなっています。
またバツ1同士の再婚もたくさんあり、普通のことです。
でも、これが遺産相続の時に大きなトラブルになりかねないのです。
なぜなら、先妻との子供も現妻との子供も同じ相続権があります。
法律で子供は同じ相続権なことはみんなわかっているのに?
いざ、相続が現実のこととなってくると慌てて頭を抱える離婚・再婚をした方が多いんですね。

離婚した前妻との子供に遺産相続させない方法を教えてください

前妻

私たち夫婦はお互い再婚同士です。
私(妻)は45歳で専業主婦です。
夫は52歳でサラリーマンです。
私(妻)にも別れた前夫との間に子供が1人
夫にも別れた前妻との間に子供が1人います。
両方とも子供は前夫・前妻が引き取っています。
そして私たち夫婦の間にも子供が1人います。
前妻との子に遺産が渡らないようにするには、
遺言状があれば大丈夫と相続に詳しい人に聞きました。
そんな遺産と呼べるほどの多額の財産はありませんが、
ある程度の預貯金と数年前に購入したマイホームがあります。
主人が会社の定期健診で小さなガンが見つかりました。
それほど大きなものではなく、手術も比較的簡単でした。
しかし、私には少し不安が芽生えました。
もし突然主人が亡くなれば、家と預貯金のどちらも遺産となり、
名義変更や(口座凍結後の)預金の引き出し(口座の解約?)には
前妻との子の同意が必要と教えていただきました。

前妻との子供とは一切交流は無く
(少なくとも私は会ったことがありません。主人はどうかは知りません)
私はどこに住んでいるのか?連絡先も知りません。(知りたくもありません)
そのため、前妻の子供に相続手続き(預金解約・家の名義変更)のために
ハンコをもらう必要の無いようにするには公正証書遺言がいいとききました。

そこで少し教えていただけますか?
Q1:遺言状で相続人を指定(前妻の子供を排除)しておけば、
   家の名義変更や銀行口座解約の際、前妻の子の同意は一切いらなく
   勝手に進められるのでしょうか?
   また前妻の子には全く相続権がなくなるのでしょうか?
Q2:遺産相続で前妻の子供に相続権がある(同意・印鑑証明が必要な)ものは
   何かありますか?
Q3:生命保険は受取人は私だけなのですが、これにも前妻の子供に
   なにか印鑑や同意書などの手続きは必要ですか?
Q4:私自身名義の銀行預貯金があります。
   私にも前夫との子供がいますから私自身も同じように
   公正証書遺言を作っていた方がいいですか?

たくさんの質問ばかりでもうしわけありませんが教えてください。
よろしくお願いいたします。

笑顔の江本

たくさんの疑問点がありますから順次考えていきましょう。


離婚した元妻・元夫には相続権は無いが子供には相続権はある


「離婚した元妻(元夫)に遺産相続する権利はあるんですか?」
意外とこんな質問が多くて驚いています。
結論から言いますと
離婚した元妻(元夫)に相続権はありません。
ただ、元妻(元夫)との子供には相続権があります。
たとえ元妻(元夫)の再婚相手と養子縁組をしていてもです。
養子縁組には特別養子縁組と普通養子縁組があり、元妻(元夫)の再婚相手との養子縁組は普通養子縁組になり、それで子供の元親との相続権が無くなることはありません。

そんな時にふと頭をよぎるのが
『元妻(元夫)との子供』と『現妻(現夫)との子供』が遺産相続でもめないか?
という心配です。
ご存知だとも思いますが法定相続割合は現妻1/2と子供(前妻の子供と現妻との子供)1/2の相続割合です。
そんな心配をされるあなたは「予め元妻との子供に相続放棄させることはできないか?」と考えるかもしれません。
でも、相続発生前に予め相続放棄をさせることはできません。

後妻の居住権|夫の死後に先妻の子供から立ち退きを迫られたら?

a0002_005033
まだまだ離婚した夫婦の相続で楽観的な方もすくなくありません。
そこで、こんな事例もご紹介しておきます。

「あんたは赤の他人だ!この家から出ていってくれ!」と先妻の子供から言われた

20年前に再婚した相談者(73歳)の女性だが、
夫が亡くなって四十九日法要の後
「あんたは赤の他人だ!
 この家はオレの家だから出て行ってくれ!」

と先妻の子供から言われたが、出て行かないといけないのか?

子連れ再婚や熟年再婚の場合はよく相続でもまめます

「うちはそんな相続なんかでもめませんよ!」
ほとんどの方が言われます。
でも、この場合
私がよくお話している相続でもめやすいワースト5の
参考:相続する遺産に不動産がある場合 よく争いに発展します
参考:離婚・再婚をされた方は、相続でもめやすいのでご注意を!
の二つも該当していますね。(汗)



実際の子連れ熟年再婚の相続でもめている生々しい声をお聞き下さい

現実に、熟年子連れ再婚の相続でもめているケースをお聞きください。

親父の妻であっても先妻の子供からすれば自分の母親ではない?

