「うちには遺産といえるほどの財産なんてないから大丈夫!」
そう相続のことを安易に捉えている人がこの世にどれだけ多いことか・・・?(汗)
たとえ相続税がかからないくらいの遺産でも相続に備えて予め準備しておかないと後々大変なことになります。
例えば親が亡くなった時に銀行口座が凍結されてしまったらどうします?
そんな時に慌てても仕方ないですよ。
それくらい相続の手続きや相続税申告など予め準備しおくことはすごく大切です。
例えば相続の準備をしていなかったために「銀行からお金を引き出せない!」
という相続トラブルもよくあります。
このように相続の準備は書類や資料だけでなく「相続で困らないようにしておく!」ことが最善の準備なのです。
こんな銀行口座預金の相続トラブルでも相続人が多くて(交流の無い相続人がいる)相続手続きが難しいことがわかっていれば
あらかじめ小刻みに出金しておいたり定期預金は解約しておいたりしておけばこんなトラブルは避けられたはずです。
相続の事前準備で揃えておく書類や資料
相続の手続きには相続人全員の署名と実印押印(印鑑証明添付)が必要になります。
この中で誰かひとりでも反対してハンコを押してくれいないと相続手続きはできません。
そのためにまず法定相続人が誰と誰なのか?をしっかりと調べておく必要があります。
①相続の準備|被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
亡くなった方(被相続人)が生まれてから亡くなるまで連続した戸籍謄本が必要になります。
これは連続した戸籍謄本等から現在の配偶者や子供(認知・非嫡出子・離婚・再婚)を調べて法定相億人の範囲を確定するためです。
本籍地が何度か変わっていたのなら役所から役所へと追跡して戸籍を取り寄せなければいけません。
誰と誰が相続人なのか?その法定相続割合は? これは相続関係によって決まります。 しかし、この相続関係は戸籍でしか証明できないのです。 もし、お父さんが昔に大恋愛をして? あるいは一夜の火遊びの過ち(浮気)でよそに子供を作 …
戸籍謄本で判明する親の過去? あなたは、お父さんやお母さんの過去を全て知っていますか? 大病を患って余命いくばくかという時になって 「実はお前には腹違いの弟がいてなぁ・・・」 なんていきなりの衝撃の告白があったりすること …
一般的には妻などの配偶者と子供が法定相続人ですが生涯独身であったり子供がいなかったり離婚再婚をしていたりと特殊な相続順位になる場合もありますのでご注意ください。
人が亡くなるとその遺産は相続順位(相続する順番)で該当する人が相続できる権利があります。 最も当たり前のケースは親が亡くなれば相続権はまず子供になりますよね。 しかし、これが少し特殊な事例になるとみなさんよく誤解を持たれ …
なお戸籍には戸籍謄本だけでなく戸籍附票など呼び方も変わるのでご注意ください。
またこの戸籍等の収集は司法書士や行政書士でも職権で収集できますので忙しい方や遠方までいけない?方には専門家の力を借りるのも得策かも知れません。
費用もさほどかかりません。
参考:大阪で相続の相談なら税金(税理士)法律(弁護士)手続き(司法書士)片付け(遺品整理業者)など相続の専門家を無料紹介します
②相続の準備|不動産関連書類(登記簿・固定資産評価証明書など)
多くの方の遺産の中で一番大きなウエイトを占めるのが不動産の場合がほとんどです。
相続税がかかるか否か?
そんな相続税の心配をされる方からご相談もあるのですが・・・
「土地の広さはどれくらいありますか?」
「さあ・・・?」
「固定資産評価額はいくらですか?」
「さあ・・・?」
これではなにも解決できません。
まずは親の不動産を調べてください。
現在では登記簿謄本から登記事項証明書と名称は変わっていますが、ここでは登記簿謄本のほうがわかりやすいので登記簿謄本と呼びます。 子供が意外と知らない親所有の不動産の詳細 「あのぉ・・・うちの実家は相続税がかかりますか?」 …
登記簿を調べれば
現在の所有者(意外と登記名義は祖父のまま?というケースも多いです)
土地の面積
抵当権の有無(親の借金を調べる時に役立ちます)
建物の構造や面積
などなどさまざまなことが簡単にわかります。
ちなみに今は登記簿から登記事項証明書と呼び名が変わっています。
調べ方がわからない?読み方がわからない?
のであればお気軽に私のほうにも相談してみて下さい。
③相続の準備|どこの生命保険会社?保険証券は?
たぶんもうお忘れになっているかと思いますが
以前に多くの生命保険金の不払い案件が発覚して社会問題になりました。
これを受けて大手生命保険会社は年に数回契約者のもとを訪れて状況を確認するまでになりました。
しかし、いまのかんぽ生命の状況をみると不安が募りますね。
生命保険金は加入した方が自ら生命保険金支払いの手続きを行わなければいけないのです。
しかもこの保険金請求権は3年で消滅してしまいます。

葬儀や残された遺族の生活費もありますから迅速に生命保険金受取の手続きは行いたいものです。
ですからどこの生命保険に?保険証券はどこ?を確認して準備しておかなければいけません。
それが無理なら「どこの生命保険会社か?」でもわかっていれば問い合わせすることができます。
相続の準備|実家など不動産をどうする?
一番相続でもめやすのが不動産なんです。
参考:いくらオンボロでも相続財産に親の持家(実家)など土地建物の不動産がある場合は遺産相続トラブルになりやすい
不動産は
・分けにくい
・価値がわかりにくい
遺産なんですね・
親と長年同居しいる家族にとっては実家は相続で分けるべき遺産ではなく自分たちの家!という錯覚
私のもとに寄せられる相続トラブルのご相談でも
「私たちが長年親と暮らしてきたんですからこの家は私たちのものでしょう?!」
「兄貴たちが親と住んでいた実家を売却して遺産分けしようとしているんですが話がまとまらないんです!」
というご相談は枚挙に尽きません。
あるいは親がその不動産に対する思い入れが強すぎて子供が迷惑することもい多いです。
「これはおまえに相続させるから!」 そう親が考えていることを子供のあなたはうすうす感づいているはずでは・・・? でも実は本音では「そんなもの相続なんてしたくない!」と考えている場合もあります。 今の時代、ありがた迷惑な遺 …
はたからみれば 『親の家(土地・マンション・戸建て)などの不動産を相続するなんて羨ましい』 なんて思われているかもしれません。 しかし現実はそうでもないのです。』 相続でもいらない親の家(土地・マンション・戸建て)などの …
親の家など不動産をどうするか?
親子・兄弟姉妹でしっかり話しあっておくことも大事な相続の準備です。
相続の準備|親子でしっかり話し合う

意外と私のほうにある相談で意外と多いのがこんなご相談です。

- 親はまだまだ元気なのですが(70歳)万が一に備えて相続の準備をしておきたいのですが何をしていけばよいですか?
- 可能であれば遺言書を作成しておくことがベターですが、それが無理ならエンディングノートを活用して親の考え方を知っておきましょう
あるのと無いのと全然違うのが遺言書なのですが、なかなかそれも現実的には時間をかけてしっかりと親と話しあっていかないといけません。
そのために、まずこれらのことをしっかりと準備や理解しておいてくださいね。
親が亡くなった時の相続に備えて子供が準備しておく20のこと
- 相続は人生に何度も経験することではないので、あまり詳しく知らない方がとても多いので、最低限度でも良いので相続の正しい知識を増やしょう
⇒特別寄与分は簡単には認められない - 相続について、親と腹を割って話す機会を設けましょう
⇒「親の介護」「相続」について話し合う遺産分割協議を開こう!介護・相続の話し合いは第三者を入れるとうまくいきやすい - 遺言書を親に書いてもらうことを提案しましょう
- もし遺言書を書いてもらえたら、その保管場所を確認しておきましょう
- 親の生年月日や本籍地を確認しておきましょう。
※意外と親の本籍地を知らない子供は多いのですが、後で相続手続きがぐっと楽になります。 - 親族の名前や連絡先・住所
※知らない子供も多いです。きちんと一度家系図を作成して親戚関係をきちんと知っておきましょう。 - 親の葬儀に誰が来て欲しいか確認しておきましょう。
※サークルなどの中心人物などキーパースンもしっかりと確認 - 介護が必要になった場合の希望
※どこで?(自宅・老人ホーム)どんな風に?誰が?その介護費用はどこから? - 終末期医療・延命治療などの親の考え方
※最終的には子供や家族が決断するのですが、その決断は辛いものですから親の希望がわかっていればすごく助かります。 - 資産家の方であれば顧問弁護士や顧問税理士の連絡先
- 加入している生命保険の内容(保険会社名・証券の保管場所・受取人など)
- 借金があるのか?あるのであればいくら?どこから?
※借入先・金額・残高・返済方法・借用書(金銭消費貸借書)など - 誰かの保証人になってはいないか?確認しておきましょう。
※相手の氏名や連絡先、金額、契約書の有無 - 誰かにお金を貸していないか?(債権)確認しておきましょう
※相手の氏名・連絡先、貸出金額・残高・返済方法・借用書(金銭消費貸借書)など - クレジットカード
※会社名、引き落とし口座、カード保管場所 - 所有不動産の概要(所在地や権利証や登記名義人など)
※意外と昔に買った別荘地などがある場合や登記名義が亡くなった祖父の場合も多いです。 - 預貯金の銀行名、支店名、名義人、口座番号
※できればおおまかな金額も把握できればベターですが、そこまでしなくても銀行名と支店名だけでも確認しておきましょう
※インターネットバンキングを利用しているのであればIDとパスワードもどこかに書いておいてもらうのがベター
※貸金庫の有無も確認しておきましょう - 株式投資をしているなら、証券会社の支店名、保有株式(株数や名義人も確認)
- 書画骨董品について
※意外と価値がわからないとガラクタとして処理されたり二束三文で買い叩かれることもあります。 - ゴルフ会員権
※種類や住所・連絡先も確認しておいてください