熟年再婚の場合
子供はすでに物心がついています。
ですから、
先妻の子供からすれば
親父の妻であっても、自分の母親ではない!
という感覚も否定できません。

また、気を付けて欲しい微妙な問題は
いったん再婚相手の後妻に相続された遺産は次の相続(後妻が亡くなったの時)には
先妻の子供たちに相続権は無い!
ということです。

もし、そんなことをご心配なら先妻の子供と後妻との養子縁組を

再婚同士の相続は、相続人の範囲を考えておかなければいけません。
二次相続(妻が夫の後に亡くなった場合)は後妻さんの相続人が先妻の子供が含まれないこともあります。
とりあえず現妻を守り、現妻が亡くなった後は先妻の子供に相続させたい場合は現妻と先妻の子供の養子縁組も考えておく必要があるかもしれません。
二回目の相続(現妻が亡くなった時)は先妻の子供は赤の他人で法定相続人ではないことも知っておいてくださいね。

相続はあらゆるケースも想定して対策を立てておくことが大事

相続対策専門士江本圭伸
私も仕事柄、よく相談を受けます。
そして相続対策のアドバイスをさせていただくと
「そんなことは杞憂ですよ!」
「まさかそんなことはおこらんでしょう!」
とタカをくくっておられる方がどれだけ多いことか・・・・(汗)

杞憂は杞憂でよいのです。
起こらないことの方が多いのが現実ですからね・・・
しかし、
もし・・・
万が一・・・・
そんなことが起こってしまったら
大変な修羅場に相続がなるのです。
ですから、
相続対策はあらゆるケースを想定して対策を立てる
これが大切なんですね。
しかも、自分の家庭のことなんて
なかなか客観的にみることはできません。

なんでも気軽に相談できる
そして秘密を守ってくれる
相続に詳しい人が、あなたのまわりにいれば
ぜひ相談してみてくださいね。
でも、なかなか自分の家庭のデリケートな事情など相談できませんよね・・・・
ですから私みたいな相続コーディネーターが必要な時代なんですね。

結論は『元妻(元夫)との子供』と『現妻(現夫)との子供』が遺産相続でもめさせないためには遺言書しか方法はありません。

離婚した前妻との子供を省いた現妻だけ、または現妻との子供だけに相続させる遺言書の書き方

離婚した子供を省いた現妻と現妻との子供に相続させる遺言書の書き方
少ない遺産であり、とりあえず妻にすべて相続させる
もし妻が先に亡くなった場合には三男(現妻との子供)に相続させる
という内容の遺言書です。

第1条
遺言者は、遺言書の下記の財産を妻◎◎(昭和◎◎年◎月◎日生)に相続させる。
① 土地
所在  :大阪市北区◎◎町◎丁目
地番  :◎番◎←住所ではなく地番です。(登記簿の記載の番号です)
地積  :123.34平米
② 建物
所在  :大阪市北区◎◎町◎丁目◎番◎
家屋番号:◎◎番◎
種類  :居宅
構造  :木造瓦葺2階建
床面積 :1階60.00平米
     2階45.00平米
③ 遺言者名義の一切の預貯金
④ その他の遺言者の一切の財産

第2条
万が一、遺言者より前に又は遺言者と同時に妻◎◎が死亡した場合には、
遺言者は前期記載の財産を以下の通り相続させる。
①前条の①記載の土地及び建物は遺言者の三男■■(平成■年■月■日生)に相続させる。
②遺言者の預貯金は、これを換価処分し、遺言者の未払い債務及び遺言執行費用(遺言執行報酬を含む)を控除した後に三男■■に相続させる。

第3条
遺言者は遺言執行人として妻◎◎を指定する。
2、なお、妻■■が既に死亡している場合は、本遺言執行者として以下の者を指定する。
大阪市北区西天満◎丁目◎番◎号
弁護士 正義太郎(昭和□年□月□日生)
3.遺言者は、次の権限を遺言執行者に授与する。
①不動産、預貯金その他の相続財産も名義変更、解約及び払い戻し
③本遺言の執行に必要な代理人や補助人の選任
④その他本遺言を執行するに必要な一切の処分を行うこと
4、遺言執行者の報酬は、正義太郎の弁護士報酬規定の定めによるものとする。

付言事項)
三男■■へ←現妻との子供
私達夫婦にとって、常日頃から会いに来てくれるあなたには
とても面倒をかけました。
また、あなたの子供も私達によくなついてくれて、
本当にかわいく思っています。
私が脳梗塞で倒れてからは、妻◎◎と共によく看病や介護をしてくれたことには
とても感謝しています。
万が一、私が亡くなった後には妻◎◎の老後の生活の援助をお願いいたします。
あまり多くない遺産なので妻の老後を優先して
妻に相続させることにしたことをどうか理解してください。

遺言書のポイント

この機会に、夫だけではなく妻も同様の遺言書を書くことをお勧めします。
ただし、同じ遺言書に書いたり、両名で署名捺印することは遺言書自体が無効になります。
(民法:共同遺言の禁止
ですので、面倒でも各自それぞれで遺言書を作成しなければいけません。
遺言書では主だった相続財産を列挙すべきですが、『その他一切の財産』と記載漏れを防ぐ意味でも追記するほうが良いでしょう。
様々な事態を予測して、妻(又は夫)が先に亡くなってしまったことも想定して起きましょう。(予備的遺言
また、妻が先に亡くなってしまった場合なども考慮して相続手続きを行うためには法律の専門家などを二次的に次順位として遺言執行者も指定しておけば万一、他の相続人から異議を述べられても安心です。このあたりまでしっかりと考えた遺言書の作成ならやはり司法書士など専門家の力を借りることも考えてみてください。

相続・遺産問題・遺言書でわからないことは弁護士に相談が早道!
>>遺産相続に関する法律相談サイト【相続弁護士ナビ】