ことを性急に進めると意外な誤解を招くこともありますから、時間をかけてゆっくりと確認しておいてくださいね
自分が亡くなった時の相続に備えて親が準備しておく12のこと
- 法定相続人が誰と誰でその法定相続割合がいくらなのか調べておく
※法定相続割合以外で相続させたいのであれば遺言書は必須 - 財産目録を作る
※資産はもちろん借金などのマイナスの負債も明記 - 妻などの配偶者にいくら?子供にいくら?相続させるかしっかりと考えておく
※残された妻の老後の生活もしっかりと考えておいてあげてください。 - 遺言書を書くのであれば、自筆にするか?公正証書にするか?
※できれば公正証書が安心です。自筆の場合、万一不備があると無効になってしまいます。 - 預貯金口座を整理し、まとめておく
※複数の口座がある場合、それぞれに相続手続きが必要になりますからできれば1つか2つの銀行口座にまとめておく - 預金通帳や不動産の権利証、生命保険証書など重要な書類の保管場所を子供に伝えておく
- 不要な不動産は早めに現金化しておく。
※認知症になると不動産は売却できなくなります。
※相続後の売却は、だれかひとりでも相続人が反対するとできません。 - どこのお墓に入るか?新たにお墓を購入するか?子供に伝えておく
※仏壇のことも話し合っておいてください。今の住宅事情では子供の家に仏壇を置くスペースはありません。 - 自宅で老後を過ごすなら、早めに介護を考えたリフォームを行う
※子供にリフォーム費用を負担する余力はありません。自分の家のリフォームは親のお金でやっておくべし。 - 小規模宅地の特例を活用できるか?確認しておく
※相続税評価額が80%減になります。 - 相続税の基礎控除額を増やすために孫を養子にするなら、予めそのことをきちんと伝えておく。
- 税理士などに相続の相談をしておく
■ 相続税対策が必要な方の場合

思いつくままに列挙しましたが、各家庭によって様々なことが追加されるかもしれません
各家庭によっては、それぞれのご事情があります。
それぞれに追加されるべき事柄もあるとおもますが、とりあえず最低限このあたりだけでも押さえておいてくださいね。
ただ多くの方が
「うちに相続で何が問題になるのか?わからない」
というかたもすくなくありません。
ご相談いただければ最悪の事態を想定してご指摘させていただきます。
相続ではいつも想定外のことがよく起こります。
お金は魔物であれだけ仲の良かった兄弟姉妹が簡単に険悪になります。
だから
最悪の事態を考えるのが最善の相続の準備なんですね。
相続税申告で税理士にお願いしたら費用報酬相場は遺産の0.5%~1%程度です。 相続財産の総額 税理士基本報酬の目安 〜5,000万円 25万円〜50万円 5,000万円〜7,000万円 25万円〜70万円 7,000万円 …
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相続の相談を 「どんなことを?」(税金・法律・手続き) 「誰に?」 「いくらで?」 相談すればいいのかわからない? それってあなただけじゃないのです。 相続の相談内容はさまざまです、それによって相談先も変わってくるのです …